奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1716)

2021-05-05 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「ヒンドゥー教10講(赤松明彦著・岩波新書2021刊)」を読んだ。赤松明彦(あかまつあきひこ1953生れ)氏は、1976京大(文学部哲学科)卒、同大学院修士課程修了、1983第3(ソルボンヌ)大学大学院博士課程修了、文学博士、2001京大教授。2018定年退官し京都大学名誉教授。専攻はインド哲学。著書に“インド哲学10講(岩波新書)”あり。-------

この本の目次は次の通り。“ヒンドゥー教の歴史と地理”、“信仰の形/プージャーとヤジュニャ”、“死後の観念/生天と解脱”、“現世拒否の宗教/苦行と棄世”、“不死の探求/ヨーガと一神教”、“帰依と信愛/バクティ観念の展開”、“象徴と儀礼/タントリズムの広がり”、“シヴァ教の歴史/神魂の二元論と一元論”、“ヴィシュヌ教の歴史/アヴァターラ思想の展開”、“ヒンドゥー教の誕生”-------

扉の抜き刷り文は次の通り。古代のバラモン教/4000年前のインダス文明に遡るインドの宗教思想は複雑だが、その教えは密教儀礼/帰依観念など、日本の宗教に通ずる面を持つ。本質論に陥らず、歴史的/地域的/社会的な重層性に注意しながら、丁寧なテキスト読解によってヒンドゥー教の思考/実践を捉える体系的な入門書。------

赤松明彦氏は、インド哲学の学究生活を終えて、暇になったのか、一般向けのこの教養本「ヒンドゥー教10講」を書く気になられたようだ。結構下世話な内容であり、ヒンドゥー教は日本神道と瓜二つだと言明されている。その昔、指導教授からそのような論文を書いたときに咎め/否められたそうだが、今は堂々と自身の考えを書ける立場にお成りになったのだ。大したものである。------

中国の経済成長の次には、インドが控えているのだから、インドの国民宗教であるヒンドゥー教を知っておくのは必須だろう。だからこの本「ヒンドゥー教10講」はとてもタイムリーだと思った。でも日本人にはすでにお馴染みの神々を信仰する宗教であり、日本の多神教の世界観があれば理解は容易(たやす)いとも言える。

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