奈良

不比等

古都奈良・修学旅行と世界遺産の街(その1381)

2020-06-04 08:15:00 | 奈良・不比等

北円堂を知らずして奈良の歴史は語れない

「論点別/昭和史~戦争への道(井上寿一著・講談社現代新書2019刊)」を読んだ。井上寿一(いのうえとしかず1956生れ)氏は、一橋大学(社会学部)卒、同大学院(法学研究科)博士課程修了。現在は学習院大学教授/学長である。専門は日本政治外交史とのこと。-------

章立ては次の通り。“天皇/なぜ立憲君主が聖断を下したのか”、“女性/戦争に反対したのか協力したのか”、“メディア/新聞ラジオに戦争責任はなかったのか”、“経済/先進国か後進国か”、“格差/誰が贅沢は敵だを支持したのか”、“政党/なぜ政党内閣は短命に終わったのか”、“官僚/なぜ官僚が権力の中枢を占めるようになったのか”、“外交/なぜ協調外交が戦争を招いたのか”、“日米開戦/なぜ回避できなかったのか”、“アジア/侵略か解放か”-------

井上寿一氏は同様の本を多数執筆されている。でもこの本「論点別/昭和史」は、10項目の論点に絞って、井上寿一氏の個人的な思いを込めた筋書きを現実の歴史に与えて読者に読み易く歴史小説とまではいかないが、説得力のある歴史読物としてくれているのだ。------

学習院大学という皇室に縁の深い大学の学長でありながら、天皇の戦争責任にもある程度言及されており、中々に骨太な人だなと感心した。平成が終わり令和となったが、日本の実情は昭和初期の混迷と非常に似通ってきている。だから昭和の前半で日本が進路を間違った歴史をしっかりと学んでおくことが大切だと井上寿一氏は、声を大にしているのだ。そして結局は外交能力の問題に行き付くときに、日本のその能力はこれまでとても貧弱であった。良く世界を見渡して偉ぶらずに真面目に二国間外交からやり直せ、韓国とも仲良くせよとも書いているのだ。

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