LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

『カミングアウト・レターズ』読んでください!

2007年12月29日 | Weblog
待望の「カミングアウト・レターズ」読みました。すばらしい本です。

あるお母様から次のような感想をいただきました。

「カミングアウトレターズ」の本、届きました・・・

装丁も美しく紙質も優しく、いい本に仕上がって何よりでしたね 
内容も、なんとも、心の温まる、おひとりおひとりのご家族の物語で・・
感じ入っております
素晴らしい本ができましたね

セクシャリティーの問題だからこそのデリケートさ・傷つきやすさが
理解のない横暴さや無責任な軽さを力強く押し返し・・
ここに、言葉を寄せて下さった方々のゆるぎない優しさを感じて
おおいに勇気をもらえました」

本当に心温まる本です。傷ついたことがかえって人への優しさになっていく、人生に無駄はないという気持ちになりました。お子さんの親を思う気持ち、そして何があろうとわが子なのだから・・という親の気持ち。カミングアウトされた側の先生からは、カミングアウトされたことを大切にしよう、理解しようと歩み寄ってくださる温かさが感じられました。

話は変わりますが、今年はいわゆる「おねえ系」のタレントさんが大活躍だったようで、こちら関西でもそのようなタレントさんが出ている朝の番組があり、先日もおもしろいトークが繰り広げられていました。カミングアウトしたとかしていないとか、そんな話題も出ていました。お互いに笑いあいながら、最後は司会者の「僕には理解できませんわ・・」などという言葉で閉めくくられていました。ああここまでオープンにテレビで話せるようになったんだなあと思いつつも、でも他方では今も傷ついた心が癒せなくて引きこもったままの若者がいることも事実。誰にも言えないで悩み続けている親がいることも事実。今テレビに出ている人達にも、かつて悩んだ時期はあったようでした。彼らも過去のことと笑い飛ばしているように見えても、じつはそんな簡単な問題ではない・・。彼らの笑いと司会進行側の笑いの間にある大きな隔たりが、なぜか私には感じられました。番組の制作者にはそれがわかっていて、あえてこの番組を作っているのだろうかという疑問も残りました。明るく笑いながら社会に対してオープンにしていくこともある意味では有効なのかもしれませんが、テレビというメディアの持つ横暴さが感じられてなりませんでした。

そんな時期にこの本が発刊されたことは、私にとっては大きな救いのような気がしました。ここに登場する当事者の子どもたちも親も、そして先生も、人間が持つデリケートさをカミングアウトを通じて知り、そこに心を通わせようと語りかけています。思いやりが感じられます。人間が生まれ持っている個性が乱暴に扱われてしまうその前に、このような本が社会に広く読まれるようになり、教育がその襟を正して、これからの子どもたちを心豊かに育ててほしいものです。

もっともっと感想文を書こうと思ったのですが、やはりこの本の全てを伝えることなどできません。それよりもひとりでも多くの人に読んでいただきたいです。ある方が感想をトラックバックしてくださっていますので、ぜひお読みください。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第15回ミーティングを行ないました。

2007年12月12日 | ミーティング
今日は第15回ミーティングのご報告です。

17名の参加者でした。まずNPO法人になったご報告とこれからの「決意!」を述べさせていただいたところで、自己紹介に入りました。初めての方がお二人来てくださいました。それぞれakaboshiさんのサイトで見て・・、東京のパレードでの発表を聞いて・・・ということで参加してくださいました。新しい方が来てくださると輪が少しずつでも広がっていることを実感できてとてもうれしいです。ありがとうございました。

10月の講演会に引き続き参加してくださったある大学生の方。彼女は大学で論文を書くために勉強しようと講演会に参加してくださったのですが、そこで当事者の方々とお友達になったとのことでした。それ以来、他のお友達と話している時にLGBTに対しての偏見が見えることがあり、それを指摘したいと思うのだけれどどう対処していいかわからないときがある、と話してくださいました。そこで悩んでくださることもうれしいことです。

また同じく講演会から2回目の参加となったあるお母様は、じつは当事者の子どもを持つお母様ではなく、ボランティアで日本語を教えているある台湾の留学生から「お母さん」と呼ばれているそうで、2年前その方からゲイであることをカミングアウトされたとのことでした。はじめは理解できなかったけれど、いろいろと勉強するうちに応援したいと思うようになったとのこと。彼が台湾に帰ったら一族の長男として結婚しなければならず、親にはとてもカミングアウトできないということを聞いて、自分らしく生きるためにも勇気を出して親にカミングアウトしてほしいと思い、親が開いている講演会ということで彼を連れてきてくださったとのことでした。そのお母様はあちこちでLGBTの問題をアピールしてくださっていて、勉強会をしてくださいとか、チラシを置いてくださいとか、とっても精力的に動いてくださっています。留学生の彼からのカミングアウトはそのお母様への深い信頼の証であり、それを感じられてのことなのでしょう。わたしたちも千の味方を得たような気がしています。ほんとうに心強いです。

