奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1864)

2021-09-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「部長って何だ(丹羽宇一郎著・講談社現代新書2021刊)」を読んだ。丹羽宇一郎(にわういちろう1939生れ)氏は、名古屋大学(法学部)卒、伊藤忠商事に入社、1998同社長/2004同会長、2010駐中国大使を務めた。------

この本「部長って何だ」の目次は次の通り。“はじめに/部長ほど面白い職業はない”、“仕事/読書/人が自分を磨く/その道のプロフェッショナルになれ(豆腐屋で俄か見習い/日々戦場のニューヨーク時代/取引先のトップと会うための近道/本当のエリートとは/勉強代と情報料はケチらない/議論で負けないコツ/寄稿や講演は会社の業績や名声に繋がる/失敗から何を学ぶか/週末と夏休みを返上してやったこと/どうやって儲けるかより大切なこと)”、“部長時代の手痛い失敗/新しいビジネスを創造する(利益の根源に迫れ/情熱と説得で上司は動き事態は進む/課長時代に直面した事件/メンツに拘らない/部長時代の手痛い失敗/戦略的企業集団の中核は部長/取締役会に部課長を陪席させるべき/消費者のニーズに迫る/雪印再建に向けた支援)”、“会社のルールをぶっ壊せ/ワンチームで乗り越える(社内の反発をどう抑えたか/自分の後任を意識的に教育する/業績評価主義の導入で競争を促す/女性のパワーと発想を取り入れる/見える壁と見えない壁)”、“上に立つ人間がすべきこと/夢とビジョンを語れ(平社員と管理職の違い/反面教師としていた部長/部下の才能をいかに引き出すか/他人のことは言えない酒を巡る失敗/出世より尊いこと)”、“なぜあなたは働くのか/我が仕事人生に悔いはなし(感動の共有に仕事の意義がある/労働者をロボット扱いするな/部長として成功する秘訣/絶対にウソをつかない/裏切らない)”-------

丹羽宇一郎氏は、民間商社勤務で功なり名を上げられた。そして政府機関の重要職にまでお就きになった。この本「部長って何だ」では、冒頭に年寄りは自慢話ばかりだと宣言して本当に成功譚ばかりを羅列しておられる。失敗談もあるがほんの少しであり、それでもって会社人生を内外ともに脱線してはいない。運も良かったに違いない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1863)

2021-09-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「歴史認識日韓の溝~分かり合えないのはなぜか(渡辺延志著・ちくま新書2021刊)」を読んだ。渡辺延志(わたなべのぶゆき1955生れ)氏は、早大(政経学部)卒、ジャーナリスト/ノンフィクション作家。2018まで朝日新聞に記者として勤務した。歴史を主な取材対象とし、三内丸山遺跡/西安の遣唐使墓誌の発見/千葉市の加曾利貝塚などの報道を手掛けた。--------

この本「歴史認識日韓の溝」の目次は次の通り。“徴用工訴訟(徴用工を巡る対立/日本による朝鮮の支配は不法なものであった/朝鮮半島で何をしたのか)”、“東学農民戦争(隠された歴史/徹底された日本軍トップの意思)”、“関東大震災(強まる主張/虐殺はなかった/子どもたちが見た横浜の震災/なぜ流言を信じたのか)”、“二つの虐殺を結ぶ線(日本軍兵士の実像/正体不明の敵)”、“忘れ去った過去(改竄された日清戦史/戦史改竄の真相)”、“三・一運動(新発見の資料/原敬首相と朝鮮総督の対応)”、“曖昧な自画像(無かったことにされた虐殺/突然誕生したことにされた自警団)”、“幾つもの戦後(語られない戦場での体験/日本人の心の隙を狙った詐術)”、“次の時代を展望する歴史像のヒント”--------

渡辺延志氏は福島県生れで、戊辰戦争の戦場の町で育っている。幕末明治の薩長勢力の東北制圧の記憶が、帝国日本の朝鮮を侵略した歴史と重なって見えると書いている。-------

歴史認識は抑圧された側にすれば受け容れ難いのが当然だろうし、勝者の歴史は常に自らを一方的に正当化して語り、敗者のことなど少しも慮(おもんばか)ってはいない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1862)

2021-09-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「日本列島4万年のディープヒストリー~先史考古学からみた現代(森先一貴著・朝日新聞出版2021刊)」を読んだ。森先一貴(もりさきかずき1979生れ)氏は、2002阪大(文学部/人文学科)卒、2004東大大学院(社会文化環境学)修士課程修了、2009同大学院博士課程修了、博士(環境学/東大)。専門は先史考古学、奈良文化財研究所/主任研究員として務めている。-------

出版社の宣伝文は次の通り。大陸とは異なる文化的進化を遂げた日本列島の先史時代。4万年前に列島へ到来した私たちの祖先は、自然とどう向き合って豊かな生活を営んだか、遊動から定住への変化にどんな戦略があったのか。先史時代の列島に暮らす人々の行動を復元し、現代の諸問題の本質を考えるヒントを得る。-------

