Zooey's Diary

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「トラッシュ この街が輝く日まで」

2015年01月23日 | 映画
脚本は『ラブ・アクチュアリー』、『アバウト・タイム』 のリチャード・カーティス、
監督は『リトル・ダンサー』『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の
スティーヴン・ダルドリー監督の新作といえば、嫌でも期待は高まります。



舞台は、2年後南米初のオリンピックが開かれるブラジル、リオデジャネイロ。
その巨大なゴミ山でゴミを拾って暮らしてる少年ラファエルと二人の仲間。
ある日拾った財布がとんでもない秘密を抱えていて、警察に狙われることになる。



序盤で男が警察に追われ、凄惨な拷問の後、殺されます。
財布は彼のものであり、その後、反政府活動をしている弁護士であるということが分かってくるのですが
まあリオの警察の腐敗しきっていること。
法律なんてあってないようなもの、賄賂は横行し、不当逮捕なんて当たり前。
ラファエルは「警察なんて大嫌いだ、俺たちをゴミ扱いしかしない」と冷めている。
そして警察に捕まって、酷い拷問を受ける。

それでもめげないラファエルたち。
財布に入っていたカギと写真とIDカードから、謎解きを始める。
その間も警察に付け狙われ、リオの街を逃げる逃げる。
スラム街の路地を縦横無尽、窓から飛び出し、塀を乗り越え、屋根を伝い、
もうハラハラドキドキです。



親も家族もない子どもたち、頼れる人も甘えられる人もおらず、
世の中を舐めたようないっぱしの口をきいてる。
一体何処で子どもらしい本音を出すのだろう?と見ていると
子どもたち同士、ケンカしながらも肩を寄せ合い、慰め合ってるのです。
スラム街の中の年老いたジュリアード牧師とボランティアのオリビアだけが
彼らを優しく指導し、叱ってくれる存在で、英語も教えてくれる。
それが結局、彼ら自らを助ける力ともなるのです。



爽快な映画でした。
インドのスラム街を見たばかりの目には、実に説得力があります。
日本の子どもの貧困が言われて久しいですが、桁が違う。
何しろ彼らには家もなく食べ物もなく、学校にも行けないのですから。
ボタンティアのお姉さん、オリビアのキャラが絶妙によい。
若くて綺麗なのに汚いスラム街に身を投じる善意の女性なのですが
先進国出身ならではの甘さと優越感みたいなものがあって(当然ではありますが)
結局何も分かっていなかった、というような。
しかし最後、彼女の発案で子どもたちの動画がネットに発信され、
世界中にリオの政治汚職が知られるところとなるとなるのですから
女は強しというべきか。
原作者アンディ・ムリガンは、インド・ブラジル・ベトナム・フィリピンで
英語を教えた経験がある、イギリスの児童文学者だそうです。
深く納得です。
しかし、このダサいポスターと副題は、なんとかならなかったのか…!?

「トラッシュ この街が輝く日まで」 http://trashmovie.jp/


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8 コメント

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私もベスト入り (ノルウェーまだ~む)
2015-01-23 14:41:20
こんにちは☆
爽快でいい映画でしたね~
最初はスラムの子供たちを扱った社会派の映画で、ちょっと「シティーオブゴッド」を予想していたので、いい意味でビックリしました。
ほどよいエンタメ性が重くなりすぎなくて、私も年明け1発目の映画で既にベスト入りです!
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Unknown (セレンディピティ)
2015-01-23 17:31:51
こんにちは。
爽快で楽しい作品でしたねー。
アメリカ人の2人以外は、主役の3人はじめ、ブラジルの俳優さんたちが演じていますし
スラムのゴミ山から地下通路までカメラが入って撮影されていたので
リアリティがありました。
これで昨年、サッカーのワールドカップが開催された都市だなんて驚きですよね...
zooeyさんはインドで実際にスラムをご覧になったばかりでタイムリーでしたね。
いろいろ感じられることがあったと思います☆
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まだ~むさま (zooey)
2015-01-23 22:36:26
新春からいい作品を観られて
とっても得した気分です。
社会派の要素あり、しかしあっと驚く大エンタメ作品でしたね。
インド旅行の飛行機の中では計6本の映画を観ましたが
どれもイマイチだったのです。
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セレンディピティさま (zooey)
2015-01-23 22:39:45
あの子どもたちもオーディションで選ばれた素人だなんて
驚きですよね。
ええ、ついインドのスラムと比べてしまいました。
日本の子どもの貧困が言われる昨今ですが
桁外れに違いますよね。
あの子たち、親も家族もなく、学校にすら行ってないのですから。
それで爽快なラストが用意されていて
本当にスカッとしました。
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こんばんは~☆ (kira)
2015-01-24 22:07:30
そうでした。桁外れの貧困。
その彼らが、PCを操り、ゲームをする!というのも
やけに現在進行形の忘れ去られたコドモたち、、という感じで、
そこもリアリティがありました
ホント、正月からイイ作品に出会えてよかったです~♪

こちらこそいつも興味を惹かれる記事に、足跡つけれなくて
スミマセン!!
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kiraさま (zooey)
2015-01-25 18:38:50
強烈に匂ってくるようなゴミの山でしたねえ。
あのゲームの電源はどうしているのだろう?と
いささか不思議でしたが…
まあゲームをするからPC操作もお手もの、ということかなあとも思いましたが。
こんな素晴らしい作品、多くの人に観て貰いたいと思いますが
宣伝もそれほど見ないし、このダサいポスターと副題では…(><)
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ここなつと申します (ここなつ)
2015-02-17 17:36:59
こんにちは。
インドのスラム街に行かれたことがあるのですね。
私はスリランカのそれに行った事がありますが…いえ、スラム街ではなかったのですが、内線続きで不安定な当時だったので、普通の都市部も結構な感じでした。
余談ですみません。映画についてですが、私はこの監督がとても好きなので、今回も期待に違わぬ出来だったと思います。子どもたちが生き生きと活躍しているのが、わざとらしくなくて良かった。
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ここなつさま (zooey)
2015-02-17 21:32:03
いらっしゃませ。
コメントをありがとうございます。

インドに限らず、発展途上国には必ず酷いスラム街がありますね。
昨今言われる日本の「格差」など問題にならないような。
スリランカは行ったことがありませんが
ある程度想像できるような気がします。
インドに近いですしね。

私もこの監督好きです。
深刻な社会派のようで、見事なエンタメ作品。
存分に楽しみました!
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