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LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

大阪府泉佐野市の取り組み

2007年02月10日 | Weblog
☆今日はまたすばらしい活動をご紹介したいと思います。
大阪府泉佐野市におけるセクシュアルマイノリティの人権への取り組みです。この取り組みのきっかけを作った方が赤坂さんという方です。ご自身が当事者として行政に働きかけていった結果として、ここまでの取り組みがなされるようになったのですね。

「社会が他のマイノリティの人権については取り組んでいるのに、この問題に対して無知であったり偏見を持っているのはおかしいと思うようになった」ほんとうにそのとおりだと思います。「まずは自分の住んでいる市から変えていかねばならない」すばらしい勇気だと思います。この勇気にこそ人は動かされるのだろうと思います。教育委員会の取り組みのところで「すべての人々が性別にとらわれず、個性や能力を生かして多様な生き方が選択できるように、固定的な性差観や性別役割分担を払拭するよう、すべての教育活動について見直す」とありますが、具体的に教職員の人権研修も行われているとか。

私が息子からカミングアウトされ、教育ではどんな取り組みがなされているのか知りたいと思って兵庫県人啓発協会を始めて訪ねた時、対応してくださった高校の校長をしていたというその方は「息子さんには何か女の子が嫌いになるような出来事があったのですか?」という質問をするほど、正しい知識をお持ちではありませんでした。またその後訪ねた教育委員会の人権教育課でも、LGBTの子ども達が3~5%以上も存在するという私の指摘に対して「0.3%ではありませんか?」という質問がでる有様でした。人権と名のつくところがこの状態かとあきれてしまったものです。それを考えるとこような取り組みがなされている泉佐野市はすばらしいですね。そしてそれが一人の当事者の真剣な声から始まっていることを忘れてはならないと思います。このような取り組みが全国に広がるように、「つなぐ会」もLGBT当事者とその家族と友人の声を社会に届けていきたいと思います。

3月4日には泉佐野人権研修集会で講演をされるそうです。全国各地の自治体にとって、いいお手本になりますね。どうぞお読みください。





 家族と友人をつなぐ会に参加させていただいている赤坂です。来る3月4日(日)、泉佐野市人権研究集会において、分科会でセクシュアル・マイノリティと 人権をテーマに話します。
 僕自身、泉佐野市で生まれ、小中学校の教育も泉佐野市で受けてきました。泉佐野市は人権教育に関して非常に熱心で、被差別の問題、障害者の問題、少数民族の問題、戦争と差別の問題など様々な人権問題について学んできました。しかし、僕が小中学生だったころ、セクシュアルマイノリティに関する教育は一切なされていませんでした。
 時が経ち、自分自身が同性愛者であることを肯定できるようになったとき、社会がセクシュアルマイノリティについて無知であったり、偏見を持っているのはおかしいのではないかと思うようになりました。他のマイノリティの人権については取り組まれているのに、セクシュアルマイノリティの人権について取り上げられていないのはおかしいのではないかと思いました。
 そこで、まず自分の住んでいる市から変えていかねばならないと思い、市役所の人権推進課、人権推進課・男女共同参画係、教育委員会・人権相談室の担当の方と話をしました。それがきっかけになって、様々な取り組みがなされるようになりました。

 例えば、人権推進課では、公的文書やアンケート、届出等に記載する性別について、性別を記載することに抵抗を感じ、辛い思いをしている「セクシュアル・マイノリティ」と呼ばれる人たちがいるという現実から、人権課題として受け止め、必要のない性別欄を削除する、あるいは、男女どちらかを選ぶ形式にせず、空欄になった性別欄に自分の思う性別を書き込めるような形にするといったことを市役所各課で検証作業を進めていて、具体的に改善されたものもあります。また、人権推進課ではセクシュアルマイノリティに対する差別・偏見をなくすための啓発活動として次のようなことが行われました。2002年度「泉佐野市人権啓発指導者養成講座(あいあい講座)パートⅡにおいてセクシュアル・マイノリティと人権をテーマにした講座を開催し、セクシュアルマイノリティ当事者から話を聞く機会を設けました。また、2005年8月号の市報「人権の広場」のコーナーに「性的少数派(セクシュアル・マイノリティ)と人権」をテーマにした記事が掲載されました。それから、この3月4日に行われる「泉佐野人権研究集会」においての第2分科会において、「セクシュアル・マイノリティ」と人権をテーマに設定したのも、人権推進課のセクシュアルマイノリティの人権啓発の一環です。
 
次に人権推進課内・男女共同参画係では、男女共同参画社会に向けた取り組みの一環として、セクシュアリティやセクシュアルマイノリティについての理解を深めることを目的に次のような取り組みが行われています。
 ・セクシュアリティやセクシュアルマイノリティに関する資料(図書・行政資料・リーフレット・チラシ)を所蔵。図書について貸し出し可能。
 ・関連テーマでの講座やセミナーにおいて可能な場合はセクシュアリティ・セクシュアルマイノリティの問題にも触れることで、参加者の関心や理解を深める。
 ・自主グループ(エンパワーズ)において、セクシュアルマイノリティ当事者から話を聞く学習会を開催。
 ・市登録の電話相談員による事例研究会・学習会において、セクシュアリティに関する学習や話し合いを行い、セクシュアリティやセクシュアルマイノリティに関して固定観念や偏見のない視点で相談にあたれるように、価値観の点検の実施。
・市登録のゲストティーチャーが市内の学校で主にジェンダーフリーをテーマにした出前授業を行っており、ゲストティーチャーによる会議の場を通じ、セクシュアリティに関する知識を深め、セクシュアリティやセクシュアルマイノリティに関して固定観念や偏見のない視点で子供たちに授業ができるように価値観の点検の実施。

 最後に、教育委員会内人権教育室では市の「人権教育基本方針」に基づき、「人権教育の基本的推進方向」において、次のように明記し、教育委員会としての取り組みに努めているところです。
 「男女に限らず、性的少数派も含めたすべての人びとの平等を実現するために、多様な性のあり方を尊重していくことが大切である。すべての人びとが性別にとらわれず、個性や能力を生かして多様な生き方が選択できるように、固定的な性差観や性別役割分担意識を払拭するよう、すべての教育活動について見直す。」
 具体的な取り組みとしては、2003年度教職員対象の人権研修のテーマに「性同一性障害・同性愛」が設定されました。当事者を講師に招き、直接話を聞く研修は参加した教職員にとってセクシュアルマイノリティの理解を深め、課題について具体的に考える機会になったとのことです。


  泉佐野人権研修集会
・日時 2007年3月4日(日)受付:午後0時30分より どなたでも参加できます。
 全体会午後1時から午後2時30分
 分科会午後2時40分から16時40分
・場所:泉の森大ホール他(泉佐野市市場東1丁目295-1)
・交通:南海本線泉佐野駅より徒歩15分または南海バス泉佐野駅前バス停43系統大阪体育大学前行き、44系統熊取団地行き、51系統小谷行き、52系統山の手台行きのいずれかに乗車、泉佐野市役所前下車徒歩2分
JR阪和線熊取駅下車、熊取駅前バス停45,51、52系統泉佐野駅前行きに乗車、泉佐野市役所前で下車徒歩2分
熊取駅筋バス停42,43,44系統泉佐野駅前行き乗車 泉佐野市役所前で下車徒歩2分

◎人権研究集会の問合せ先
   泉佐野市役所人権推進課 ℡072-463-1212、内線2391




      



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