北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない
「エゴの力(石原慎太郎著・幻冬舎新書2014刊)」を読んだ。石原慎太郎(いしはらしんたろう1932生れ)氏は、一橋大学(法学部)卒、“太陽の季節”で芥川賞を受賞(1956)した。以後、作家/政治家(1968~2014)/都知事(1999~2012)として活躍してきた。-----
裏表紙の抜き刷り文は次の通り。恋愛/結婚/進学/就職/転職/起業、人は人生の中の岐路で悩んだ時、第三者の助言やマニュアルを頼ろうとするが、結局何を選択するかを決めるのは自分自身。その人の“エゴ”である。つまり失敗しない人生を送るには強くて健全な“エゴ”を育てるしかない。博覧強記の著者が古今東西の文献/偉人の足跡からその人物の“エゴ”が光り輝いた感動的瞬間を蒐集。人生の定理とともに“エゴ”という力の蓄え方が良く分かる画期的自己啓発エッセイ。------
章立ては次の通り。“個性の発露/フィロソフィー”、“恋愛・夢/ディスティニー”、“スポーツ・肉体/プロフェッショナリズム”、“教育・就職/ライフスタイル”、“政治経済/マネージメント”-----
田中真紀子/池上彰に“暴走老人”と呼ばれても“暴走老人の石原です”と受け流していたが、流石に恥ずかしかったのか、石原慎太郎が政治家を引退したころの著作である。だから本書「エゴの力」は意外と真面目な本となっており、自身の傍から見れば結構強運の人生の来し方を振り返って、これからの若い人後進に向けて、自分で決めて人生を歩むようにと諭しているのである。古典に始まり、自身の人生まで隠さず参考にしてくれと披露している。政治家色のない作家の石原慎太郎が戻ってきたかのようだ。