LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

「SHIPかぞくの会」(11/9)のご報告

2014年11月29日 | Weblog
NPO法人SHIP主催の「SHIPかぞくの会」に出席されたつなぐ会の会員から、ご感想をいただきましたので、ご紹介いたします。
※NPO法人SHIPは、『セクシュアルマイノリティの人々が、自分らしく心身共に健康に暮らせる社会』と『多様性が尊重される社会の実現』を目指してさまざまな活動を行っていらっしゃる団体です。拠点は横浜です。
※『SHIPかぞくの会』は、セクシュアルマイノリティの家族同士で自由に話ができるSHIP主催のイベントです。

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11/9、セクシャルマイノリティの子どもをもつ親の会が、東京だけでなく神奈川(SHIP)でも開かれ参加しました。また、丁度この日は名古屋で『LGBT家族と友人をつなぐ会』が初めて開かれました。こうして親や家族が集まり、各自の思いを語り合える場が次々に設けられるのは嬉しい限りです。

かつて我が子から性同一性障害であるとカミングアウトされた時は青天の霹靂で、夫婦ともに茫然自失の状態でした。その後何ヶ月間か、この事実を噛み砕きながら飲み込んでいく作業を続けたものです。その後、自分のような親は他にもいるはずだ、とWeb検索し、つなぐ会を見つけ出し、ミーティングに出席しました。あれから数年、ずっとつなぐ会に通い続けています。子どもは社会人として自立し、彼との軋轢もいつの間にかなくなって、それでもつなぐ会とつながっているのは何故か。それは、苦悩の最中の当事者と親御さんが次々に現れるから。しかも親たちは、子どもを受け入れなければと思いつつも感情的についていけないジレンマに陥り涙混じりに切々と訴える。私たちはただ話を聞き、寄り添うことしかできません。ところが、それが2回、3回と訪れる内に表情が変わり、前向きな姿を見せてくれるようになるのです。

LGBTIを巡る世界の状況は、近年劇的に変化しています。けれども日本の状況はどうでしょうか。確かに性別違和(性同一性障害)を巡る環境は好転していく兆しを見せています。けれども、一般的には性別違和と同性愛の区別もつかない方々が多いのが正直なところ。カミングアウトされた親がうろたえてしまうのは当然だと思います。そんな親や家族の当惑、心配、子どもとどう付き合っていけばいいのか等、様々な思いを分かち合い、支え合う場がもっと身近にあれば…と願います。親や周りの人々がわだかまりなく、おおらかに受け止めることができれば、当事者は思春期に思い詰めることなく、成人してからも引きこもることなく、ありのままの自分なりの人生を紡いでいくことができるのではないか、と思うのです。

つなぐ会の地道な活動が当事者を守ることになる、そう信じて、これからも来続けようと思いました。



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東京ミーティング(10月26日)のご報告

2014年11月21日 | Weblog
2014年10月26日に東京ミーティングを開催しました。
東京都世田谷区区議会議員の上川あやさんと東京都豊島区区議会議員の石川大我さんを久し振りにお招きしました。
お二人には小中高大学時代の楽しかったこと、苦しかったことなど、様々なエピソードをお話していただきました。
その後、東京都の政治の状況、世田谷区、豊島区の状況についてお話していただきました。
議会の中を一緒に歩むような、または議会を傍聴しているような感じになるくらい臨場感のあるお話は迫力があり、魅力ある内容でした。
憲法16条に述べられている「請願権」を行使して、「当事者として声を上げていくことが大切である。」ということを力説されていました。
それも、明日じゃなく今日から誰でも出来るんだよ!という説得力ある且つその気にさせてくれるものでした。
誰かがやってくれるのを待つのではなく、半歩でも前に進むために出来ることは身近にあるのだと感じました。
このお話を期に、つなぐ会in東京も行動を起こすことを考えなければと強く思いました。

ちなみに、「性同一性障害」に対する対応については、偏った?形ではあるが、少しずつ前進しているとのことです。
例えば、文科省は性同一性障害について小中高対象に初めての実態調査を実施し、今年度中に公立学校の教員向け資料を作成し、全公立学校に配布する予定があるとのことです。
しかし、残念ながら、文科省の『LGB』に対する対応と、『T』に対する対応に違いがあるというのが残念でした。
やはり、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」の存在が大きいのだと思われます。
そんなところを、つなぐ会として訴えていくところではないかと、参加者一同で確認した10月ミーティングでした。

次回は12月13日(土)です。
久々の土曜日開催、たくさんの方にお越しいただきたいと思います。

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ペレグ公使をお招きして講演会を行いました!