そして『BASE KOBE』の繁内さんも来てくださり、11月に大阪府茨木市立北陵中学校でセクシュアルマイノリティについての公開授業をされたというご報告をしてくださいました。この中学校については詳しくは是非『BASE KOBE』のホームページでお読みいただきたいです。とにかくすばらしい内容です。すばらしい中学校です。この講演会のあと、ある保護者の方は「このような講演会をしてくださる学校で学べるわが子は幸せだと思う」とアンケートに書いておられたそうです。どうして他の学校ではしないのでしょうか? このような教育こそ今の子どもたちには絶対に必要だと思えてならないのに・・。すべての学校の先生方、そして文科省にこの学校の取り組みを知ってほしいと思います。

またある方からはカミングアウトした中学校の先生が関西のパレードに来てくださったというご報告や、AGPの平田さんからは東京で開院された「しらかば診療所」のご報告もありました。

もうひとつ心に残ったのはある大学生の方のお話です。社会に何を望むか・・ということについて。「もしセクシュアルマイノリティであることを気持ち悪いと言う人がいたとしても、マジョリティどうしの間でもそのようなことを言い合うことはあるので平気だけれど、法的に同性婚などが認められていないのは存在が認められていないことを意味するわけで、それは嫌なことだ」と。なるほどその通りです。法の整備、一日も早くなされなければなりませんね。

他にもいろいろと話が弾みました。来年はもっともっと親や家族や友人の輪を広げ、社会への啓発をしたい!!と思わずにはいられない、そんな会でした。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「つなぐ会 in 東京」のご報告

2007年12月05日 | ミーティング
11月25日(日)東京ウィメンズプラザで本年3回目の「LGBTの家族と友人をつなぐ会in東京」を、そして12月2日(日)には神戸市立総合福祉センターで第15回ミーティングを行ないました。今日は東京のご報告をいたします。

秋晴れの気持ちのいい日でした。母親、友人、そして当事者の方々を合わせて18名の参加でした。たまたま東京に来ていたということで、いつも神戸のミーティングに来てくださる方や札幌のパレードでお会いした方、そしてアメリカ在住という方も参加してくださって、やっぱり東京は日本の中心?なんだなあ・・と改めて実感しました。

ゲイの友人をお持ちの塾にお勤めの方、そしてあちこちのパレードにも参加してくださっている大学生の友人の方は、どうしていいのかわからないけれど応援していきたいという気持ちを語ってくださいました。彼らは当事者からのカミングアウトを受けて、そのバトンを持って走ろうとしてくださっています。この問題は当事者だけの問題ではなく社会全体の問題だと思いますが、それでもこのような友人の方々にご参加いただくたびに私はいつも涙が出るほどうれしくなります。ほんとうにありがとうございます。

当事者の方々からは、「これからカミングアウトしようかなと思っているけれど親はどんな気持ちになるのか知りたい」「カミングアウトしてはいるけれど、それ以来親はどんな気持ちでいるのだろうか・・」「親を悲しませるのであればしないほうがいいのではないかと思う」など、いろいろなご意見やご質問がありました。またあるレズビアンのカップルの方からのご相談です。「来年の就職を機に一緒に住もうと考えていて、この際両方の親にカミングアウトしたいと思うのだけれど、どう話せばいいだろうか?親はどう思うのだろうか?負担になるのではないか?カミングアウトされたらやっぱり誰かに相談したくなるのだろうか・・?」などなど。それに対して母親3人はそれぞれに違う考えを自分の経験から話しました。親の思いもいろいろなので・・。でも最後には「受けとめ方や理解するのに必要な時間はそれぞれに違うかもしれないけれど、最終的にはかわいいわが子のことなのだから話してくれてよかったと思うようになるもの。きっと大丈夫!」というところで3人の意見は一致したのでした(笑)。みなさんのお話を聞くたびに、カミングアウトした人も迷っている人もしないほうがいいと考えている人も、みんなそれぞれに親のことを思ってくれているのだなあと、親として子どもの気持ちがありがたく身に沁みてきます。ですから最終的にどのようなカミングアウトになったとしても、親を思う気持ちが伝わらないはずはないと思います。わからずやの石頭の親がいたら私が代わって伝えたいとまで思ってしまいます。(やりすぎですね・・笑)

それからうれしいご報告がありました。このたび太郎次郎社から出版される『カミングアウト・レターズ』の編集者のお一人であるRYOJIさんが来てくださり、いよいよ12月11日に発売になるということです。詳しくは http://www.tarojiro.co.jp/ を是非ご覧ください。この本はカミングアウトを通じて交わされた、親と子、教師と生徒の往復書簡を収録したもので、「つなぐ会」のお父様やお母様の座談会も載せてくださっています。さらにうれしいことにこちら地元の神戸新聞では、12月15日朝刊の第一面の広告部分でカラーページでの企画があり、「大切な人に送りたい一冊」という特集で『カミングアウト・レターズ』が宣伝されるとのことです。すごい!!です。このような本が世に出ることで、またひとつ社会への大きなカミングアウトができますね。多くの人に読んでいただきたい本です。私も楽しみにしています。みなさんもどんどん買って、どんどん大切な人に送ってくださいね!!




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする