道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

アンディ・ウォーホール展 永遠の15分(六本木・森美術館)

2014年04月28日 | 美術道楽
六本木の森美術館で開催中の「アンディ・ウォーホール展」に行きました。

ウォーホルの作品だけではなく、彼の歴史、自画像、シルバー・ファクトリーと呼ばれる工房など多面的にウォーホルの活動の分かる美術館です。
ウォーホルの自画像というのは今まで見たことがなく、これを見てしまうとウォーホルのカリスマ性がなくなってしまうようで、何か不思議な感じがしました。
おきまりのキャンベル缶スープや、電気椅子の作品、それからジャッキー(故ケネディ大統領夫人のジャックリーヌ夫人)、エルビス・プレスリー、マリリン・モンローの作品なども見ました。マリリン・モンローの絵は、目や鼻の描かれていない、個人蔵のものが興味深く思われました。

毛沢東の絵もいつものようにあります。正直何で毛沢東なんだろう、文化大革命のことを考えれば趣味はよくないとずっと思っていたのですが、あの時代キャンベル缶スープと同じくらいどこにでもある肖像画は毛沢東しかなかったのだと言われると妙に納得しました。

注文肖像画の作品も、坂本龍一やキミコ・パワーズなど様々な人のものがありました。誰でも一定の金額を支払えば、ウォーホルから注文肖像画を描いてもらえたわけです。

「ダブルの5ドル」や「人体」などは今まで知らなかったウォーホルの作風が出ていてとても興味深かったです。これらの作品の前にはしばらく立ちつくしました。
またシルバー・ファクトリーの空間はとても興味深く、こんな空間でウォーホルが制作に取り組んでいたのだということを感じることができました。

ほかにもスタッフに銅版の上に小便をかけてもらい、その化学反応で作った作品など大いに注目されていました。
このほか我々ねずみ属にとりましては、ウォーホルが別のアーチストとコラボで作ったねずみの絵(ジャン=ミシェル・バスキア、アンディ・ウォーホル「コラボレーション(子年、ロデント)」)やミッキーマウスの絵も気になったところです。

昔ウォーホルが日本のCMにまで出ていたということを知ったときは、正直、バブル時代の金満日本の傲岸さの方に呆れてしまいました。

個々の作品として秀逸のものが沢山見られるかといいますと、昨年の国立新美術館のキミコ・パワーズのコレクションの方がすごかったような気もしますが、多彩なウォーホルの活動を知ることができて興味が尽きません。既に2回行きましたが、閉幕までにもう一度行きたいところです。

ウォーホルのBMWアートカー

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