奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1925)

2021-11-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「新型コロナワクチン/本当の真実(宮坂昌之著・講談社現代新書2021刊)」を読んだ。宮坂昌之(みやさかまさゆき1947生れ)氏は、京大(医学部)卒、オーストラリア国立大学大学院博士課程修了。金沢医科大学/スイスバーゼル免疫学研究所/東京都臨床医学総合研究所を経て、阪大(医学部)教授、医学博士/Phd。-------

この本「新型コロナワクチン」の目次は次の通り。“新型コロナウイルス感染症はただの風邪ではない(致死率9~30%の高病原性ウイルスの近縁種/感染すると80%は軽症のまま回復5%は集中治療室へ/最も有効な対策はワクチン接種)”、“新型コロナワクチンは本当に効くのか(ファイザー製とモデルナ製/ワクチン接種で新規感染者が激減したイスラエルと英国)”、“新型コロナワクチンは本当に安全か(慎重だった私も副反応のデータを見てワクチン接種を決意/副反応は深刻なものではない)”、“ワクチンはそもそもなぜ効くのか(免疫機構は二段構え/BCG接種で様々な感染症にかかり難くなる)”、“ワクチン接種で将来不利益を被ることはないのか(mRNAワクチン/ゲノム時代の新世代ワクチン/DNAワクチンの仕組み)”、“ワクチン接種で平穏な日常は戻るのか(新規感染者の多くはワクチン未接種者/集団免疫はいつ成立するのか/鍵を握る若年層と嫌ワクチン感情/英国の壮大な人体実験)”、“新型コロナウイルスの情報リテラシー(日本メディアの科学リテラシーは残念ながら総じて低い/フェイクニュースの見分け方)”、“嫌ワクチン本を検証する(反ワクチン派の急先鋒/近藤誠氏)”、“新型コロナウイルス感染症の新しい治療法/そして未来(治療薬にも漸くゲームチェンジャーが)”--------

宮坂昌之氏は、現在も阪大(免疫学フロンティア研究センター)招聘教授であり、コロナ禍でのガセ情報/蔓延が許せなくてこの本をお書きになったに違いない。講談社BLUEBACKSの著作もある高名な先生のようだ。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1924)

2021-11-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「日本人の愛国(マーティンファクラー著・角川新書2021刊)」を読んだ。マーティンファクラー(Martin Fackler 1966アイオワ州生れ)氏は、台湾/東海大学留学/慶応義塾大学/東大大学院(経済学)研究生として学び、イリノイ大学(ジャーナリズム)修士号/カリフォルニアバークレイ校(歴史学/現代東アジア史専攻)修士号を取得し、1996よりブルームバーグ/AP通信社/ウォールストリートジャーナルで記者/2009~2015ニューヨークタイムズ東京支局長として活動した。------

この本「日本人の愛国」の目次は次の通り。“愛国は多層的だ(南北戦争の爪痕/150年以上前の戦争が今も燻っている/負けた戦争への同意が無い/愛国復活の背景)”、“戦前の愛国/上からの愛国は命さえも軽んじられる(国とは何を指すのか/零戦パイロットからのメッセージ/夢の中での復讐に脅える/9割が不時着や故障した特攻機/上からの押し付けと自発性)”、“元兵士たちの愛国/ナショナリズムの拒絶と新しい表現(硫黄島の戦いとは/こんなに大きな国と何故戦ったのか/敗北国の知恵)”、“定まらない愛国/島は巨大な墓である(世界中に放置される日本人の遺骨/戦争を評価せず経済成長へ/南北戦争を評価できないアメリカ)”、“戦後の転機その1/尖閣諸島問題(日本を覆う戦後の蓋は外れつつある)”、“戦後の転機その2/3.11(ソーシャルメディアで発信したSOS/官僚の情報独占)”、“天皇が示した愛国(明仁上皇の言葉に込められている思い/慰霊の旅)”、“沖縄の人々(琉球民族のアイデンティティが復活/清王朝と琉球王国の深いつながり/泥染めに理由)”--------

マーティンファクラー氏は、日本人以上に日本を理解する知識/知能を備えている人物であり、この本のレベルの高さに驚いた。南北戦争と太平洋戦争、琉球王国とハワイの歴史の比較論に目を開かせられた。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1923)

2021-11-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「刀伊の入寇~平安時代/最大の対外危機(関幸彦著・中公新書2021刊)」を読んだ。関幸彦(せきゆきひこ1952生れ)氏は、学習院大学(文学部)卒、同大学院(人文科学研究科)博士課程満期退学。現在は日本大学(文理学部)特任教授。専門は日本中世史。-------

この本「刀伊の入寇」の目次は次の通り。“海の日本史(異国文字の謎/女真文字の解明に向けて)”、“女真/高麗/そして日本(東アジア地域の諸相/日本国の内と外)”、“刀伊来襲の衝撃(王朝の栄華と不安/刀伊来襲の予兆)”、“外交の危機と王朝武者(武力動員の特質/ヤムゴトナキ武者たちの来歴)”、“異賊侵攻の諸相(囚われ人の声を聞く/海禁と異域観)”-------

