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LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

「ゆうたはともだち」

2006年07月19日 | Weblog
☆またいい絵本、ご紹介します。違いを受け入れるってこんなことではないかなと思います。こどもやいぬにはできるのに・・。
絵本にはとてもかわいい絵がありますが、ここではないので、想像力をはたらかせてください。

 『ゆうたはともだち』 きたやまようこ・作

  おれ いぬ。
  おまえ にんげん。

  おまえ わらう。
  おれ しっぽふる。

  おまえ てで かく。
  おれ あしで かく。

  おまえ なでる。
  おれ なめる。

  おまえ たたく。
  おれ かむ。

  おまえ すぐ なく。
  おれ がまんする。

  おれ あし あげる。
  おまえ あげない。

  おまえ なんでも すぐに きく。
  おれ じぶんで かんがえる。

  おまえ ほんが すき。
  おれ ほねが すき。

  おれと おまえ ぜんぜん ちがう。
  だけど すき。
  だから ともだち。

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「にじ」をもう一度

2006年07月19日 | Weblog
話には聞いていましたが、今は廃刊になっているという雑誌「にじ」を手に入れることができ、6号まで読みました。とても勉強になります。

その創刊号に「そうだったのか、人権って。」という記事がありました。専門家の方が中学生にも分かるように人権について話してほしいという要望に応えられたものでした。とはいえとても濃い内容の中で、私が理解できたことがいくつかありました。

・ 人権の基本とは「自分がしてほしくないことは人にはするな」ということ
・ 人権思想とは「自分と他人は違うことを認めたうえで、どうやって一緒に生きていけるかを問う思想だ」いうこと
・ 人権を問うとは「ほんとうの民主主義社会をつくる」ということ

とてもわかりやすいですね。その中で、人権の本質として「人間が学ぶ存在であるという認識を忘れてはならない」ということも述べられていました。では何から学ぶのか、それは単純に行政が行う講習会からなどではなく、「メディアが地道ないい報道をするとか、マイノリティをテーマとしたいい文学や演劇、音楽作品が生まれて、人々の道徳的感受性を変えていく」というようなことが大事であると書かれてありました。人々の心のひだにひたひたと染み込んでいくような、そんな活動が大切なんだなと感じました。

セクシュアリティにかかわらず、人間は見方によればみんなマイノリティではないでしょうか? 生まれながらにして他人とはどこか違っているのですから。だからこそお互いを少しでも理解しようという努力が必要なのです。みんな少しずつ違っているのに、それをいくつかのグループに分けて、自分がどのグループに一番近いかを探し、そのグループが多数派であればほっとする。おかしなことですね。

考えて見れば、自分がセクシュアル・マイノリティだとしても、それは自分の一部分であるだけで、他の部分では隣の人がマイノリティだということもあるのです。自分がマイノリティであることを嘆いたとしても、反対に自分がマジョリティである部分ではほっとする、ということもよくあることです。結局、お互いがお互いのマイノリティである部分に対して偏見を持ち、差別し合っているのではないかと思うのです。

みんな違う、でもみんな人間。そんな思想が広がればいいですね。それができるのはマイノリティだからこそ。様々なマイノリティに与えられた使命なのかも知れません。これから先、自分がセクシュアル・マイノリティだと気づく子供たちに、決して孤独や不安に陥ってほしくありません。みんなどこかでマイノリティなのですから。自分に自信を持って、誇りを持って、自分らしく生きてほしいと思うのです。もしそれを笑う人がいても、蔑む人がいても、そんなことは気にすることなどないのです。そんな人こそ、狭い世界の中でしか生きられない、結局は自分が偏見という枠に捕らわれの身になってしまっている人なのですから。

「人権とは戦争に対抗する思想だった」「どんな人間でも人間であることを認め、そこからどうするか、それが人権の出発点だ」とも書いてありました。「ブッシュがビンラディンを悪魔と呼び、日本がを鬼畜米英と言ったその対極にあるのが人権思想だ」と。マイノリテティの人権を考える運動が、平和を築き、ほんとうの民主主義を築くことにつながっていくのだとしたら、やっぱりじっとしてなどいられなくなります。テポドンを発射した北朝鮮にどう対抗するか、それだって「どんな人間でも人間であることを認める」ところから考えることが必要な気がします。

