奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2290)

2022-11-30 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「基礎からわかる論文の書き方(小熊英二著・講談社現代新書2022刊)」を読んだ。小熊英二(おぐまえいじ1962生れ)氏は、東大(農学部)卒。出版社勤務を経て/東大大学院(総合文化研究科)博士課程修了(学術博士)。現在/慶応大学(総合政策学部)教授。著書に“単一民族神話の起源”、“民主と愛国”、“1968”、“社会を変えるには”、“生きて帰ってきた男”がある。----------

この本「基礎からわかる論文の書き方」の目次は次の通り。“論文とは何か”、“科学と論文”、“主題と対象”、“はじめての調べ方”、“方法論(調査設計)”、“先行研究と学問体系(ディシプリン)”、“方法(メソッド)”、“研究計画書とプレゼンテーション”、“構成と文章”、“注記と要約”---------

この本「基礎からわかる論文の書き方」の内容紹介文は次の通り。学問の型を理解すれば/勉強はもっと楽しくなる。社会人にも役立つ/大学の双方向授業を元にした論文入門の決定版。この型式に沿って書かないと評価されません。学生の興味関心を的確に導く。圧倒的な筆力を持つ社会学者/小熊英二による論文作法。人間は不完全だから進歩するし/努力する。人間が一人でやれることには限界がある。だから書いて/公表し/他人と対話する。“そのように私は考えている”---------

小熊英二氏は、理系(農学部)のご出身であり/思考形態が自然科学者の風合いをお持ちである。文系学者の煙に巻くような議論をされず/一つ一つ的確な指摘をなさっている。アリストテレスの弁論術/結論を先に言え/霊魂意志社会と云う不確かな前提/方法論は料理のレシピなど/具体的に論文の書き方を教えて下さっている。同学の学生はもとより/文理を問わず大学院に進む予定の学生は読んで損が無いと思った。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2289)

2022-11-29 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「過疎地で快適に暮らす(鷲田小彌太著・エムジーコーポレーション2007刊)」を読んだ。鷲田小彌太(わしだこやた1942生れ)氏は、阪大(文学部/哲学科)卒/同大学院博士課程修了。津市立三重短期大学教授を経て/札幌大学教授。哲学/倫理学を教える傍ら/過疎地に拠点を置いて/評論/執筆活動をしている。--------

この本「過疎地で快適に暮らす」の目次は次の通り。“序章(過疎地が呼んでいた)”、“地方の時代とは過疎地の時代のことです”、“快適な時間と空間を生きる”、“日本国中過疎地だらけ/選り取り見取りだ”、“過疎地で快適に暮らした”、“ICT時代は過疎地で”、“過疎地は近くにもある/だが近過ぎると後悔する”、“退職後は過疎地で”、“過疎地暮らしの十一戒”----------

この本「過疎地で快適に暮らす」の内容紹介文は次の通り。コンビニまで6km/ファミレスまで25km。田畑を維持できなくなって/打ち捨てられ/荒蕪/無人の地となった過疎地。嘗(かつ)ては/人間の営みがあった土地。だから/人間が住める処。その場所に/本当に快適な暮らしがあった。田舎暮らしよりいい/都会暮らしよりずっといい/と云う/過疎地暮らし30年の鷲田小彌太氏が語る/仕事も家庭も上手くいく/過疎地生活のススメ。---------

鷲田小彌太氏は、高校教師ではなくて大学のアカデミックポストを目指して努力/獲得された人である。三重県津市と大阪の勤務を可能とするために/その中間地点となる伊賀名張辺りの過疎地の住宅地を求められた。その後/生れ故郷の札幌勤務を実現された。その際にも札幌市内には住まずに/更に郊外の過疎地に住居を構えられた。この本「過疎地で快適に暮らす」は自らの実体験を記したものである/だからとても説得力を感じる。ご専門の哲学的な表現も無いので読み易い。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2288)

2022-11-28 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「空腹こそ最強のクスリ(青木厚著・アスコム2019刊)」を読んだ。青木厚(あおきあつし)氏は、2002福井医科大学(医学部)卒/2014自治医科大学大学院修了(医学博士)/同(附属さいたま医療センター/内分泌代謝科)を経て/2015あおき内科クリニックを開設。糖尿病/高血圧/脂質異常症/生活習慣病が専門。糖尿病に/インスリン離脱や薬を使わない治療に成果を挙げている。著者自身も40歳の時/舌がんを患うも完治。--------

この本「空腹こそ最強のクスリ」の目次は次の通り。“一日三食しっかり食べる/空腹な時間を作る/どちらが長寿と健康を齎すか(一日三食とるのが体に良いは間違いだった/一日三食は胃腸を疲れさせ/体の不調を招く)”、“無理なく空腹を作り/体を蘇らせる食事法(睡眠8時間+8時間の空腹で/体に奇跡が起きる/空腹のとき体ではどんな奇跡が起こっているのか)”、“糖が齎す毒を/空腹と云うクスリで取り除く(白米やパン/加工食品が現代日本人の体にダメージを与えている/肝硬変や肝臓がんを引き起こす脂肪肝と云う恐怖)”、“空腹力を高めれば/これだけの病気が遠ざかる(空腹力で/がんの原因を取り除く/空腹力で血液をきれいに/高血圧症を改善)”---------

この本「空腹こそ最強のクスリ」の内容紹介文は次の通り。正しい食事法は/何を食べるかではなく/食べない時間を増やす。睡眠時間を上手に組み合わせて/“1日16時間は食べない”だけで/細胞内の悪いタンパク質や細菌が除去され/全身の細胞がみるみる修復。炭水化物/脂肪/甘い物/お酒も我慢せずに好きなだけ食べられるから/ストレスなく健康になれる。クスリやサプリに頼らず/怖い病気を予防し/持病を改善させたい。そんな方は/是非/本書の“空腹パワー”を利用した食事法を試して下さい。----------

青木厚氏は、医師として/生活習慣病の根治のために/ノーベル賞を受賞したオートファジー研究から生まれた/健康的な食べ方の新常識を提案し/実際に癌/認知症/糖尿病/高血圧/内臓脂肪/疲れ/だるさ/などの老化に悩む人に“病気回復の奇跡”を生じさせていると云う。さて眉唾(まゆつば)かどうか試してみては如何(いかが)。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2287)

2022-11-27 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「生きるとは自分の物語をつくること(小川洋子&河合隼雄共著・新潮文庫2008刊)」を読んだ。小川洋子(おがわようこ1962生れ)女史は、早大(第1文学部/文芸科)卒。1988“揚羽蝶が壊れる時”で海燕新人文学賞/1991“妊娠カレンダー”で芥川賞を受けている。河合隼雄(かわいはやお1928~2007)氏は、京大(理学部)卒/京大教授。ユング派心理学/臨床心理学者。文化庁長官を務めた。日本文化/日本人の精神構造を考察し続け/物語世界にも造詣が深かった。著書に“昔話と日本人の心(大佛次郎賞)”、“明恵/夢を生きる(新潮学芸賞)”がある。--------

この本「生きるとは自分の物語をつくること」の目次は次の通り。“魂のある処(友情が生まれる時/数字に導かれて/永遠に繋がる時間/子どもの力/ホラ話の効能)”、“生きるとは/自分の物語を作ること(自分の物語の発見/偶然に気付くこと/黙っていられるかどうか/箱庭を作る/原罪と物語の誕生/多神教の日本に生まれた源氏物語/死への思い/個への執着/原罪と原非/西欧一神教の人生観/厳密さと曖昧さの共存/忘れていたことが出て来る/傍らにいること)”----------

この本「生きるとは自分の物語をつくること」の内容紹介文は次の通り。人々の悩みに寄り添い/個人の物語に耳を澄まし続けた臨床心理学者と静謐で密やかな小説世界を紡ぎ続ける作家。2人が出会った時/“博士が愛した数式”の主人公のように/魂のルートが開かれた。其々の“物語の魂”が温かく響き合う/奇跡のような河合隼雄/最期の対話。---------

理系の頂点/数学者に理解のある珍しい作家/小川洋子女史と、その昔/数学者を目指したが諦めて心理学者に転進した河合隼雄氏が/奇(く)しくも河合隼雄氏他界直前に邂逅(かいこう/めぐりあい)した貴重な対談集である。噛み合っているかどうかは疑わしいが/中年女性と老人の珍しい対談と相成ったのである。

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古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その2286)

2022-11-26 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「江戸人の老い(氏家幹人著・PHP新書2001刊)」を読んだ。氏家幹人(うじいえみきと1954生れ)氏は、東京教育大学(文学部)卒、専攻は日本近世史。著書に“江戸藩邸物語/殿様と鼠小僧”、“武士道とエロス/江戸の性風俗”、“不義密通”、“江戸の少年”、“大江戸死体考”などがある。---------

この本「江戸人の老い」の目次は次の通り。“ある偉人の遺書/孤独と豊かさ(どろどろ家族/結婚遍歴/表の顔)”、“其れからの吉宗/大御所様残日録(華麗なる名君/史実とドラマの間/介護とリハビリの日々/もう一つの吉宗伝説)”、“老人は郊外を目指す/遊歴雑記を読む(元気なお爺さん/隠者のように/老後の達人/老年期の役割)”----------

この本「江戸人の老い」の内容紹介文は次の通り。頑健/有能な大将軍であった徳川吉宗にも“老い”は訪れた。半身麻痺と言語障害を抱え手厚い介護を受ける一方で/側近たちに対しては往年の為政者としての力を発揮し続けたと云う。家族との確執に悩み/7万字もの遺書を認(したた)めた/ある偉人。世の安直な風潮を醒めた目で観察し/18年にも亘る散歩の記録を残した不良老人。本書では丹念に史料を読み解きながら/江戸に生きた3人の老いの姿を描き出す。それからの人生をどう生きるか。時代を超えて変わらぬ人生最後の問いへの示唆。---------

氏家幹人氏は、文献史学者として豊富に残る江戸期の歴史史料3篇を厳選して/この本「江戸人の老い」を執筆された。こう云う地味な研究活動をされる人はとても少なくて貴重な文献となった。人の性質は昔も今も変わらないと分からせてくれる良書だ。

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