奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1728)

2021-05-17 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「僕はいかにして指揮者になったのか(佐渡裕著・新潮文庫2010刊/1995版の文庫化)」を読んだ。佐渡裕(さどゆたか1961生れ)氏は、京都市立芸術大学(音楽学部)卒、“タングルウッド音楽祭(1987)”で小澤征爾とレナードバーンスタインに才能を認められ、バーンスタインの最後の愛弟子となる。“ブザンソン国際指揮者コンクール(1989)”で優勝し翌年(1990)デビューした。以後欧州各地の名門オーケストラを指揮している。-------

この本の目次は次の通り。“演奏会ほど面白いものはない(クラシックの演奏会は静けさの中にその醍醐味がある/心をシビレさせる感動は言葉ではなく音楽にある)”、“僕が指揮者になった理由(音楽を表現することが僕の天職/音楽は全てが創造です/折角の弟子入りもキミねもう来なくていいよの一言/二度も同じオーディションに落ちたのは指導霊のお陰/何でもありの副指揮者という仕事)”、“世界のオザワそしてバーンスタインと出会う(小澤征爾に憧れてクラシックの世界に/オマケのビデオが審査員の目にとまる/憧れの小澤先生から激励の言葉/面白いではなくシブイと言ったバーンスタイン/僕が行くところ小澤先生の影あり)”、“バーンスタインのもとへ(2年経っても芽が出んかったら指揮者は辞める/音楽家を目指す者は豊かな生活をせなあかん/見知らぬ二人のスポンサー)”、“オーケストラで指揮したい(招待状が届いたのはブザンソンだけ/夢のお告げで判明した課題曲を間違えて練習していた僕/オーケストラも審査員も聴衆も味方に/最後まで分からなかった審査結果/僕のために一心に祈ってくれていたレニー)”、“指揮者というもの(大好きなマーラーを感じるウィーンの街/ジェット機で移動するレニーを夜行列車で追いかける僕/音符に自分の生命を吹き込んでから表現する/音楽を愛しまた音楽を愛する人に優しかったレニー/レニーとの最後の別れ)”、“佐渡流演奏会の楽しみ方”-------

34歳の指揮者/佐渡裕氏の全てがこの本には凝縮されている。そして、神の恩寵を受けた人のように、小澤征爾とバーンスタインの二人にとても愛されて、世に出され登場した逸材なのだ。芸術の世界はこのように不思議に満ちているのだと34歳の若き天才の書いた本に感動させられた。佐渡裕ファンのバイブルだそうだがその通りだと思った。

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