この本「刀伊の入寇」の内容紹介文は次の通り。藤原道長が栄華の絶頂に在った1019年、対馬/壱岐と北九州沿岸が突如、外敵に襲われた。東アジアの秩序が揺らぐ状況下、中国東北部の女真族(刀伊)が海賊化し、朝鮮半島を経て日本に侵攻したのだ。道長の甥で大宰府在任の藤原隆家は、有力武者を統率して奮闘。刀伊を撃退するも死傷者/拉致被害者は多数に上った。当時の軍制を踏まえて、平安時代最大の対外危機を検証し、武士台頭以前の戦闘の実態を明らかにする。-------

関幸彦氏は、中世史が専門だが、日本史/時代区分では古代に相当する平安時代の“刀伊の入寇”について論じる本を上梓された。桓武天皇が国軍を廃して、近衛と検非違使だけの警察国家になってしまった日本では、外敵の侵攻に対して無力な面があった。そのことの反省も一因となって、平安末期から鎌倉時代にかけて武士の勃興する歴史的背景になったのではないかと考え、刀伊の入寇を論じられたようだ。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1922)

2021-11-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「頂きへ/そしてその先へ(竹内洋岳著・東京書籍2013刊)」を読んだ。竹内洋岳(たけうちひろたか1971生れ)氏は、立正大学(仏教学部)卒、石井スポーツに入社、途中よりプロ登山家として同社と専属契約している。2012.5日本人初となる8000m峰全14座の登頂を果たした。-------

この本「頂きへ/そしてその先へ」の目次は次の通り。“あらゆる挑戦は好きから始まる/好奇心(きっかけ/次への興味/ステレオタイプ/歴史/極限地帯/学び/遊び心/栄誉)”、“出会いがチャンスを作り出す/コミュニケーション(縁について/言葉の壁/宗教/チーム/人間力/意思決定/普及/影響)”、“審判もルールもない山の世界で/想像力(勝ち負け/スタイル/環境/創造力/英断/時間の使い方/常識/先入観/登山歴/事故/ハプニング)”、“プロって何だ/覚悟と努力(プロ登山家について/アマチュアについて/契約/生業/役割/準備/トレーニング/健康/技術革新/時代性)”、“恐怖は避けずに利用するもの/恐怖心の活用術(ベースキャンプ/危険/気を張ること/恐怖/五感/平常心/幻覚/成功と失敗)”、“自分の生かし処を洗い出そう/個性の意義(強い人と弱い人/個性/順応/慣れ/分析/進路/得手不得手)”、“頂上はゴールではなく通過点/最終目標(頂上/輪について/命について/運/老化/14座について/日本/世代間ギャップ/原点)”-------

竹内洋岳氏は、バブル経済の終わり辺りから平成の大不況の時代にかけて、スポンサーも少ない中、絶滅危惧種とも云える最後のプロ登山家として、1995マカルー8463mを皮切りに、2012ダウラギリ8167mまで全8000m峰14座を完登された。“おわりに”にはプロ登山家が居なくなっても、私たちから引き継ぐ若者世代が新たな未来を紡いでいくものだと承知していると書いている。2007ガッシャブルムⅡ峰での雪崩遭難/腰椎骨折からの復帰が竹内洋岳氏の、達観を育んだのだろうと思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1921)

2021-11-26 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「発達障害と人間関係~カサンドラ症候群にならないために(宮尾益知著・講談社現代新書2021刊)」を読んだ。宮尾益知(みやおますとも)氏は、徳島大学(医学部)卒、東大(医学部/小児科学教室)/自治医科大学(小児科学教室)/ハーバード大学(神経科)/国立成育医療研究センター(こころの診療部/発達心理科)を経て、2014“どんぐり発達クリニック”を開院。専門は発達行動小児科学/小児精神神経学/神経生理学。------

この本「発達障害と人間関係」の目次は次の通り。“発達障害とカサンドラ症候群(発達障害の基礎知識/ASD自閉症スペクトラム障害とは何か/ASDの人の視覚は木を見て森を見ず/ADHD注意欠如多動性障害とは何か/SLD限局性学習障害とは何か/今増加中のカサンドラ症候群とは/ギリシャ神話の人物名/ASDの伴侶を持った配偶者の苦悩)”、“職場と人間関係/上司や部下がASDの場合(大学生や社会人になってASDに気付くことも/職場でカサンドラ化しないために気を付けること/カリスマとASDは紙一重/ASDは臨機応変が苦手)”、“家庭と人間関係/家族の誰かがASDの場合(夫/父がASDのケース/夫婦で子どもへの関わり方/考えを共有する/子どもがASDのケース/ムカつくを具体的な感情に変換してあげる/妻/母親がASDのケース/夫がカサンドラになる時)”、“発達障害と夫婦関係(デートプラン作りは上手だったのに/風邪で寝込む妻に今晩のご飯はと尋ねる夫/無駄なことが出来ないASDの特性)”、“発達障害と親子関係(感情的になって話し合っても逆効果)”、“どうすれば楽になれるのか(カサンドラへの介入は難しい/脱出の第1歩としての呟き作戦)”--------

宮尾益知氏は、この本で、ASDの本人は気付いていないが、周囲の人間こそが被害/カサンドラ症候群を被(こうむ)っている現状を指摘している。放っておくと鬱(うつ)になったりするのだから、軽視してはいけないと強調している。

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