Song: Erdowie, Erdowo, Erdogan | extra 3 | NDR
一昨日、ドイツのニュースZDFを見ていましたら、とても面白い報道をしていました。
ドイツの放送局NDRの番組extra3で放映されたErdowie, Erdowo, Erdoganという、トルコのエルドアン大統領を茶化した歌がトルコとドイツの外交問題に発展しているということです。トルコはアンカラにいるドイツの大使に対して抗議もしているようです。
この歌の映像はyoutubeで見ることができます。
歌のタイトルからすぐわかるのですが、Nenaのヒット曲irgendwie, irgendwo, irgendwannの替え歌です。
自然保護地域に許可なく建築された、1000室を超える大統領公邸の違法建築の問題に始まり、自己の意に沿わないジャーナリストを拘禁したり、出版社を取り締まったり、催涙ガスを使用してデモを鎮圧したり、国際女性デーにおける女性の集会を暴力によって解散させたり、クルド人を嫌悪し、クルド人地域に爆撃したりと、ボスポラスのボスことエルドアンの評判の悪い行為が歌の中で取り上げられています。難民の受け入れの代償としてEUに60億ユーロの支援を求めている話への言及もあります。
歌詞は、見事なまでに綺麗に韻を踏んでいて、もとのNenaのヒットソングにピタリとはまっています。映る映像もエルドアンがオスマン帝国の皇帝気取りのような恰好をしているものから、メルケル首相と金ぴかの豪勢な椅子(皇帝の椅子のようです。)に座っている映像、クルドへの爆撃の映像、IS(イスラム国)の映像など、とてもよくできています。
ヨーロッパであれば政治家へのこの程度の風刺は当たり前なのでしょう。
ちなみにextra3はほかにもメルケル首相、ジグマー・ガブリエルSPD党首、ゼーホーファーCSU党首(バイエルン州首相)、最近亡くなったヴェスターヴェレ元FDP党首、プーチン大統領、オバマ大統領についても風刺の替え歌を放送しています(Guido Westerwelle元党首についての替え歌も、JuliのPerfekt Welleという曲のメロディーにうまく合わせてありました。)
ヨーロッパで当たり前のことも、東方世界にあるボスポラスのボスには受け入れがたいのかもしれません。
これを見ているとやはりヨーロッパは自由な世界と思うのですが、それでもひねくれたねずみには気になることがあります。
ドイツにおいても、このような風刺が差し控えられているおそらく唯一の国があるのではないかと思っているからです。
いうまでもなく中国です。中国の指導者についてこのような風刺がされれば、中国は隠れた経済制裁を行って締め上げを図るので、ドイツも中国のことだけは風刺しないようにしているのではないかと思っています。私が留学していたころには、ドイツの番組では天安門事件のことが取り上げられることが多かったように思うのですが、ずいぶんと変わったものだと思います。
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