Zooey's Diary

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奇跡の実話「ブレス」

2018年09月20日 | 映画


1957年、ロビン(アンドリュー・ガーフィールド)は美しいダイアナ(クレア・フォイ)を射止め、
ケニアで茶葉の買い付けをしながら、新婚生活を謳歌していた。
まもなく妊娠が分かり、出産を待ちわびていた矢先、ロビンは倒れる。
ポリオ感染による中枢神経麻痺であり、首から下は麻痺、自力では呼吸もできない。
人工呼吸器をつけられ、余命数カ月と宣告される。



ロンドンの病院に移るも、28歳のロビンは絶望し、死なせてくれと訴える。
ダイアナは生まれて来た息子ジョナサンの為に生きてくれと懇願する。
鬱状態となり、息子の顔を見ようともしないロビンの為に、
ダイアナは病院を出ることを決心する。
医師は、2週間と生き延びられないと怒るが…



なんといってもこれが実話というのが凄い。
余命数カ月と診断されたロビンは、それから36年生きたのです。
人工呼吸器をつけたまま、「自分は世界一幸せだ」と言って。
何故そんなことができたのか?

結局、妻や息子との愛、友人たちとの交流、
そして彼の、ユーモア溢れる前向きの姿によるものなのでしょう。
全身麻痺となってもあきらめず、人工呼吸器付きの車椅子を友人と共に開発し、
それに乗って海でも山でも何処にでも出かけ、海外旅行もするのです。
重度障害者は家や病院に閉じ込められ、社会参加はあきらめるべきだというその頃の風潮を
彼は身を持って打破するのです。



そうは言っても、綺麗に描き過ぎているのではないかという疑問を
私は観ている間、拭うことができませんでした。
いかにロビンが前向きとはいっても、あの境遇で一言も愚痴をこぼさず、
常にユーモアあふれた会話をするなんてことがあり得るのか?
全身麻痺の自分に怒り、世界を呪うことはなかったのか?
妻は新婚で倒れた夫を30年以上家で介護し続けて、恨むことはなかったのか?
映画でははっきりと説明がなかったが、一体お金の問題はどうしていたのか?

しかし、エンドロールで納得しました。
実写フィルムが流れ、活動的な夫婦の実際の姿を見ることができ、
そしてその息子ジョナサンが、この映画の製作者だということが分かったからです。
この映画は、実際に両親の姿を見ていた一人息子から彼らへの、
愛のプレゼントだったのですね。
それには文句は言えません。

原題「Breathe」 公式HP http://breath-movie.jp/

#welovegoo
コメント
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