奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1715)

2021-05-04 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「日本の教育はダメじゃない~国際比較データで問いなおす(小松光&ジェルミーラプリー共著・ちくま新書2021刊)」を読んだ。小松光(こまつひかる1975生れ)氏は、東大大学院(農学生命科学研究科)博士課程修了、博士(農学)。現在は国立台湾大学(気候変動プログラム)准教授。ジェルミーラブリー(Jeremy RAPPLEYE 1977生れ)氏は、オックスフォード大学(教育学部)博士課程修了、博士(教育学)。現在は京大(教育学研究科)准教授。------

この本の目次は次の通り。“日本の教育を壊さないために/他国との比較から日本を見る/完璧な住宅などない”、“日本教育の通説を疑う(学力は本当に低いのか/知識がない/創造力が無い/問題解決が出来ない/学力格差が大きい/ほどほどに不公平な日本/大人の学力が低い/昔に比べて学力が低下している/学力低下とゆとり教育の撤回/日本は学力が高い/教育の代償は大きいのか/勉強のしすぎ/高い学力は塾通いのお陰/授業が古臭い/勉強に興味がない/自分に自信が持てない/学校が楽しくない/いじめ不登校自殺が多い/不健康/体育と給食が健康をつくる)”、“もうそういうのやめませんか(現実を見ない教育政策をやめよう/安定した不安を持ち続けよう/レベルの高さに気付こう/日本の先生は優秀/抜群に忙しい日本の先生/もっと世界に発信を/アメリカからの輸入品)”------

小松光氏も、ジェルミーラプリー氏も世界銀行/国際連合(教育科学文化機関)のアドバイザーを務めておられて、データの示す日本教育の立ち位置をとてもよくご存知のようだ。------

PISA(ピザ/15歳時点の世界の子どもの学力を調査するテスト/数学理科読解)、TIMSS(ティムズ/世界の子どもたちの学力を国際的に比較するための調査/小4中2が対象/数学理科)で比較して日本の教育は劣っていないことが歴然としているというのである。小中の義務教育卒業時点では、日本は国際的にトップではないが結構上位にランクしている。-------

この本では、高校大学の偏差値至上主義などの高等教育の問題には一切触れていない。統計的データで議論する限界が見え隠れするが、論点の整理をする上で貴重な本となっていると思った。

コメント
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