2014年11月09日 | Weblog
10月19日(日)、イスラエル大使館からペレグ・レヴィ公使を講師にお招きして講演会を行いました。これは毎年「神戸市男女共同参画センター登録団体企画発信DAY」の企画として行っているもので、昨年は米国のリネハン総領事にアメリカのLGBT事情も含めてお話しいただきましたが、今年は「イスラエルのLGBT事情を知ろう!聞こう!そして話し合おう!」ということでペレグ公使をお招きしました。

当日、奇しくもイスラエルからちょうど来日しておられたお母さまがご一緒で、まずつなぐ会のスタッフ一同感激でした。

ペレグさんはウルグアイで生まれ、5歳からイスラエルで暮らすようになったそうです。ウルグアイではユダヤ人の国にいないユダヤ人として、そしてイスラエルに移ってからはイスラエルで生まれていないユダヤ人として、常にマイノリティという感覚を持っていたけれど、20歳を過ぎてから今度はゲイとしてまたマイノリティという感覚をも持つことになったということでした。でも二つ幸せなことは、家族が受け入れてくれたことと、イスラエルが少数者に寛容な国だったことだと。

改めて感じたことですが、200カ国に別れて暮らしていたユダヤ人がイスラエルという国に戻りイスラエル人となったということは、文化も言語も食事さえも、それぞれに違うものを持って帰ってきたということであり、建国当初75万人だったイスラエルがこの60年で800万人となったことは、まさに多様性のるつぼとなったということを意味するのですね。

何がイスラエルをLGBTについて特別な国にしているのか、それは600万人のユダヤ人がホロコーストの犠牲者となったこと、そのユダヤ人の国がイスラエルであることと同時に、ナチスが殺そうとしたのはユダヤ人と同性愛者だったという事実だとお聞きし、なるほど・・・と納得。

お話の中では、1970年代からすでにゲイの課題をマニフェストにあげている政党があったことや、課題解決への牽引力となったのが軍であったこと、1990年代には初めて政治家のカミングアウトがあったことなど、驚くことがたくさんありましたが、これまでのイメージが払拭されてイスラエルという国がよくわかり、とても身近な国になりました。

後半の参加者からの質問にはやはりお母さまへの内容がいくつもあり、急なことにも関わらず、快く答えてくださいました。「愛していたのでカミングアウトを受け止めることは難しくはなかった」「子どもに何かあると親はすぐに自分を責めるけれど、子どもは本来みんなユニークなのです!」「このような会は初めて参加した。カミングアウトされた頃には何の情報も団体もなかった。時代が進んでいると感じた」等々。話される一言一言に、世界共通の親の思いを感じました。

帰り際にお母さまは「ファンタスティック!」と会をほめてくださり、みんなをハグして下さいました!!(笑)

国が違い、言語が違い、慣習や宗教が違っても、それらを越えてこの問題について一緒に考え、解決に取り組み、応援しあって歩みを進めていける。ほんとうに素晴らしいことだと実感した1日でした。


参加した皆さんの感想を一部ご紹介します。

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・メディアで知るイスラエルは戦争というイメージしかありませんでしたが、今日のお話を聞いてすごく素敵な国だなあと思いました。多様性をすごく重んじ、人としても権利をすごく尊重されている。また、権利を主張できる国だと思います。LGBTだけではなく、どんなマイノリティに対しても同じなのだと思いました。素敵な話をありがとうございました。

・イスラエルという国について大変誤解をしていた。本日のレヴィさんの話を聞いてイスラエルという国、LGBTの現状がよく理解できた。と同時に、日本の保守的、閉鎖性がよくわかった。レヴィさんの話を聞いてもっと我々は意識を変えていくこと、学んでいくことの重要性を再認識できとても有意義でした。

・イスラエルのLGBTやマイノリティに対する寛容な社会を知り、驚くとともにとても関心しました。その寛容性はユダヤ人の文化、歴史に根差していたことがわかった。そうした背景の異なる日本がどのように寛容な社会を目指していくべきかという課題は非常に難しいと感じた。

・ペレグさんのフレンドリーな講演に非常に楽しく聞かせていただきました。少数派のグループにおいて少数派の人々は差別されにくいのだということを納得しました。日本も同性婚が早く認められたらいいなと思いました。

・日本とまた別の国のことをいろいろ聞けてとても勉強になりました。イスラエルでもさまざまなことに苦労している中、マイノリティのことで少しずつ前に進んでいるだと思いました。

