goo blog サービス終了のお知らせ 

Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「ウォルト・ディズニーの約束」

2014年04月09日 | 映画


子供の頃、何度読み返したか分からない「メリー・ポピンズ」。
少し大きくなって、原作のイメージよりも綺麗なメリーや、あまり可愛くない顔立ちの子供たち、
そして妙に明るい仕上がりに多少の違和感を覚えながらも
それでも夢中になって観たミュージカル映画「メリー・ポピンズ」。
その映画の制作秘話とあっては、やはり観ない訳にはいきません。

イギリスの名女優エマ・トンプソンが、額に何本ものくっきりした皺を浮かべた頑固なオバさん、
トラバース婦人を演じているのにまず驚きました。
メリー・ポピンズの原作者、トラバース夫人。
この人が、似ても焼いても喰えない頑固者と来ている。
ウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)から20年前より映画化の依頼を受けているのに
ずっと断り続けてきた。
しかしそれは、彼女の子供の頃の悲しい思い出に理由があったから…



1900年代初め、オーストラリアの田舎で育った少女ギンティ(トラバース夫人)の父親は
娘への愛情には誰にも負けなかったが、アル中でどうしようもない銀行員だった。
少女は父親に好かれたいばかりに、隠されていた酒瓶を渡してしまう。
アル中のダメ親父を持ったことは、子供の責任ではないのに。
そしてその飲んだくれが早くに亡くなってしまったのも、子どものせいではないのに。
しかし少女は、ずっと自分を責め続けてきたのでしょう。
その大好きな父親との思い出を投影して作り上げたのが小説「メリー・ポピンズ」だったのです。

ハリウッドの映画製作現場に乗り込んできて微に入り細に入り難癖をつけるのも
そうした背景が分かってくると、合点が行く部分があります。
自分の大事な「メリー・ポピンズ」を、金の亡者ディズニーの、甘ったるい大衆向けの商品にしてたまるか!
というところか。
しかしそれをもってしても、あまりに偏屈で頑固なオバサンではあるのですが。



紆余曲折の末、ようやく出来上がった映画。
その完成試写会で、エスコートしてくれる人もいないトラバース夫人に
そっと手を差し出すミッキーマウス。
私が一番好きなシーンです。
アニメが我慢できない!と憎まれ口を聞きながら、夫人が号泣するシーンも。

彼女が作り上げたメリー・ポピンズが救ったのは、子供たちではない。
救って欲しかったのは、父親バンクス氏。
原題”Saving Mr.Banks”がそれをよく表しています。
トラウマに苦しむ彼女を救ったのは、ウォルト・ディズニーでもあった。
聞き慣れた「2ペンスを鳩に」「チム・チム・チェリー」がこんなに優しくも
悲しい曲だとは思いませんでした。

ウォルト・ディズニーの約束 http://ugc.disney.co.jp/blog/movie/category/walt



コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「あなたを抱きしめる日まで」 | トップ | きよみ、はるみ、せとか »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
思い入れ (ノルウェーまだ~む)
2014-04-10 10:03:34
こんにちは☆
「メリー・ポピンズ」は原作からの思い入れがあるのですね~
確かに綺麗なメリーポピンズとあまり可愛くない子供たち!(笑)
それならばより一層「ウォルトディズニーの~」を楽しめたことでしょう。
私はてっきり原作者が父親が厳格な家に育った・・・という話なのだと思っていましたが、感想を読ませていただいて、これは従来のディズニー映画と違う深みがありそう・・・と気になりだしました。
返信する
まだ~むさま (zooey)
2014-04-10 23:41:53
原作のメリー・ポピンズは
もうちょっと怖い感じのオバサンなのです。
そして映画の子供たち…w
天使のように可愛い子役はいくらでもいるのにね!?

原作者のトラバース夫人、
半端ない偏屈の意地悪ばあさんなのです。
一見の価値はありますよ!
返信する
知りませんでした ()
2014-04-11 07:47:08
少女時代にも「メアリー・ポピンズ」って夢中になれなかったせいか
映画のことすら知りませんでした。
オーストラリアの少女時代のお写真を拝見すると
映像としても美しい映画のようですね~

エマ・トンプソンにトム・ハンクス!
なんだか、嬉しい顔合わせです♪


返信する
釉様 (zooey)
2014-04-11 21:33:20
メジャーとは言えない映画ですからね。
ミニシアター系の映画館に行くと
やはりそういった作品の予告編をやっていて
また観たくなる…エンドレスで続きます。

アル中の父親役はコリン・ファレルです。
ある意味、非常に贅沢な映画でした。
返信する

コメントを投稿