サントリー美術館で開催中の宮川香山展に行きました。
宮川香山は、幕末期から大正期にかけて活躍した陶芸家で、京都に生まれ、岡山県に行った後、明治維新後横浜に出て、そこで輸出用の精巧な陶芸を作成するようになります。
1876年のフィラデルフィア万国博覧会や、1878年のパリリ万国博覧会などで受賞し、その名声を高め、特に、陶器の表面をリアルな浮彫や造形物で装飾する「高浮彫(たかうきぼり)」という新しい技法で知られるようになります。花瓶に張り付いているような蟹、水差しの上で体をくねらせて、歯や耳の血管まで再現してあるネコ、花瓶に張り付いて、毛並や赤くなった目やこれまた耳の血管まで再現してあるネズミなど、いったいどうしてこんなに精巧な作品が製作できるのか驚嘆します(いずれも写真撮影ができない作品で、冒頭の写真とは異なる作品です。)。
おばあさんたちが、「いや、よくできたネズミだ。」としきりに感激しておりまして、うちの相方ねずみのことを「よくできるねずみ」と褒めてもらったような気持になり、こそばゆい気持ちになってしまいました(趣旨はもちろん違うのですが。)。