風に吹かれてぶらり旅

まっすぐに生きる人が好き

三本柱のミステリー

2014-05-18 16:43:26 | 徒然
「そうだ京都、行こう」

このたった15秒のCMに心を奪われ、初めて一人で京都に行ったのは
何時のことだっただろう。

確か、大学を卒業してからだったと思う。
週3~4日でコンビニのアルバイトをしていた大学生の私には
往復の新幹線代と宿泊代、数万円の旅費よりも
カラフルでキャッチーな、個性的な洋服を買うことの方が大事だった。

学生時代は京都に行く理由も、多分なかったと思う。
京都じゃなくてもよかったんだと思う。

そうだ。
懐かしい。

20代の頃は、大学時代や卒業した後のことなんて
すぐに思出せたし、さかのぼることができたけど

34歳になった今の私にはちょっと遠い。
遠くなった。

去年のことすら、遠い。
今年の冬のことだって、遠い。

時間が駆け抜けていく。
焦りを感じる間もない。
無感動になっていく。

iPhoneのカメラで何気なく撮った写真が、かろうじて記憶をよみがえらせる。
「去年こんなにあちこち出掛けていたんだ…こんなに色んなことがあったんだ…」
まるで他人事のように思う。
消化不良だ。

味わう時間がない。
自分の心を遊ばせる余裕がない。
からっぽの心。

自分の足跡を辿りながら、過ぎた時間を取り戻そうとする。
自分の形を後からつくっている。
そんな風に自分を知り、理解するものなのだろうか。

今に居ながら、今に居ない。
現在地がどこか、分からない。
どうやって今に流れついたのか、どうして今にいるのか分からない。

それくらい流された一年だった。
自分を見失った一年だった。
一年の終わりでも始まりでもない、今頃になってどうして振り返るのか?

なんでだろう?
少し余裕ができたからだろうか。
先週末、京都に行ったからだろうか。

5月10日(土)・11日(日)1泊2日の一人旅…だけど
今回実は、いつもお世話になっている仙人や達人と京都で合流し
おすすめの場所を案内してもらうことになっていた。

その中で、木島坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)
通称:蚕の社(かいこのやしろ)に連れて行ってもらった。

初めて訪れた場所だった。
ミステリーっていう言葉が似合う、不思議な場所だった。
三本柱の鳥居があった。
こんな鳥居、初めて見た。
何か異次元の世界への出入口みたいな感じだった。

でも、また行きたくなる場所だった。

次は復習がてら、一人で行ってみようと思う。
風に吹かれて、心の声に耳を傾けて
「そうだ京都、行こう」ってね。