不適切な表現に該当する恐れがある内容を一部非表示にしています

LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

講演会、終了しました。

2006年10月31日 | Weblog
10月28日(土)、90名余りのご参加をいただき、無事講演会を終えることができました。長時間になりましたが最後まで聞いて下さった参加者の皆様をはじめ、いろいろとお力を貸して下さった神戸男女共同参画センターあすてっぷの皆様、当日お手伝いいただいた方々、チラシを配って下さった方々、ネット上で宣伝して下さった方々、メッセージを送って下さった方々、そして講師のお二人と、遠く静岡から直接声を届けたいと作文を読みに来て下さった高校生の方、すべての方々に心から感謝しています。ほんとうにありがとうございました。

何ヶ月も前から心の準備はしていたものの、具体的な準備となると直前まで何か忘れていることはないだろうかとドタバタ騒ぎでした。不慣れな運営で反省点はいっぱいありますが、アンケートには「知らなかった」「知れてよかった」という声が多く、それだけで今は励まされています。アンケートなどの詳しいご報告はまとめ次第ということで。今日は直後に寄せられたメッセージ集「虹色の社会へ」への感動の声をご紹介いたします。

『あの手記、よかったってもんじゃないです。
 寄せてくださった皆さんの悲鳴もわかるし、それでも自分らしく生きたい
 っていう命のほとばしるさまを感じました。
 (ああ、でもわかるっていうのは、本当にわかってるとは思ってないです。
 やはりそれは当事者でないとわからないのだろうと思います。
 でも想像しやすくなりました。それは皆の言葉=ことだま の力だと思います)

 皆素敵だよ~~ってだきしめたいです。
 この経験はでも絶対に無駄なものではない、
 絶対に人生の中ですごい意味のあるものなんだってことをわかってほしいと思います。
 それから保護者の方にぜひぜひこういう人がいるんだということをわかってほしい。
 子供の言葉は親の言葉の反映ですから。』



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もうすぐ講演会・・②

2006年10月14日 | Weblog
 兵庫性教協(“人間と性”教育研究協議会)の総会にも参加してきました。もちろん講演会の宣伝もさせていただきました(貴重なお時間をありがとうございました)。雨の日で15名ほどの参加者でしたが、こちらもそれはもう目からうろこのお話ばかりで有意義な会でした。活動を始めてからというもの、どこに行っても「目からうろこ」の世界ばかりが私を待っています。知らなければいけないこと、たくさんありますね。

 まず8月に行われた思春期学会に参加した方からの報告(例年とは違った閉鎖的な雰囲気の中での開催で、山谷えり子議員がゲストスピーカーとして話されたそうです。その内容がまた???)。そしてOC(Oral Contraceptives 低用量経口避妊ピル)についての学習会に移りました。
  
 山谷さんが性教育大反対議員だということは知っていましたが、補佐官としてのご自身のテーマはサッチャーにならった教育改革だそうで、具体的には子供の育て方(外注育児という表現にまず驚きました)の見直し、歴史教育の重要性を強調、性行動を容認しない(性行動をとったら退学?)、安易で具体的な避妊を教えるべきではない、男女共同参画の改定については性差を重んじる、性教育の暴走を止めるために32,000校の性教育教材の実態調査をする、などなど、こんな人が男女共同参画を担当していいの?と思わずにはいられませんでした。またデータの分析についてこんなお話もありました。データを見ると更衣室が男女共同になっている学校が多いことがわかりこれは問題だということになった、でもそれはあくまでも場所がないから交代に使っているだけで一緒に使うはずもないのですが、データだけで判断すると「男女同一更衣室、とんでもない!」ということになります・・。またこんなお話も。親と性を語っている家庭の子供は初交年齢が低いというデータから、安易に家庭で性を語るなという結論が出てくるらしいのですが、問題は語られている内容であって語ること自体が原因なのでしょうか? という指摘に大いにうなずいた私でした。これからどうなる、男女共同参画、そして性教育・・。
 続いてOC、そして緊急避妊ピルについての学習。こちらも私の知らないことばかり。現代の若者の性事情にDVも絡んで、若い人たち(だけでなく女性のQOL=生活の質向上のためにもみんな)が是非知っておくべき大切な内容でした。いただいた資料の中にはこう書かれていました。「近年、性交年齢の低年齢化や10代の人工妊娠中絶の増加、または性感染症の羅漢率の増加など、若年層に対する性教育の必然性は高まっている状況にある。しかし現実には、望まない妊娠を防ぐ手段である避妊に対する意識、および避妊の知識のレベルは低く、性教育において避妊の必要性ならびにその方法・手段をしっかり教えることが必要であると考えられる」と。中学生の妊娠増加、性の垣根が低くなっていること、例えば「交際=性交」という認識、また恋人とは別人(セフレ=sex friend)との性交、などあきらかに私の時代とは感覚が違います。LGBTの問題を知って以来、私は人間を知るという面から正しい性教育が必要だと思ってきましたが、この会に参加してその思いはさらに強まりました。

