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Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

「和のあかり×百段階段2018」

2018年08月03日 | お出かけ


雅叙園で開催されているアートイルミネーション「和のあかり×百段階段2018」に行って来ました。
昨日も37℃の猛暑の東京、でもここはひんやり涼しい。
様々に光り輝く幻想的な「あかり」を堪能できて、束の間の楽園のようでした。



昭和の竜宮城と言われる百段階段の「あかり」を観て私が思い出したのは、
小川未明の「赤い蝋燭と人魚」です。
北の海に住む一人ぼっちの人魚は、自分の子供を、人間の村に産み落とすことを決心します。
”もう長い間、この淋しい、話をするものもない、北の青い海の中で暮らして来たのだから、もはや、明るい、賑やかな国は望まないけれど、これから産れる子供に、こんな悲しい、頼りない思いをせめてもさせたくないものだ。子供から別れて、独りさびしく海の中に暮らすということは、この上もない悲しいことだけれど、子供が何処にいても仕合せに暮らしてくれたなら、私の喜びはそれにましたことはない。”

人魚の赤子は親切な老夫婦に拾われ、慈しんで育てられます。
美しく育った娘は、老夫婦への恩返しに、蝋燭に貝や魚などの絵を描くようになります。
蝋燭はよく売れ、評判となって遠くまで聞こえるようになり、
香具師がやって来て金儲けのために人魚を買おうとします。
初めは反対していた老夫婦も欲に目がくらみ、遂に娘を売り渡すことに。
人魚を連れた香具師の船は暴風雨に遭い、一行は船もろとも沈んでしまいます。



子供心に悲しい話だと思ったものですが
今読み返すと、もっと悲しい。
自分の子供を人間に託した母人魚の思い、養親に売り飛ばされてしまった娘人魚の悲しみ。

”娘は、それとも知らずに、下を向いて絵を描いていました。其処へ、お爺さんとお婆さんとが入って来て、「さあ、お前は行くのだ」と、言って連れ出そうとしました。
 娘は、手に持っている蝋燭に、せき立てられるので絵を描くことが出来ずに、それをみんな赤く塗ってしまいました。娘は、赤い蝋燭を自分の悲しい思い出のかたみに、二三本残して行ってしまったのです”

今になって読むと、異形の者への差別、子供の労働、人身売買など
現代でも世界の何処かで行われていることばかり。
人間のすることって今も昔も悲しいねえ。



「和のあかり×百段階段2018」http://www.hotelgajoen-tokyo.com/event/wanoakari2018
「赤い蝋燭と人魚」https://www.aozora.gr.jp/cards/001475/files/54372_46225.html

#welovegoo
コメント (6)
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