LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

フェミニストカウンセリング学会京都大会

2008年06月25日 | Weblog
★5月25日(日)に行われたNPO法人フェミニストカウンセリング学会京都大会でのワークショップは、12名の参加者でした。

はじめにAGPの平田さんから「カミングアウトされた親が受容に至るプロセス」のお話があり、引き続き二人の母親の体験を聞いていただきました。また東京と神戸から駆けつけてくださった二人のお父さまは、「LGBTの父親をつなぐ会」を作りたいという冗談(本気・・?)も交えながら父親の気持ちを語ってくださいました(大爆笑でした)。

参加者からは「数年間このテーマがなかったので待ちわびていた」「カウンセラーにとっては大事なセクションなので、もっと参加者があってもよかったと思う」「電話相談を受けている、もっと深く知りたい」「来年もぜひ続けてほしい」などの声をいただき、来年への期待を感じました。

このくらいの人数だとあまり緊張せずお話ができ、みなさんのご意見もゆっくりと聞くことができました。「つなぐ会」が始まったころは10人前後でしたので、ワークショップのリラックスした雰囲気に、ついその頃をなつかしく思い出しました。

このワークショップの発題者となってくださった会のお母さまからご報告が届きましたので、お読みください。

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ワークショップ:「性的マイノリティの子どもにカミングアウトされた時」

L(レズビアン)G(ゲイ)B(バイセクシュアル)T(トランスジェンダー)など性的マイノリティの人たちにとって、今の社会はホモフォビア(同性愛者に対する偏見・差別感)を始めとした間違った偏見や誤解があるために、人権が守られ安心して暮らせる社会とは言い難い。一昨年性的マイノリティの子どもからカミングアウトされた親たちが立ち上げた「LGBTの家族と友人をつなぐ会」(以下「つなぐ会」)では、ほぼ月1回の定例会を開催してきた。同じようにカミングアウトを受けて悩み苦しんだ親同士で支え合い、少しでも性的マイノリティにとって生きやすい社会になるようにと活動している。

性的マイノリティの子どもからカミングアウトされた時、多くの親は「喪失」体験に近い経験をし、「悲嘆」に似た心理状態になる。子どもがどこか別の知らないところへ行ってしまったような感覚におそわれたり、子どもがそのような仕打ちを自分に対して仕掛けてきたような気持ちに陥ることもあるという。そして、ショック→否認→罪悪感に悩み苦しむ。この時期に、親のせいではないと伝えることがきわめて重要で、性指向、性自認を決定づける要因については未だにはっきりとはわかってはいないことを伝えたり、親の体験が書かれた本や冊子を読むように勧めたり、心理教育的なアプローチが有用に働く。

その後、多くの親は他者との対話を欲するようになり、自分の感じている感情を認め始めるようになる。この時が、親がもっとも開かれていく時期で、渦巻いていた様々な感情が表現されるようになる。こういった感情を体験し表現するための十分な時間を保障することが大切である。しかし、こうした経緯を経ながらも、すべての親が受容の段階まで進むのではなく、サポーティブな態度を取る親もいれば、もうこれ以上はごめんだという親、慢性的な闘争状態を続ける親もいる。

「つなぐ会」に参加して来られる親は、否認、罪悪感、感情の表出の段階で、自分を責めたり、子どもを責めたりしていることが多い。同じ悩みや苦しみを経験した親と思いを共有することで、罪悪感を払拭し、十分に感情を表現し認めてもらうことで受容の段階に進むことが多いように思う。また並行して、カミングアウトに悩む子ども立場の人たちが、親が悩みつつも受け入れていく段階を垣間見ることによって、親との距離を縮めるべくカミングアウトに向けて動いていくのもこの会ならではの効用である。

FC大会では数年ぶりに復活した性的マイノリティのワークショップだったが、性的マイノリティと一括りにしたことで、多少の混乱があった。参加者からは、セクシュアリティを語る時のジェンダーの視点による葛藤や、セクシュアリティとジェンダーの関係について考えたいなど次回に向けての問題提議が出された。       


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愛ダホに参加して

2008年06月04日 | Weblog
忙しかった5月が終わりました・・(笑)
今日は愛ダホとパレードのご報告をします。

5月17日(土)、12時から三宮のデパート前で街頭署名とメッセージの読み上げ活動が始まりました。その横でわたしたち「つなぐ会」のメンバーは、ない知恵をしぼって作り上げた「一人ひとりの生き方を大切に」というチラシを道行く人々に配布しました。「読んでください!」「どうぞ読んでください!」「お読みいただけませんか!」と、声のトーンはだんだんと高くなり、心の中では「お願いだからみんな読んで―!!」と叫んでいました。自分と同世代の人が来ると「カミングアウトされても大丈夫ですから!」、親子連れが来ると「子どもの個性を否定しないで!私と同じ間違いをおかさないで!」、そして中・高生くらいの子には「友達いじめないで―!」という思いがこみあげてきました。懇願するような目で(笑)チラシを差し出すと、「おばさんが一生懸命何を配っているんだろう・・」と思わず受け取ってくれる方も結構いて、その度に「やった―!」と喜ぶ単純な自分がいました。

300枚刷ったチラシは1時間半ほどでなくなってしまい、「来年は600枚ですね~」とうれしい悲鳴。署名も同時に呼びかけましたが、「どういうこと?」という質問に「ゲイやレズビアンやトランスジェンダーなどの子どもたちが学校で辛い思いをしているんです。教育で取り組んで欲しいんです」と言うと、「あーそれは難しいなー」と去っていく人。「そうですね、そういう子どもはかわいそうですよね」と署名してくれた人もいました。話を聞いてくれる人がいると、説明しながらなぜか涙が出てきて困った場面もありました。署名がなかなか集まらなくて、もう一人のお母さまと「悔しいね・・」と話したりもしました。

状況がよく読めないまま受け取っていく人(そのまま捨てるかも・・?)、笑顔で頷きながらも受け取らない人、わかっていても「どこの誰の話・・?」という視線を向けて去っていく人。考えてみれば今までの私もティッシュは受け取っても(笑)チラシはゴミになるから受け取ることはあまりなかったですね。配る立場になってみて、みんなに訴える側になってみて、初めて社会という相手の大きさを知った、そんな感じでした。振り返る余裕もなく忙しそうに去っていく人々を見ながら、人生ゆっくりでいいから優しく生きていかなければなあ・・とそんな気持ちにもなりました。一人でも二人でもいいから、共感してくれた人がいたらそれだけでやった甲斐はあったと言えるのですが・・・きっといますね!!いい経験でした。来年も土曜日になるとのこと、頑張るぞ・・(笑)

またまたNHKの方が取材に来てくださっていました。『ハートをつなごう』のホームページにハートネットというサイトがあってそこで動画が見られますよ。全国各地で行なわれたのですね。みんな堂々と頑張っていましたね。読み上げられているみなさんからのメッセージがすてきでした。

【 http://www.nhk.or.jp/heart-blog/people/idaho/post_218.html で見られます。またトップページhttp://www.nhk.or.jp/heart-net/にあるIdaho-net.のロゴマークをクリックすると、このページに飛べるようになっています。】


そして翌日のパレード。3回目の神戸まつりへの参加。やっぱりいいパレードでした。
前日の疲れが飛んでしまうような晴れやかなパレードでした。多様な性を、生き方を掲げてみなさんと歩けて、誇らしかったです。でも2日続けての大イベントにはさすがにくたびれ果てました・・(笑)




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