Zooey's Diary

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血なまぐさいセビリアの大聖堂

2010年08月23日 | スペイン旅行2010
セビリアの大聖堂は、1402年に建設が始まり、16世紀に完成したのだそうです。
バチカンのサンピエトロ大聖堂、ロンドンのセントポール大聖堂に次ぐ、
世界で3番目の大きさなのだとか。
しかしここも、元はイスラム教のモスクがあったところに建て直したのだそうです。
右側に見える全長90mのヒラルダの塔も、かつてはモスクのミナレットだったと。

イスラム教徒とキリスト教徒との争いの跡が、スペインでは到る所に見られましたが
その裏に、どれほどの血なまぐさい争いがあったことかと思うと
胸打たれるものがあります。
しかもここでは、14世紀にポグロム(ユダヤ人虐殺)が起こったと。
ポグロムという言葉はロシア語から来ていることから
私はなんとなく、近代のロシア・東欧でのユダヤ人虐殺を指すのかと思っていたのですが
Wikiによれば
”加害者の如何を問わず、ユダヤ人に対し行なわれる
集団的迫害行為(殺戮・略奪・破壊・差別)を言う。”のだそうです。
知らなかった…
”(セビリアでは)当初はキリスト教徒とユダヤ教徒の共存がみられたが、
14世紀半ばのペスト(黒死病)大流行の原因がユダヤ人に帰されるなど反ユダヤ主義
の風潮が強まり、14世紀末にはポグロムが起こった。”(Wikiより)
ほんのちょっと齧っただけでも、どこまでも血なまぐさいスペインの歴史。

堀田善衛の「スペイン断章」の中に
「モーロ人部隊は、掠奪とともに死体から生殖器を切除するという戦場儀式の
持ち主であった。」
という記述があります。
私はこれ、中世以前の話かと思ったのですが、よく読めば
「つい40年前の内戦では、フランコ将軍指揮下のアフリカ人のモーロ人殖民地部隊1万5百人が、ドイツの飛行機で地中海を越えてセビーリアへ輸送され(中略) 言うに言われぬことをやらかした」のだと。
つい最近のことではないですか…

更に氏の言葉を付け加えておきたいと思います。
「人間のすることだけは実に人間自体の理解を超える。
いかに”すべて人間的なるもの、われに無縁ならず”とはいうものの…。」
コメント
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