Zooey's Diary

何処に行っても何をしても人生は楽しんだもの勝ち。Zooeyの部屋にようこそ!

ハルシュタットと路上の女

2011年08月12日 | 中欧旅行2011
チェスキー・クロムロフを後にし、バスで田舎道を延々と走り、
国境を抜けてオーストリアに。
国境を持たない日本人としてはそれがどんなものか気になるところですが
今はノーチェック、昔のゲートの名残(日本の高速道路の料金所のようなもの)が
あるだけでした。
その国境の手前、山に囲まれた見渡す限りの緑の牧草地だか畑だかの中の細い道路の脇に
時々ひょっこりと女性が立っているのです。
ショッキング・ピンクのミニ・ワンピースであったり、タンクトップにジーパンであったり。
一人で何するでもなく、タバコを吹かしたり腕を組んでいたり。
数Kmのうちに5~6人見たでしょうか。
ガイドさんに言わせると、あれは商売の女性なのだそうです。

驚いてしまいました。
考えてみれば、売春は最古の商売とも言われているのだし、
アメリカだってスペインだって、いや日本だって歌舞伎町辺りに行けば
そういう女性はいくらでも立ってる訳なのですが
それは派手派手しい繁華街の中のこと。
あんな牧歌的な緑の牧草地帯に、ひねもす一人で立っているなんて…
彼女たちがそこにいるということは、需要もあるのでしょうね。


ザルツブルクに泊まり、翌朝塩山の街ハルシュタットへ。
山に囲まれた湖、湖畔に建ち並ぶ山小屋のような家々、窓にはこぼれんばかりに花が
咲き乱れ、湖には白鳥がたゆとう…
それこそ絵本のような世界でした。
上々の天気に恵まれて、青い空、青い湖水の上を滑るようにクルーズ船は進む。
ハルシュタットは、「ヨーロッパの美しい町ベスト10」などの上位に必ず選ばれる町で、私も楽しみにしていたのですが、あまりにも小さくてあまりにも綺麗すぎ。

小さな町の中の小さな教会には、納骨堂もありました。
夥しい数のドクロが整然と並べてあって驚きましたが、ハルシュタットは土地が狭いため、埋葬した後10年ほどしたら遺体を取り出し、ドクロだけ納骨堂に納めるのだそうです。
それを聞いて、絵本のように奇麗すぎる町の中に、初めて人間らしい部分を見つけたような気がしました。

 
綺麗な桜の樹の下には、やっぱり死体が埋まってなくっちゃ。
コメント (10)
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