LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

3月つなぐ会東京+あなたのSOGIE共催【墨田区後援】  LGBTQ+とともに~親として大人としてできること~ 

2023年03月26日 | Weblog

前半はトークセッション、後半は交流会の形式。参加者19名。

FTMの子どもの親とQの子どもの親、司会進行はセクシュアルマイノリティという布陣で始まったトークセッション。

幼少期、思春期を経て、カミングアウトから現在までの子どもの状況と親の心境の変化を語る中で、親の性別規範にどっぷり浸かった思い込み「…らしく」育児エピソード、子のカミングアウト時の動揺、困惑を経てその後の行動、親自身の被差別感の葛藤、親戚・友人への発信、現在の思いまで、途中にセクマイ当事者ならではの冷静な分析を交えながらの親談義。

親は共に中高年、家父長制度の名残が残る時代に男女二元論を疑わずに育った世代、子のカミングアウト時もLGBTの言葉すら知らず、当時どれだけ狼狽えたことか。

一人の親は幾度となく涙し、天を仰ぎ、自分を責めた。恩師に励まされ、誰か助けてくれる人はいないか探し廻る中で医者を見つけだし、𠮟咤され、奮起した。更に家族の会という仲間を見つけ出して、「そうか、子どもが出来損ないなんじゃない、親が悪いんじゃない、社会の無理解が子どもを追い詰めているんだ」と気づいていく。

もう一人の親も、当初勘違いだと思ったそうだ。幼少期の女の子特有の思い出・・・三段切替フリルのスカートを好んで着、草花の花冠で遊ぶ、リリアンや編み物が好きな・・・が邪魔をして。けれども、子の手術意向に反対する親に対して「こんな不本意な身体で生きていたって意味はない」という言葉に我に返り、子どものセクシュアリティを受け入れたという。何もわからないまま。拒否すれば、親の手元から離れていってしまう、もし自殺でもしたらという恐れが、子どもに対する「わかった」という言葉に至った。が、真に受け止められるに2年は要した。

今回に限らず、セミナーで語られる親の話は、子どものセクシュアリティを理解し認める「ご立派な」親の姿だ。子のセクシャリティを認められない殆どの親にとっては親としての自尊感情を貶めることになり、あまり聞きたくないのが本音だろう。地域によっては未だ旧態依然とした価値観が幅を利かせる社会に生きる親達も多い。親の無理解、親にはカミングアウトしづらいという声も多いが、親自身の背景を考えると、一概に親を責めるわけにはいくまい。子の言い分を受け入れたくても世間様が許さない、と親は思ってしまうのだ。現につなぐ会に相談してくる親も、周囲には隠し、家族間でも秘密裏にしているケースも多い。それは何故なのか。それは、社会全体の差別、偏見であり、それを許している制度ではないのか。ならば、先に生を受けこの社会を築いてきた親たち、大人たちが声を挙げる責任がある。理解を示し、子どもたちを守りたい親たちが、まず、先行しよう。

その為にも、親自身の受け皿が必要だろう。セクシャルマイノリティ以上にクローズに陥っている親たちが共に語り、支えあっていく為の居場所が必要とされている。                           M


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第130回神戸ミーティング

2023年03月21日 | Weblog

本日のミーティングでは、

13名の方々にご参加いただきました。

 

いつも神戸ミーティングは

日曜に開催しておりますが、

本日は日程の都合上、

祝日の火曜でした。

 

ただ、比較的参加人数が多かったのは、

偶々のようでした。

 

ご参加いただいた方には、

当事者を子に持つ親御さんのみならず、

臨床心理士の方もおられました。

 

また、当会のミーティングを

知ったきっかけが、

よりそいホットラインからの

紹介だった方もおられました。

 

トランスジェンダーのカミングアウトを

受けられた保護者の方は、

今の悩み、学校環境、周辺事情の困難性の

話や、

性別適合手術に向けた話題が挙がりました。

 

LGBTという存在は知っていても、

いざ身内ごとになったら

受け入れが頭では分かっていても、

感情が追いつかないといった

悩みが様々にあります。

 

当会は、「つなぐ会」という

名がつく以上、

ミーティングの場をきっかけに

同じセクシュアリティ等の悩みを

共有できる場への繋がりや、

専門へのアクセス・情報を得られるような

機会の提供ができる役割を果たすことが

使命だと改めて感じられたミーティングでした。


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2023年2月東京ミーティング(交流会)の報告

2023年03月08日 | Weblog

親と当事者、Ally交えての交流会、親子関係が微妙にかみ合わない点を各々シェアしました。

親は子どものセクシュアリティを何故受け入れられないのか?

  1. 親の世代は男女二元論の価値観の為、男女で割り振られないセクシャリティは理解できない
  2. かつて同性愛は性倒錯、異常と言われていた時代があり、その感覚が未だ抜けきらない
  3. 親の子に託する期待値が高く、子の意向を素直に受け入れられない
  4. 性別不合の感覚に共感が持てない
  5. 世間に顔向けできない
  6. 就職できないし、結婚もできない。つまり幸せになれないと思う

では、受け入れた親は何故受け入れられたのか?

  1. 理解は難しいが、愛しているので受け入れた
  2. 性的指向は趣向ではないと学んだから
  3. 子どもの性別に対する絶望的な違和感を、自分事として共感することができたから。
  4. 拒絶して自殺に追い込みたくない
  5. 親子と言えども別人格だから
  6. 子どもの幸せは子ども自身が決めるものだと気付いたから

 

 また、宗教や文化的背景がマイノリティを追い込むことにも話が及びました。

 キリスト教国であるアメリカやヨーロッパでは同性愛者への厳しい迫害があり、それに反発して反対運動が盛り上がっていった反面、日本においては宗教的抑圧はないものの、世間という同調圧力が足かせになり、差別と偏見意識がなかなか減らない。また、イスラム圏では同性愛が処罰の対象になる国も有り、そこで生きる当事者は生命の危険にさらされていると聞く。日本でもLGBTQ+の自殺率、自殺念慮率が高いのは、社会からの抑圧による孤立感、生きづらさからくるものと言われています。

 自殺念慮だけでなく、セクシュアルマイノリティは抑うつ状態から精神疾患にも陥りやすい。同時に発達障害も加わりWマイノリティ、トリプルマイノリティも多い。この事態を重く受け止め、彼らがこれ以上死に急ぐことのないよう、社会側が環境を整えるべきでしょう。この社会を築いてきた大人たち、親達がそのことに気づき、警鐘を鳴らし間違いを正して、多様性社会の意味を問いただしていきたい。多様性社会とは、一色ではなく、様々な人たちが集まって織りなす社会であり、面倒くさいことではあるけれども、皆で対話し、お互いの違いを理解し、尊重して支えあう社会であると。                 M

 

 


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3月名古屋ミーティングの報告

2023年03月08日 | Weblog

令和5年3月6日 いなべ市役所 シビック棟2階研修室5

 

トランスジェンダー当事者 5名
トランスジェンダーの子を持つ親 3名
同性愛の子の親 1名
看護師 1名
児童精神科の医師 1名        計 11名

 

今回のミーティングは、自己紹介の後にそれぞれの近況報告等を話しました。

 

【FTX当事者】

戸籍が女性であるので女性として健康診断を受けた。今までは苦痛だったが、今は、親や、職場で理解があり、女性ではないとカミングアウトしているので、健康診断は割り切って、受けることができた。体重が増えていたが、今は本当の自分を生きられているので、幸せ感のほうが強く、気にならない。

 

【MTFの子の母】

4年前から子が引きこもっている。半年前に性別適合手術をして、女性の戸籍にも変更したが、将来のことを聞くと、「死にたい、35歳まで生きたくない」と言い、「自分がどうなっているのか聞きたい。精神科を受診したい」と言い出した。精神科の医師から「今まで、生きづらかったね、と言われて泣いた」と本人から聞き、そこに気づかずに申し訳ないと思った。

 

【MTX当事者】

戸籍は男性。服装は女性。好きになるのは女性。手術なし。ホルモン治療なし。50歳を過ぎ、やりたいことがあるので、来月仕事を辞めて、資格取得の勉強をする予定。LGBTQに関して、国には差別禁止を求めず、同性婚を訴えたい、と考えている。

 

【MTFの子の親】

最近ものすごく嬉しいことがあった。今まで子どものことが心配で見守ることしかできなかったが、子どもから家族に対して、自分でバイトしたお金でスイーツを買ってきてくれた。めちゃくちゃ嬉しかった。家族全員で喜んだ。自分の足で歩き始めていると感じた。

 

【FTM当事者】

21歳の時にタイで戸籍変更のための手術をした。男性として数年が経ち、付き合っていた方と結婚をした。子供が欲しいと思い、本日相談に来た。

 

【MTF当事者】

40年間男性の鎧をまとっていた、40歳の時にトランスし女性として生活している。戸籍変更の手術をしていないので、男性戸籍である。どうしても、戸籍の壁を越えられない。差別禁止法で制度があれば、普通に女性として生きられるのかなぁ、と思う。

 

【児童精神科医師】

外来でも、ちらほら相談がある。親が子供から「死にたい」と聞くのはつらいと思うが、自分のことをありのままに出せる相手(親)がいることが素晴らしい。言葉だけでなく、自傷行為が出ると心配。「そう言えることは正常だよ」と伝えて。

 

次回は令和5年4月3日(月)13:00〜 いなべ市役所で行います。

※産婦人科医師にもご参加頂きますので、ホルモンの相談を個別に個室ですることができます。


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