道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

ピエロ・デッラ・フランチェスカ「出産の聖母」

2013年07月08日 | 美術道楽
このブログにたびたび登場するドイツの美術カレンダーですが,今日はトスカーナのモンテルキにあるピエロ・デッラ・フランチェスカ作「出産の聖母」です。
ピエロ・デッラ・フランチェスカといえば,ルネッサンスの有名な画家です。
フィレンツェのウフィツィ美術館にある「ウルビーノ公夫妻の肖像」などで知られています。「出産の聖母」は,アレッツォ近郊のモンテルキという小さな村の教会の礼拝堂にあったもので,現在も本当に小さな美術館の中にあります。
画家が,母ロマーナに敬意を表わすために描いた作品と言われていますが,妊娠した聖母を描くことは珍しかったようで,日本で言えば安産祈願のような対象となり,信仰を集めたそうです。脇にいる天使も緑の衣と茶色の羽,茶色の衣と緑の羽というのが対となっているのが特徴的なのだそうです(モンテルキには日本語のガイドブックがなく,昔,モンテルキに行ったときに,ドイツ語のガイドブックを買って読んだときの記憶がまだ残っていました。)。

昔,アレッツォ,モンテルキ,サンセポルクロと回り,ピエロの「聖十字架伝説」,「出産の聖母」,「キリストの復活」を見たことなど思い出しました。特にサンセポルクロの「キリストの復活」はキリストが今起き上がったかのような絵で,とても印象に残りました。

そうそう,そういえば,レオナルド・ダ・ヴィンチ展が東京都美術館で開催していましたが,そこにはレオナルドとサンセポルクロ出身のルカ・パチョーリとの交流を示すものも展示されていたような記憶です。
ルカ・パチョーリは,複式簿記を理論的に説明し,「近代会計学の父」と呼ばれているそうです。
サンセポルクロに行った際には,日本の某有名簿記学校が,ルカ・パチョーリにちなんで,卒業旅行にはサンセポルクロに行くという話を聞きましたが,果たして本当のことなのでしょうか。私が担がれただけなのでしょうか。わかりません。