・イスラム圏のLGBTの現状はあまり良くないと思っていたけど、イスラエルはかなり例外であると知りとても驚きました。特に軍が早い段階からサポートしていたとはアメリカとはかなりの文化的な差があると感じました。重要な話を生で聞けて良かったです。

・イスラエルという国をより身近に感じることのできる良い機会であったと思います。レヴィ先生のお母様にもご発言いただきましたが、家族感情は万国共通だと改めて感じた次第です。今後、このような講演会に同じような悩みをもつ家族の方がより多く参加されることをお祈り申し上げます。

・イスラエルの現状を知ることができてとても勉強になりました。そもそもイスラエルという国のこと自体あまりよく知らなかったこともあり、意外な面の連続で興味深かったです。また公使というお立場から日本の外務省の事情を聞くことができたのもありがたかったです。

・自分の日常に止まらず、各国のマイノリティ事情や当事者の方のお話を聞けて、そのような機会を設けてくださってとても勉強になり感謝しています。マイノリティの存在が当たり前の中の当たり前の社会保障、日本もいつの日か同じ位置に立っている時を迎えたいです。

・国内のLGBTについて情報を得る機会が増えてきた。その中でこういった海外の事情について学ぶことが少なかったので、この機会に話を聞けてとても良かったです。日本との違いを知り、良い所を日本の社会でどのように取り入れたら受容されやすいのか考えてみたいと思いました。

・イスラエルの国に対していいイメージはなかったけど、今日ペレグ・レヴィさんの話を聞けて印象が変わりました。イスラエルがそんな自由な感じの国だとは思いませんでした。話を聞いていて「うらやましなー」と思うこともたくさんありました。

・イスラエルというニュースでよくみるが、実はよく知らない国のことが良く知れた。LGBTについて寛容であると言う事がなぜできるのかわかった。一方で日本において「多様性」という言葉はまだまだ実現できていない事もまたわかった。でもあきらめず努力を続けたい。





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10月19日福岡ミーティングの報告

2014年11月08日 | ミーティング
10月19日福岡ミーティングの報告

 10月19日、今年度3回目のミーティングを開催しました。今回は初参加者や県外からの参加者も多く会場一杯になりました。

 午前中は、『社会の中のLGBT~個人史と団体代表の視点から~』というテーマでRainbow Soup共同代表の小嵒ローマさんの講演を聞きました。国内外におけるLGBTを取り巻く現状について話していただきました。国内でも社会の中では確実にTV・新聞等のマスメディアで取り組みが広がってきています。しかし、諸外国に比べると、日本はまだまだです。今からもLGBTの取り組みを確かなものにしていくことが必要であると語られました。また、ローマさんのライフヒストリーでは、自分がレズビアンと気づくまでの葛藤、悩みを話していただきました。そんな自分の体験を通して、LGBTの子どもたちにどんなサポートが必要か、具体的な提起と職場での課題についても提起がありました。今、家族の理解と支えにより、精力的に活動しているローマさんです。

 午後のミーティングでは、いろいろな親の悩み、思いが語られました。
「仕事のこと、体のこと、毎日心配でたまらない。」「ありのままの自分で生きることは、隠して生きる事より大変ではないか。」「頭では理解しているが、どうしても乗り越えられない部分がある。」等々。親として“心配がなくなる”ということはないが、悩みを受けとめ話せる親に、子どもの支えになる親になりたい。そんな強い思いが伝わってきました。そのために、つなぐ会に来て、先輩の親の話を聞くことで、自分と子どもと向き合いながら学んでいるということが出されました。悩みながらも前を向いて進んでいこうとする親の思いに触れ、社会も同じように変わっていかなければと考えさせられました。

 一方、当事者の方からは、ありのままで生きることが一番生きやすい生き方だということに気づき、自分を受け入れて、楽になったという声が聞かれました。友人の結婚式にスーツで参加できた喜びや、カミングアウトしてからは、社会の変化につながると信じ、友人や講演会などで話すようにしていることが出されました。また、もっと子どもを信じて見守ってほしいという当事者からの声も聞かれました。

 今回は、県外からの参加も多く、色々情報交換をすることができました。
 地方では相談する窓口すらなく、悩んでいる人が多くいること。手の届くところ、目に付くところに情報があるとうれしいし安心すること。
 初参加してくださった助産師さんからは「自分たちは、『女(男)のお子さんですよ。』と生まれた時に立ち会っているけれど、その後の生き様にも寄り添う責任があると思っています。」と思いを話していただきました。

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