 こちらにご出席の先生方はLGBTについても正しい認識をもっておられ、講演会も応援して下さるということでした。このような先生がいる学校の当事者の子供たちはどれほど救われるだろうと思います。でも現場では性教協の先生方の指摘を茶化す先生も多いそうで、今後どうやってメンバーを増やそうかと頭を悩ませておられました。

 男性中心の異性愛社会の中で差別を感じてきたのはLGBTだけではなく女性もそうです。今も尚存在する女性蔑視、それを甘んじて受けている女性もまだまだ多い。男性もまた「男らしさ」という束縛の中で生きにくい思いをしている人は多いはず。でもそこから外れることは男の下位に位置する女に近づくことになる。したがって無理をしてでも「男らしく」あろうと努力する。そこには明らかに女性蔑視という考えが存在しているという指摘もあります。男、女という枠を超えてみんなが自分らしく生きられる世の中を作る、そのためには子どもの時から正しく性を知ることが不可欠ですね。いい勉強ができた一日でした。


     ☆今日もまたメッセージ募集中です!!




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もうすぐ講演会・・

2006年10月12日 | Weblog
講演会が近づいてきました。あちらこちらに出かけて行っては宣伝しています。でも申し込みはまだまだ少ないです・・(涙)。「いい講演会です。きっとあなたの世界が広がります。是非来て下さ―い」どこか高いところから叫びたい気持ちです。

この間大阪で開かれたクォーク主催のシンポジウムに参加しました。ちゃっかり宣伝もさせていただきました。このシンポジウムは結構高度な内容で、中身の濃い、いいシンポジウムでした。
まず研究者の方からの報告、問題点の指摘。数字はやはり説得力があります。9割以上の当事者がLGBTに関するマイナスなイメージを教育の中で受けている、これを学術界やLGBTの中だけに留めておいてはいけない、是非とも教育行政に届けようと思いました。
そしてアディクションからの回復を支援している方の報告、自らもその経験を持っておられて、私のようにのんきに生きてきた人間から見ればそのライフヒストリーはすさまじいものですが、今ご自身の経験を生かして多くの方を支えておられるその生き方に、人間はどこまでもすばらしいと思わずにはいられませんでした。
そしてHIV支援者の立場から。MSM(men who sex with men の略だそうです)にHIV感染が多く、当事者が自ら学習会や啓発活動を行っていることは知っていましたが、ゲイコミュニティ以外の人たちへの啓発や支援を課題とされていること、そして意外と少なすぎる予算の割り当て額などをお聞きして、本来なら国がするべき活動なのだからもっと支援があってしかるべきと憤慨しました。この問題はこのコミュニティだけの問題ではなく、世界的な人類レベルの問題であり、教育からの見直しが急務だと思います。
最後に尾辻さんが政治家としての立場から。最初に引用された「政治を軽蔑するものは、軽蔑に値する政治しかもつことはできない」というトーマス・マンの言葉をずっしりと重く受け止めました。もっと政治に近づこう、もっと政治を活用しよう、そうでなければいつまでたってもその恩恵は受けられないと実感します。海外のように多くのLGBTの政治家が存在するようになるのはいつのことでしょう。日本は女性議員の数でさえまだまだ少ないのですから・・。今の若者がもっと政治に近づき、若者の声を政治の場へ送らなければなりませんね。LGBTに課せられた使命の一つではないでしょうか。

などなど、このシンポジウムはアドバンス編でした。それに比べて神戸の講演会は入門編です。この問題の存在すら知らない人、問題だと感じていない人、私はどうすればいいの、という人に来ていただきたいです。理解してほしいという人、カミングアウトしたけどイマイチよくわかっていないのでは・・という人、「でも孫の顔は見たいな」と今でも言ってくるお父さんやお母さんなど、どんどん連れてきて下さい。講演会を応援して下さるある大学の先生がおっしゃっていました。「自分らしく生きられないような社会は成熟した社会とは言えない」と。みなさん、お待ちしています!!


 ☆手記またはメッセージ、どんどんお送り下さい!
  短くても結構です。みなさんの声を社会に届けましょう。お待ちしています。


  

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手記またはメッセージ募集!!

2006年10月09日 | Weblog

今日はみなさんにお願いがあります。ホームページ上と前のブログでご報告しているように、10月28日の講演会は小・中・高校の先生方にご案内をお送りしています。尾辻さんのサイトに掲載されているある高校生の作文を当日ご紹介する予定ですが、他にもLGBTのみなさんの手記、またはメッセージをお送りいただきたいのです。短くても結構です。テーマは「学校」または「家族」です。学校で感じた偏見、体験した差別、またどんな教育をしてほしいか、先生に望むことなど。「家族」に関しては親にカミングアウトしたときのこと、親や家族の様子、親にわかってほしいこと等でも結構です。

私がLGBTに関することを学び始めた頃、尾辻さんの「カミングアウト」に寄せられた応援メッセージを読んで心底驚いたことが忘れられません。多くの人たちがこんな悩みを抱えながら生きているなんて、全く知らなかったからです。このような声を外に出さなければ、誰にもわからないままだと思いました。少なくとも私のようなのん気な母親にはまったく届いていませんでしたので・・(私の友人たちも同じでした)。LGBT関連のサイトには当事者の方たちの声が載せられていますが、興味を持たない人には読んでもらえませんし、ネット環境を持たない人も大勢いるわけですから、機会があったら何らかの形にして、少なくとも教育に関わる人には是非読んでもらいたいと思っていました。この講演会を、みなさんの声を外に出す一つの機会にしたいと思います。どうぞ、どんどんお寄せ下さい。特に現役の中学生や高校生、大学生の方たちの声は、教育の現場の姿そのものだと思います。先生ご自身からでも結構です。友人や後輩などにお知らせいただき、一人でも多くの方の声をお聞かせ下さい。       


          手記またはメッセージを募集!