「にじ」はとてもいい雑誌でした。どうしてなくなったのか、とても残念です。様々な人の生き方、暮らし方、考え方がわかり、そしてHIVなどの問題にも真正面から取り組んでいて、当事者のコミュニティを結ぶだけでなく、様々な人間を結ぶ、そんなすてきな雑誌でした。もう一度、空にかかる新しい「にじ」を、見せてほしいと思います。

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一人の人間としてどう生きるか

2006年07月17日 | Weblog
 ☆「希望の光」でご紹介した、アメリカの大学でで日本語を教えていらっしゃるという「彼女」、大藤恵子さんから投稿をいただきました。アメリカの様子、そして彼女がどうしてこの活動を始められたのかがよくわかりました。アメリカの地から、日本の私たちの活動に思いを馳せながら投稿してくださったこと、ほんとにありがたく思います。続きは下記のアドレスにアクセスして是非お読みください。「A君のカミングアウト」という記事もあります。考えさせられること、たくさんありました。

私はアメリカのメイン州にある、東北部で最初の男女共学校として1855年に創立されたベイツ大学というリベラルアーツカレッジで15年間教えています。アメリカには1982年から住んでいて、ゲイの男性にも何人か会ったことがあり(そうです、知り合った人から「自分はゲイだ」と簡単に?言われたのです)、大学では同僚にもゲイ、レズビアンの個人やカップル(教員200人のうち私が知っているだけでも15人ぐらい、カップルは3組ぐらい)がいるのです。しかし、私は何年か前までは、例えば「ホモフォビア」という言葉を聞いても意味がわかっていませんでした。これは自分自身の頭の中では性的マイノリティを意識していなかったからで、自分の生徒の中にゲイがいるとは考えたこともありませんでした。自分では知的障害の弟のこと、差別と同和教育の経験から、同性愛差別をしているとは思っていませんでした。(学習のとき、何もしないことは差別を助長することにつながると何度か聞いたにもかかわらずです。)そんな私が意識をし始めたのは、ケビンという日系の教育学部の同僚との縁と、自分の学生(ギリシア人の留学生)にゲイであることをカムアウトされてからです。
——全文は以下のサイトにリンクしてくださいーー 
http://www.bates.edu/~kofuji/humanrights/Keikoessays.html

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ある親の夢

2006年07月15日 | Weblog
東京のパレードがすごく楽しみです。これは団体としての社会へのカミングアウトですね。海外のパレードにはまだまだ及ばないかもしれませんが、去年よりももっともっと大きな、みんなをあっと驚かせるようなそんなパレードになればいいと思います。

ちょっと夢見てみました。
すでにカミングアウトしている子どもから、ある日電話がかかってくる。「今年もパレード来てくれる? そしたら次の日は東京を案内してあげるから・・」なんて言われたら、きっとうれしいだろうな。子どもが社会に対して堂々と自分をアピールしている。誇らしげに歩いている。そんな姿を見たら親のホモフォビアなんてどこかに飛んでしまうのではないだろうか? 「一体うちの子の何がいけないというのよ。こんなに立派に生きているじゃないの。私にとってはかけがいのない子ども。社会にとってもかけがえのない人材の一人なんだからねぇ。」と、子どもの姿に誇らしくなる・・。

前回の「つなぐ会」でこんな話がありました。あるお母様が以前、息子さんに堂山(大阪の新宿2丁目のようなところらしいです)に連れていってもらったというのです。息子さんのほうから「一緒に行こうか?」と誘ってくれたとか。(なんという親孝行な息子さんでしょう! )そのお店では「お母さんが来るなんて店始まって以来!」ということで大騒ぎになり、「僕も長い間おふくろに会ってないよ・・」と、そのお母様を囲んでみんなでわいわいと一緒に写真を撮ったそうです。「すごく楽しかったわ」というお母様の話を聞いていたある大学生、彼女はまだ家族にカミングアウトしていないのですが「私も今度お母さんを堂山に誘ってみようかな・・」と一言。みんなで「それはいいかもね・・(笑)」ほのぼのと心が温かくなるような会話でした。

セクシュアリティがどうであれ、現代の親子事情にはどこか心配なものがありませんか。親子の間がお互いの思いやりや愛情、そして信頼でつながっていることは、どんな時代でもとても大切だと思います。カミングアウトを通して、親子の、そして家族の関係がさらに強く、深いものになる。そんな家庭が増えていけば、社会への認知は今以上に勢いを増していくのではないでしょうか。ある親の楽観的な夢でしょうか?

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つなぐ会がつなぐもの

2006年07月04日 | Weblog
偶然というのは、精緻に組み合された必然のようにも思えます。

この日僕は、たまたまこの会があることをネットで知り、妹に伝えて二人で出席するつもりだったのですが、たまたま妹が母に伝え、気がつくと母と三人で同席していたのです。

簡単な自己紹介をし、近況報告をし、母の番になったとき、彼女はこれまでのことを語り始めました。途中、泣き出して嗚咽しながらそれでも語り、その声音は弱々しくとも止めることを拒んでいました。
 
カミングアウトしてまもなくの頃、僕はむきになって「結婚、家庭、こども」という、ひどく世間的なものにしか幸せを見出せない視野の狭さをなじったのですが、逆に言えば、母はそういう世間的な幸せだけで十分満足だったのです。それを考えると、そのくらいのことも与えてあげられない自分の心が久々に禍々しいもやのようなものに覆われて、辛くなってきました。

しかしながら尾辻さんをはじめ「つなぐ会」の方々は、寄り添いながら、それでいて力強くそのもやをなぎはらってくれました。特に同じ立場のお母さん方のことばは母の心にも響いたようで、同じような経験を乗り越えてきた者のことばの説得力には、僕ら当事者にはかなわないものがあるようです。もちろん、当事者しか持てない説得力も別にあって、尾辻さんのように偏見に負けずに前に出てゆくその信念には、とても勇気付けられます。彼女の存在自体が「エンパワーメント」です。

会を終えた帰り道、母はいくぶんスッキリした表情をしていました。これまでの堂々巡りから抜け出すきっかけにはなったでしょう。特に、ゲイであることをカムアウトして活動していた息子さんを若くして亡くし、その遺志を継ぐという親御さんがご夫婦で来ておられ、そのお二人には母も感心するばかりでした。そのお母さんに「ゲイであっても息子であることに変わりはないですよ。 元気に生きていてくれることが一番の幸せなんです」と声をかけられたとき、母は嗚咽しながらも何度もうなづいていたのが、目に焼きついています。

自分たちの辛さはいったん脇へおいて、目の前の泣いている人に優しい言葉をかけられるようになるまで、どれだけ辛く苦しい夜を過ごしあぐねたことでしょう。どれほど運命は過酷でも、人は前を向いて生きていけるということをことばだけでなく、その場で寄り添うことで指し示してくれているような気がしたのです。

カミングアウトしたくても出来ずに悩んでいる人も、した後こじれて辛い人も、まあ、一度来てみてください。そうすれば、そこにまで足を運ぶ家族の決意のほどに思いを馳せられることでしょう。とてつもない勇気です。そこで優等生になる必要はないんです。いくらでもわが身の不幸をかきくどいて構いません。心の奥に堪った涙の湖を放っていては、いつまでも前に進めないんですから。せいぜい泣き喚いて、循環をよくすることに専念してください。そうすれば体と同じく、心も軽くなります。

一方で、連れてこようとする子どもの方にも、親や家族は思いを馳せてあげてください。彼らはあなたがたに理解してもらいたくて、誘っているのだから。双方の想いが交差することを願って歩み寄ろうとする、その一歩一歩が、生きるということなんですから。
                             H.K

☆お母様と妹さんと一緒に参加してくださった方からの投稿です。この時はみんなで一緒に涙してしまいましたが、そのあとのすがすがしさを今でも覚えています。泣きたい時には泣けばいいんですね。そして前へ進んで行けば・・。



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娘からのカミングアウト

2006年07月03日 | Weblog
学生時代の終わり頃だったかと思う。ファミレスで娘と二人の楽しいお茶のひととき。家を離れて学生生活を送る娘とは時々出会って話をしている。

[好きな人ができてん。」満面の笑みをたたえた私に「女の人やねん。」天国から地獄へという感じがこれかもしれない。混乱状態の中での娘の一言。「お母さんの育て方が悪かったのと違うから、それだけは覚えておいて。」これが娘からのカミングアウト。カミングアウトという言葉さえ知らなかった私は、その後娘の本が出版されるまで「忘れておこう、聞かなかったことにしよう」の数年間が続いた。異性愛が正常。そしてその人生一直線を歩んできた私にとって、次に何か言い出されるその時がこわかった。

