「国文祭・障文祭なら2017」
歴史ファンタジー小説・北円堂の秘密
「日本文化をよむ~5つのキーワード(藤田正勝著・岩波新書2017刊)」を読んだ。藤田正勝(ふじたまさかつ1949生れ)氏は京大卒の京大教授であり、日本哲学史を専攻されている。京大西洋哲学は梅原猛氏によれば、西洋哲学翻訳所であり、絶望したと述べられている。その中でも西田幾多郎だけが気を吐いて来たが難解すぎて後継者が育たない。西田哲学も「善の研究」なのか「禅の研究」なのか判然としない代物で有り今では忘れ去られようとしているように見える。その西田哲学にもう一度脚光を浴びせようとして来られたのが藤田正勝氏である。-----
「日本文化をよむ」の5つのキーワードとは、西行の心、親鸞の悪、長明と兼好の無常、世阿弥の花、芭蕉の風雅であり、最後の章では、西田哲学がこれらのキーワードを中心に構成されていると述べている。また自らの専攻する日本哲学の振るわない理由として、論理性の欠如と、感性を論ずる美学との混同により西洋哲学とは太刀打ちできず、特定の人物の思想や宗教をひっくるめて日本哲学の特異性を主張する事もあるが世界には通用せず少なくとも学問的にはガラパゴスだと“けんもほろろ”である。-----
奈良県は日本文化の発祥地であるという誇らしい歴史が有るけれど、藤田正勝氏の示す5つのキーワードに古都奈良が関与している箇所はどこにもない。綺麗さっぱり忘れられているようだ。近年、侘び茶の創始者として村田珠光を古都奈良ではクローズアップしているが何時まで続くだろう。都が京都に移ってからは南都しての影響力は有ったが都・京都のヒンターランドに過ぎなかったようだ。
歴史ファンタジー小説・北円堂の秘密
「日本文化をよむ~5つのキーワード(藤田正勝著・岩波新書2017刊)」を読んだ。藤田正勝(ふじたまさかつ1949生れ)氏は京大卒の京大教授であり、日本哲学史を専攻されている。京大西洋哲学は梅原猛氏によれば、西洋哲学翻訳所であり、絶望したと述べられている。その中でも西田幾多郎だけが気を吐いて来たが難解すぎて後継者が育たない。西田哲学も「善の研究」なのか「禅の研究」なのか判然としない代物で有り今では忘れ去られようとしているように見える。その西田哲学にもう一度脚光を浴びせようとして来られたのが藤田正勝氏である。-----
「日本文化をよむ」の5つのキーワードとは、西行の心、親鸞の悪、長明と兼好の無常、世阿弥の花、芭蕉の風雅であり、最後の章では、西田哲学がこれらのキーワードを中心に構成されていると述べている。また自らの専攻する日本哲学の振るわない理由として、論理性の欠如と、感性を論ずる美学との混同により西洋哲学とは太刀打ちできず、特定の人物の思想や宗教をひっくるめて日本哲学の特異性を主張する事もあるが世界には通用せず少なくとも学問的にはガラパゴスだと“けんもほろろ”である。-----
奈良県は日本文化の発祥地であるという誇らしい歴史が有るけれど、藤田正勝氏の示す5つのキーワードに古都奈良が関与している箇所はどこにもない。綺麗さっぱり忘れられているようだ。近年、侘び茶の創始者として村田珠光を古都奈良ではクローズアップしているが何時まで続くだろう。都が京都に移ってからは南都しての影響力は有ったが都・京都のヒンターランドに過ぎなかったようだ。