この本「日本列島4万年のディープヒストリー」の目次は次の通り。“私たちは何処から来たか/歴史と起源(私たちの由来/日本列島の文化は特殊か/土器と人類/日本の文化は大陸起源か)”、“日本列島の人と文化/環境と適応(気候変動と人類社会/文化の東西南北/定住するということ/四季の恵みを活かす/縄文はユートピアか)”、“人類は進歩するか/身体と行動(時間を管理する能力/過去から日々の行動戦略をみなおす/身体と社会文化/人類進化と健康問題)”、“現代社会に何が起こっているのか/社会と観念(向き合う社会/贈与が結ぶ社会/墓じまい考/個人と集団/平等と格差)”--------

森先一貴氏は、東大大学院に進んで、現在のポストを掴(つか)まれた。奈文研の高度かつ幅広い学問領域を支えるエリート研究員になられているようだ。小ぢんまりと纏まることなく大きな視野で文化人類学的な研究発信並びに世界のアカデミックな学会レビューを続けて欲しいと思った。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1861)

2021-09-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「海外で研究者になる~就活と仕事事情(増田直紀著・中公新書2019刊)」を読んだ。増田直紀(ますだなおき1976生れ)氏は、東大(工学部/計数工学科)卒、2002同大学院(計数工学専攻)博士課程修了、理化学研究所研究員/東大(数理情報学)准教授を経て、2014英国ブリストル大学上級講師。専門は数理生物学、博士(工学)。-------

この本「海外で研究者になる」の目次は次の通り。“海外の大学で働く(何故か平穏な日本の大学)”、“海外PIになるには(研究説明書/教育説明書/推薦書/履歴書/マイノリティへの配慮の書類/面接はサイコロ/面接後/内定後/候補者の実力/二段階計画/数撃ちゃ当たる/私の事例)”、“17人に聞いた就活事情(就活一年目で内定/企業経験を経てPIに/同僚の助言/自分の価値を見定める/ドイツの中心的研究所に/物理学と生物学の接点を/隣の国のPI採用事情/香港の就活事情/専門的な技術が強み)”、“海外の大学での仕事(仕事内容は一見似ている/授業負担/授業評価/学期末試験/会議を欠席する理由/待遇/研究費を取ってきてください/テニュア/昇進/大学の財政)”、“大学教員生活のお国事情(武者修行のすすめ/日本人はマイノリティか/就職はゴールではない/理論と実験の交流/非英語圏の大学で現地語で授業も/強いメンタリティを/研究資金の豊富さ/多様性の高さ/中国というキャリアパス)”、“それぞれの道(PI試験の多様性と可能性・イギリスに来て分かったこと)”------

増田直紀氏は、研究者になるために自身が活動してきたことを、人生真っ只中にありながら、この本に書き出している。また自分と同様に研究者になるために格闘している日本人の知りあいの話を盛りだくさんに搭載している。日本が先進国として生き残っていくためには、イノベーションを起こす科学を築き支えていく研究者の一定数の養成は不可欠である。その最前線の苦闘を赤裸々に書き出してくれているのがこの本である。ピンキリの闘いではなくてピンとピンの闘いだから研究者のポストを得る活動は凄まじい競争となるのだろう。------

スポーツ/藝術の分野に優れた人間は、スポーツ観戦/藝術観賞を通してその他大勢の大衆の人生を彩り豊かにしてくれるが、イノベーション/科学的進歩は全く期待できない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1860)

2021-09-26 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「死は最後で最大のときめき(下重暁子著・朝日新書2021刊/週刊朝日連載2019.11.8~2021.4.23の新書化)」を読んだ。下重暁子(しもじゅうあきこ)女史は、早稲田大学(教育学部/国語国文学科)卒、NHK入局しアナウンサーを務めた。民放キャスターを経て、文筆活動に入り活躍を続けている。-------

この本「死は最後で最大のときめき」の目次は次の通り。“プロローグ/眠りの中の一瞬の夢”、“喪失と永遠を考える/出合いそして別れ(心が動くと云う奇跡/八千草薫さんの死に思う/喪失を抱きしめること/美の永遠性について/ゴールを駆け抜けた雄姿/集り散じて人は変れど/この春の異常な不安/死に方は生き方である/水上勉さんの勘六山房/信じられぬ訃報相次ぐ/わが心のベイルート/山崎ハコさんとの縁/時を抱きしめる/別れで知る出会いへの感謝/死をさり気なく受け流す)”、“夢中になると云う事/様々な生き方(猫の耳は何を聞く/カラヤンと野際さんと/熱狂の黒いオルフェ/﨟たけた人はどこへ/家族制度の呪縛いまだ/明日は我が身/原爆の記録が語ること/敬老の日は要らない/ヴェネチア的生き方/土井たか子さん名前で呼んで/二二六と私/本当の女性登用とは/毎日が孤独のレッスン/自由を奪う高齢者差別)”、“最終楽章は華やかに/希望の足音(秋はどこへ消えた/簡素に優る美はなし/疎開が始まった/燕が来た/美意識という無上の資産/養老孟司さんの少年の目/金木犀の香り/書店がある幸せ/ゴロー君と森君と/タヒチの猫)”-------

下重暁子女史の本を読んでいる方なら、既に知っている内容のこともあるのだが、それでも初出の話の方が多いので、満足するのだ。タイトルのインパクトとは別に内容は下重暁子女史の日々の想いを書き連ねているに過ぎない。しかし、ファンならずとも下重暁子女史の、少し上から目線が、嫌みにならず面白いのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする