LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

第5回ミーティングを行いました。

2006年11月21日 | ミーティング
11月18日(土)1時半より、第5回ミーティングを行いました。
新聞に掲載されたことがきっかけでこの会のことを知ってくださったお母様、そして友人の方々、そして岡山から参加してくださった当事者の方など、計16名の参加者でした。

ある当事者の方がパートナーと一緒に参加され、地方に住んでいる親に去年カミングアウトしたのだけれどそれからの関係が今ひとつうまく進まないという悩みを語ってくださいました。隣の県に行くこともあまりないという地方の生活の中で、情報もなく、相談する相手もいないとのこと。ご両親がどれほど悩んでおられるか、聞くほどに心が痛みました。すぐにでも行って、子供さんがどれほどすばらしい方で、すばらしいパートナーに恵まれ、なんの心配もないのですよということを話して安心させてあげたい、そう思ったのは私だけではないはずです。「最後は親は必ず受け入れるよ」「生きている、それだけで親は幸せなはずだから・・」「パートナーを連れていって紹介したらどうでしょう。安心されるかも・・」「私の息子にも今は素敵なパートナーがいて、あちらのお母様にとてもかわいがっていただいています。親同士もとてもいい関係を築けていますよ。」「まず仲のいい弟さんに話して応援してもらったら・・」などなど、いろいろなアドバイスがありました。「他にも同じような親がいて、こんな会があるのですよ。みんな子供を応援しています。応援してくださる友人もたくさんいるのですよ」ということをどうにかしてお伝えして、安心していただきたいです。私などお二人を見ていて、息子もいつかこんな素敵なパートナーができればいいなぁ、とうらやましく思った次第ですから・・。

もっともっと元気な親が全国に増えていけば、駆けつけて励ましあうこともできるようになります。実際のところ、講演会を目指しての動きの中で、今回の参加者以外にも数名の新しいお母様やお父様とつながることができています。少しずつですが、つながりが広がっていることを実感しています。親ばかりではありません。友人の方も増えています。みんなで、「性の多様性を認め合う社会」を作っていきたいものです。

ということで来年からは会員を募って活動していこうということになりました。リーフレットや会報なども発行しようと考えています。詳しくは決まり次第お知らせいたします。乞う、ご期待!!


第6回ミーティングは次のように決まりました。
日時;12月17日(日)1時半~4時半
場所;大阪府堺市 尾辻かな子事務所(072-282-5588)

☆収容人数の都合上、参加後希望の方は前もってご連絡いただけるとありがたいです。





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先生方の「声」から

2006年11月18日 | Weblog
今日は講演会の参加者のアンケートから、教師の方々の「声」をご紹介します。

Aさん;「LGBTについての知識はなく、カミングアウトされた経験もなかっ た。今後受け入れられるかどうかはわからないが、以前より理解はできるようになった。少しでもわかるようになってよかった。」という先生です。
・何が必要か 『多様な価値観を受け入れる教育。行政・・同和問題や他の問題もそうであったように広めていくこと。一時のブームのようではなく切実な思いを訴えてゆくことしかないように思います。』
・感じたこと 『結局、人間の中にある偏見や差別を払拭するために、知的理解と人権感覚を磨いてくしかないのでは、と思いました。まだまだ自分の中に知らないことからくる偏見に気付く日々です。』


Bさん;「LGBTについての知識はなく、カミングアウトされた経験もない。今後受けいれられるかどうかはわからない」という高校の先生です。
・何が必要か 『総合的に取り組む。できることから一つずつ』
・感じたこと 『個性として認め合う社会を早急に形成する必要がある。マスコミの扱いが社会的に影響を与える大きさを考えると現状は課題が多い。身近な所から取り組まなければならない。』


Cさん;「LGBTの正しい知識を持っている。カミングアウトされた経験はないが、受入れられる。非常にしっかりした講演会で、参加してよかった。いろいろと考えさせられたし、反省もさせられました。」という高校の先生です。
・何が必要か 『教育・・私の知っているだけでも複数の県立高校に性同一性障害の生徒が在籍しています。まず正しい知識を教師がもつことが大事でしょう。』
・感じたこと 『「会う人がもしかしたら性的マイノリティかもしれないと思って対応してください」の言葉は心に響きました。本当にそうだと思いました。常にそういう意識を持って生活していきたいし、仕事もしていきたい。生徒にも接したい』


Dさん;「LGBTの知識は持っている。カミングアウトされたことはないが、受け入れられる。話がわかりやすくてよかった。」という小学校の先生です。
・何が必要か 『性教育をしっかりする。今日のような勉強会を教師に向けて行う。行政が今日のような講演会をあちこちでもっと行う。』
・感じたこと 『尾辻さんがお母さんのことについて触れていたところや、後に続く子供たちに向けて自分の感じた辛い思いはさせたくないので、とおっしゃったところは心が温かくなりました。学校の養護教諭にも案内を持っていきましたが音楽会のため来られませんでした。』


Eさん;「LGBTの知識は持っていなかったし、カミングアウトされたこともないが、受け入れられる。現状や正しい知識を得ることができてとても良かった。」という小学校の先生です。
・何が必要か 『教育で正しい知識を。法律面では同性愛者だからという考えは性差別であるということを中心においた整備を。』
・感じたこと 『カミングアウトを無駄にしない社会作りが必要。つまり正しい知識を持つ。理解する知識を持つこと。』


Fさん;「正しい知識を持っている。カミングアウトされたことはないが、受け入れられる。」という養護の先生です。
・何が必要か 『教育・・「性の学習」「人権学習」「道徳教育」の中で行う必要あり』
・感じたこと 『同性愛者との付き合い方は大変参考になりました。子供たちの抱える問題は教育現場にいるものは早急に知らなければならないことを痛感。是非、より多くの仲間とこの話を再度学ぶ機会を持ちたいと思います。一人一人が声をあげることの大切さ、実感こもっていました。学ばせていただきました。』 


Gさん;「正しい知識を持っていて、友人からカミングアウトされた経験があり、受け入れられる。よくわかったし、高校生の生の声を聞くことができてよかった。」という小学校の先生です。
・何が必要か 『教育・・様々な人がいるということを知らせる。メディアの情報がすべて正しいものではない。メディアの見方を考えさせる、等。』
・感じたこと 『みんなが楽に生きていくためには・・・自分が自分らしく素直に生きていける社会だと思います。教員として少しでも伝えていきたいと思っています』


Hさん;「正しい知識を持っていて、カミングアウトされた経験はないが、受け入れられる。性的マイノリティの複雑なカテゴリーがまた少しわかってよかった。」という中学校の養護教諭の方です。
・何が必要か 『行政が人権問題として取り組む』
・感じたこと 『LGBTの分類や少数派というくくりではなく、100人いたら100通りの性がある。どの性が好きか、どう生きるかは人それぞれ自由だよ、という導入で性教育をしています』


Iさん;「LGBTについては間違った知識を持っていた。友人にカミングアウトされた経験があり、今後受け入れられる。知識がわかりやすくとても良かった。」という塾の講師の方です。
・何が必要か 『法律・・労働法制の中でも。』
・感じたこと 『実際には目に見えない状態の中で、考える機会が少ない問題です。いろいろな形で目に見える問題としていくことが大切と思いました』


以上9名の方の「声」をご紹介しました。正しい知識を持っていなかった先生にとっては、たった一度の受講で受け入れられるようになることは難しいかもしれません。でもまず「知る」ことができてよかったと感じてくださったようです。正しい知識を持っていた先生方は教育が取り組む必要性を実感してくださっていて、実践している先生もいらっしゃることに希望が持てました。また「目に見える問題にしていくことが大切」という最後の方の「声」は今後の活動への大きな励みになります。

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講演会のご報告

2006年11月15日 | Weblog
今日は10月28日の講演会のアンケート結果の中から、まず数字を中心にいくつかご報告いたします。

★まず当日のプログラムは以下の内容でした。
①「つなぐ会」代表あいさつ  尾辻さんのお母様が当事者の親としての心情の変化等を織り交ぜながら、会の発足の経緯とその必要性を訴えてくださいました。
②作文朗読  メッセージを寄せてくださった静岡県の高校生が自ら朗読し、当事者の気持ちを話してくださいました。(遠くから本当にありがとう!!)
③講演Ⅰ  カミングアウトコンサルタントのかじよしみさんから「性の多様性を認め合う社会の新しい常識」という題で、LGBTの基礎知識を主に紹介していただきました。
休憩
④講演Ⅱ  大阪府議の尾辻かな子さんから「虹色の社会へ」という題で、基礎知識をおさらいしつつ、ライフヒストリーとこれからの社会にできることをお話いただきました。
⑤質疑応答  3人の方の質問にお二人からお答えいただきました。

★90名の参加者の中からアンケートにお答えいただいたのは78名です。
1、内容について  
 ・とてもよかった 40  
 ・よかった 31  
 ・普通 2
 ・あまりよくなかった、よくなかった  ともに0

2、これまでLGBTに関する知識はありましたか?
 ・正しい知識を持っていた  31
 ・間違った知識を持っていいた  13
 ・持っていなかった  21

3、カミングアウトされたことはありますか?
 ・はい  28
 ・いいえ  42

4、今後誰かからカミングアウトされたら受け入れられますか?
 ・はい  62
 ・抵抗がある  7
 ・わからない  4
 ・受け入れられない  0

5、LGBTの人権問題の解決に向けて何が必要だと思われますか?
 ・教育  55
 ・法律  42
 ・行政  32
 ・その他  14

6、職業
 ・主婦 11 
 ・教師 13 
 ・学生 8 
 ・会社員 8
 ・その他 29 ( 助産婦、カウンセラー、福祉関係、税理士、フリーター、飲食業、行政関係、市会議員、国会議員秘書、マスコミ関係、無職 )

7、学校名を書いてくださった先生  5
 兵庫県立鈴蘭台西高校
 兵庫県立夢野台高校
 加古川市立両荘中学校
 加古川市立氷丘小学校
 宝塚市立長尾南小学校


★知識を持っていなかった、また間違った知識を持っていた人が計34名。34名の人たちにまずは正しい知識を持っていただけたこと、何よりもよかったと思います。また受け入れられると答えた人が62名。正しく理解できたこと、当事者の気持ちを直接聞けたことによって受け入れられると答えた人は多いと思います。何らかの感想を書いてくださった方が69名でしたが、多くの方が感じたこと、これからしなければならないことなど、具体的にいろいろと書いてくださっています。これらを読むとその度に励まされます。

★感想の内容についてはまたご紹介したいと思いますが、中でも目立ったのは、わかりやすく正しい知識が得られてよかった、当事者から話が聞けてよかった、そして高校生の作文に感動した、というものです。

★この問題の解決のために教育が必要と答えた人が55名。けれど420校余りに案内状を出して来てくださった先生は13名です。どこよりも一番に伝えたい教育現場は、一番遠いところにあるのでしょうか・・。これからの課題です。


LGBTの問題、今毎日のように話題になっている「いじめ」とも共通していますよね。みんなどこかの誰かの話だと思っている。うちの家族にはいない。うちの学校にはいない。自分には関係ない。当事者やその家族に対しては「大変だろうけど頑張って・・」。キング牧師の言った不気味な沈黙と無関心が子供の中にも大人の中にも見られます。そしていざ自分の問題となると、うそでごまかすか、自殺・・。大人も子供も同じことをしていますね。
知識を提供するだけで精一杯の教育現場。心を育むことなど、カリキュラムにはないも同然。親も当然そんな教育など学校に期待してはいない。自分の子供の成績がよくて、いじめを受けず無事卒業しさえすれば、なんとか子育てはほぼ終わったと胸をなでおろす。自分の子供が誰かをいじめていることには気がつかない。子供自身もいじめていることに気がつかない。他人の苦しみを自分の苦しみとして受け止めようという教育を受けていないから、その姿勢がない。その努力もしない・・。今必要なことは教育基本法の改正や教育委員会をどうするかなどということなのでしょうか?
わたしはLGBTの問題を知って以来、どんな問題も他人事ではないと思えるようになりました。恥ずかしながらそれまでは、やはりどんなことも他人事だったように思います。人は何かに遭遇して学んでいくのだと思います。この講演会が参加者に対して何かに遭遇するチャンスを与えられたとしたら、まずは成功だったと思います。手前味噌かな・・?



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ナショナル・カミングアウト・デー

2006年11月08日 | Weblog
講演会のアンケートのご報告はもう少し待っていただくとして、今日はアメリカ・ベイツ大学教員の大藤恵子さんから新たな投稿がありましたのでご紹介いたします。大藤さんは6月に「希望の光」でご紹介した方です。7月には「一人の人間としてどう生きるか」「A君のカミングアウト」という記事を書いて下さっています。今日の記事も途中から彼女のホームページに移動していますが、是非お読み下さい。その後に続く「アメリカ・レポート、ベイツ大学」も読ませていただくと、アメリカという国がいかに日本と違うかがよくわかります。多国籍の人々が集まり共生していく中で、人間は学んでいくのだなと考えさせられます。人間があらゆる違いを乗り越えて多様性を認め合うには何が必要か、様々な角度から考えられ実行に移されている国ですね。もちろん未だに問題が山積している国であることも間違いありません。でもそれは日本も同じこと。学ぶべき点は学ばなければならないでしょう。「ナショナル・カミングアウト・デー」なるものが存在することにまずびっくり。また中で紹介されているGSAのようなクラブ(性的マイノリティとマジョリティが一緒に活動するクラブ)が存在すること自体、すばらしいことですね。日本でもこのような取り組みがどこかの学校で始まらないでしょうか。若い人たちのパワーに期待したいところです。頑張れ、学生諸君!!

「ナショナル・カミングアウト・デー」
アメリカでは10月11日はナショナル・カミングアウト・デー、その週はナショナル・カミングアウト・ウィークなので、今年もベイツ大学でいくつかのイベントがありました。まず「アウトフロント」というGSA(性的マイノリティとマジョリティが一緒に活動するクラブ)のメンバーによって、例年のごとくキャンパスの広場の通り道にチョークでメッセージが書いてありました。そこには「クローセットは衣類用だ」とか「自分はストレート(異性愛者)だが、狭い心は持ってない」、「ゲイやレズビアンは10%もいることを知ってる?」、「自分の周りにはゲイやレズビアンがいないなんて思わないで」、「セクシュアリティがどうあろうとも愛は愛である」、「男性がゲイ男性を憎む本当の理由は、自分たちがジェンダーにおいて支配者の立場であることが間違いであることを分かっている恐れからである」などイラストとともに色々書かれていました。 (*表現は大体毎年同じなので、これは前のを転用。)

今年はアメリカ・インディアン(Yupik 族)のゲイ男性、リチャード・ラフォーチュン氏が招かれ、講演があったので聞きに行きました。アメリカ・インディアンの言葉には「同性愛」という言葉はなく、同性愛者は「二つのスピリット」を持っているとして人々の間で尊敬されていたそうです。勇ましい女性が狩りに出、やさしい男性が家にいても、それを「女なのに・・・」「男なのに・・・」「男みたいだ」「女みたいだ」と言われて揶揄されることもなかったそうです。それが変ってきたのは、やはり白人の文化習慣が、彼らのコミュニティに入ってきたからです。これを聞いた時、江戸時代にある程度容認されていた衆道が明治時代に入って、キリスト教を含む欧米文化が紹介されたことによって消えていった経緯を思い出させられました。ラフォーチュン氏は、こうしたいいインディアンの伝統を取り戻そうと、ミネソタ州のインディアン・ゲイ・コミュニティで「二つのスピリット」という運動を20年続けているそうです。
        --長くなるので、続きはこちらをどうぞ。--
   <http://www.bates.edu/~kofuji/humanrights/Keikoessays.html>



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