府議挑戦、当選。そして運命の日が去年8月の初め。家族4人揃った席で、「本を出す。見本本もできている。一週間後に店頭に並ぶ。」内心恐れていた日がやってきた。マスコミに取り上げられる。その母として私は生きていけるのか。渦が心と頭の中をかけめぐった。その時の息子の一言が、私の気持ちを落ち着かせた。30年間、喘息とアトピーに苦しんできた息子が言った。「僕はかな子を応援する。病気の苦しさよりも、それを見つめる世間の目のほうが僕には冷たかった。少数者に世間は冷たい。かな子のやることが法にふれない限り、それを応援するのが家族と違うんか。」

7月の映画祭。おそるおそる参加。受付に座っていた娘の笑顔。あんな落ち着いた優しい笑顔は殆んど見たことがなかった。「かな子は仲間といることが落ち着くんだ。」

8月。ゲイパレード(東京)でカミングアウトを皆の前ですると聞く。その様子を見てみたいので、行こうと決心する。

少しずつ勉強し、娘のやろうとしていることを応援しようと思い、私も世の中に宣言!のつもりで朝日新聞の声欄に投稿。年末になっていた。

そして今、親の会の発足に関わっている。
                            尾辻 孝子


☆尾辻かな子さんのお母様からの投稿です。いつも明るくて、そばにいるだけで安心できる、そんなお母様ですが、やはり「忘れておこう、聞かなかったことにしよう」という時期があったのですね。でも今では、この会になくてはならない強力なサポーターです。みなさんもきっとなれる!!  

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第3回ミーティングを行いました

2006年07月03日 | ミーティング
7月2日(日)第3回のミーティングを、14名の参加者と2名の記者さんの計16名で行いました。少しずつ参加者が増えてきて、次回がこれ以上の人数になりそうなら場所を変えなければ・・といううれしい悲鳴が上がりました。

これまでは同性愛の当事者および家族によるミーティングでしたが、今回は性同一性障害(GIDというのですね)の方の友人および家族の参加があり、あらためて性の多様性を考えさせられました。また年配のゲイの方が新聞記事を見て参加され、これまでの人生を振り返られて涙される場面もあり、さらに大学でセクシュアルマイノリティのサークルを作られている学生さんがお母様を連れて、そしてそのOBである社会人一年生の若い方たちの参加もあって、時代を超えてこの問題が社会に存在していること、けれども少しずつその様相が変わってきていることも実感しました。

また当事者の親の友人の方が関心を持って自ら参加、協力を申し出てくださったこと、社会とこの問題をつなぐ接点としてのメディアの立場から、二人の記者さんがこの会の進行を見守ってくださったことも、今後のこの会の活動を支える大きな励みでした。名実ともに「LGBTの家族と友人をつなぐ会」でした。

自らがセクシュアルマイノリティだと気づき、悩んだ時期を経て、やがてカミングアウトする時を迎える当事者の気持ち、そしてカミングアウトされた親の気持ち、性転換しても友人でいてほしいと言われた友人の気持ち、それを見つめる第三者の気持ち、そしてそれらが時と共に変化していく様子。お互いの気持ちを交換しながら、この会は社会の縮図だと思いました。社会からみればほんの十数人の集まりですが、でもひとりひとりその感じ方、考え方は違っている。それらをお互いが受け入れ、認め合う。支え合う。大きな社会になったって、できるはずでは・・、と感じます。みんな同じく痛みも感じ、喜びも感じられる人間なのだから。

次回、第4回ミーティングは下記のように決まりました。

  日時;9月3日(日)1時半~4時
  場所;堺市 尾辻かな子事務所(TEL.072-282-5588)
☆ どなたでも参加できます。できれば収容人数の関係上、事前にご連絡いただけるとありがたいです。

7月21日から25日は「関西Queer Film Festival 2006」が行われます。映画好きな人も、映画好きでない人も、行って、見て、見聞広めませんか。(なんか親世代の表現の仕方ですいません・・)自分も含めて多様な人間を理解する、そんなきっかけになるのでは?

そして8月12日(土)は東京レズビアン&ゲイパレードです。家族や友人として「LGBTの家族と友人をつなぐ会」も一緒に歩こうと計画しています。みんなで社会に呼びかけましょう。「私たちは彼らを誇りに思っている」と。「性の多様性を認め合おう」と。またパレードの前後どちらかに、全国の家族と友人の交流会も計画しています。さらに多くの家族と友人が出会い、そこから何かが広がっていけばと思います。(詳しくは、決まり次第このブログに掲載します。)

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