奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1379)

2020-06-02 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「中国金融の実力と日本の戦略(柴田聡著・PHP新書2019刊)」を読んだ。柴田聡(しばたさとし1969生れ)氏は、東大(経済学部)卒、大蔵省入省、1996スタンフォード大学修士。2008~2012在中国/日本大使館参事官として北京に4年駐在した。現在は金融庁総務課長である。------

「中国金融の実力と日本の戦略」の章立ては次の通り。“世界トップクラスに成長した中国金融市場(世界最大の銀行市場/日中が競う世界第2位の株式市場/世界第2位の保険市場/巨大なシャドーバンキング/フィンテック大国/中国金融当局の権力/国際金融市場に本格デビューする中国)”、“中国金融ビジネスの最前線(日中株式市場のチャネル開通/巨大中国市場に参入する証券会社/脱日系企業依存/急成長する中国債権ビジネス)”、“なぜ日中金融協力が必要なのか(中国の成長の果実を日本に/米中貿易戦争と中国金融/紅船は金融にも来るのか/日中金融協力の未来)”-------

日本政府の金融庁という超安全地帯から高偏差値の経済官僚として、結構上から目線で中国経済のこれまでの近現代の歴史的実態を書き下してくれている本である。伊藤忠や日産/ユニクロ/ソフトバンクのような民間経営者ならば柴田聡氏のような悠長な構えでは利益は出ないだろうと思われる。でも後付けではあるが、中国が世界第2の経済大国になり金融面でも世界に雄飛しようとしている今、“その実力は本物のなのか”という中国からすればお笑い草の態度を保ちつつ、今後も日中は協力していくのが理想だと仰っている。果たして経済界からこの本が評価されるかどうかは疑問だと思った。------

全てを網羅して教科書的なので、柴田聡氏の個人的な心配/恐れが書かれていない。どうしても政府見解を気になさるのだろうと思った。

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