   テーマ:「学校」または「家族」など
   締め切り:10月20日(金)
   お願い:①短くても結構です。
        ②できれば公表できるお名前(ペンネーム、イニシャル等でも結構で
         す)、年齢、現在お住まいの都道府県を添えてください。
        ③アドレスは family2006★mail.goo.ne.jp です。スパムメール防止のた 
         め@を★にしています。送信の時は、★を@に変えてください。






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ある対話から

2006年10月02日 | Weblog
 先日ある新聞記者さんとお話をする機会がありました。口論になりかけた瞬間もありましたが、記者さん曰く、権利を主張する人たちは、理解してもらえないことがあるとすぐに、どうせおまえなんかには解らない、と言って自分から線を引いてしまう、と。たとえば障害者には「自分たちは障害があるのだから手伝ってもらって当たり前」という考えを持つ人がいる。差別されている同性愛者やの人たちには「さぞ辛いだろうと理解してもらって当たり前」という考えがある。少しでもそこに疑問を投げかけると、当事者にしかその辛さはわからない、と言われると。

 そう言えば私の大好きな「にじ」の8号の中で、あるHIVの研究者の方が次のように締めくくっておられました。「ゲイのことはゲイでなければわからない、その言葉に遠慮して、ゲイにかかわろうとしない有能な人がいっぱいいます。・・・たしかにゲイのほんとのしんどさは、当事者でなければわからないと思います。だけど、それをいっしょに考えて、その課題を解決していく努力をする人は、ゲイ以外にもたくさんいるということを、知ってほしいのです」と。

 また先日ある方が送ってくださった「自分らしく生きる」という、あるゲイの方とフェミニストの方の対談本を読んでいましたら、ダブル・バインドという言葉が出てきました。(私も少しずつ難しい言葉を覚えて、賢くなっていってるような気が。錯覚でしょうが・・)ゲイの方曰く「マイノリティというのは、マジョリティに理解されていない存在なのだから、いつもにこにこして、怒ったりせずわかりやすくマジョリティに説明しなくてはいけない、と言われた。しかしニコニコしゃべっても通じないし、怒ると逆に怖いとか言われてしまう。そのダブル・バインド(二重の縛り)をどうやって切り抜けて発言していったらいいのか・・」フェミニストの方曰く「フェミニズムの思想を広げたかったら、穏やかに、誰にでもわかりやすく、受け入れられやすい言葉で話したほうがいい、という声があります。ある面では理解できます。でも・・っていつも思うんです。足を踏まれてきた側の人間がそれを語るときに、なぜいつも踏まれた側ばかりが言葉を選び、気を遣い、せつないほど共感を求め、デリカシーがすり減るほど気を遣ってやっていかなければならないのって」「セクシャル・ハラスメントについても、男性に理解を得るにためには、怒らないで、説得力のある言葉で語ったほうがいいんじゃありませんか、って。だけど被害を受けているのはこっちなんだよ。被害を受けた人間が、その被害を語るときに興奮してなぜ悪いの。・・・」なるほど。

 再び「にじ」に戻りますが、創刊号の中で、数年前の「新木場ゲイ殺人事件」についてのある人の言葉が記憶に残っています。今貸し出し中なので手元に本がないのですが、その人は確か次のようなことを書いていたと思います。「そういう(ゲイを脅したりするような)若者は腹立たしいけど、向こうはこっちのことは何も知らないでやっている。ではこっちはそんな若者(中学生や高校生)のところに出かけていって、例えばゲイがどんな存在で、どんな思いでいるのか、ということを伝えたことがあるかというと、たいていのゲイはそんなこともしていないわけで・・」と。これを読んだとき、この人はすばらしいなと思いました。犯罪なのですから、悪いのは誰か、それは明白です。それでも、もし彼らに対する自分たちからの働きかけがもっとあれば・・という視点に立って考えることができる人なんですね。

 理解しあうって、ほんとうに難しいことですね。でもこれはマイノリティとマジョリティに限ったことではありません。セクシュアリティに限ったことでもない。年寄りと若者、先生と生徒、親と子もそうです。「断絶」なんて言葉がいつか流行ったことがありました。違いを乗り越える、認め合う、共感する、共生する、弱者の視点に立つ、など、いろいろな表現がありますが、どちらの側も相手の立場に立って考える、想像力というんでしょうか、必要だと思います。口論になりかけたとき、私は理解できないという新聞記者さんの立場に立って考えることができないでいました。でも、いつかわかりあえると、今は思っています。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする