LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

第131回神戸ミーティング(2023年4月23日)

2023年04月24日 | Weblog

今回(4月23日)の神戸ミーティングでは、8名の方々にご参加いただきました。

小学校から高校までの学校生活の中でも、修学旅行や林間学校等、高学年になると

宿泊を伴う行事も多く、宿泊先で性別によって部屋割りを決めたり、入浴したりする

場面でしんどさを感じる当事者の生徒さんも少なくない事はよく耳にします。

 
今回は、当事者のお子さんで、学校生活中に先生方との間に不意に起こしてしまった

トラブルに関して引け目を感じる様になり、自分のセクシュアリティーの事を含めて

2重の悩みを抱えてしまう事となり、長期での集団生活を伴う修学旅行へ不参加に

したと言うお話を伺いました。

セクシュアリティーの他にも、障がいや持病、過去の経歴などで2重3重と不当な

扱いを受けてしまう、ダブルマイノリティーの方の話について、話題になったり

実際に相談を受けたりする事が増えました。

LGBTQに関わる情報や知識について不断のアップデートが必要なのは

無論ですが、それ以外にも様々な社会問題についても幅広く知ると言う事も

必要な時代になりつつあると思います。

しかし、一人ですべてを抱えてしまうと却って逆効果になってしまいます。

今回も臨床心理士でスクールカウンセラーの経験のある方も出席され、学校

生活においても身近にできる専門家の人々とも繋がりを持ち、相談を受けた

側も抱え込まず、連携しながら対応を進めて行く事が、ますます大切になる

時代が来ていると再認識しました。


当日は東京で恒例の「レインボープライド2023」が開かれ、1万人の方が

渋谷の街をパレードされたとのニュースを聞きました。

また、今度の5月3日(祝)に神戸で初めてのレインボーフェスタが開催される

事になり、当会もブース出展します。

これを契機に、地域社会と「つなぐ会」として地域の様々な団体や人々と

繋がりを持つ事で、様々な課題について共に考えていける様にしていきたいと

思います。


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4月東京ミーティング報告

2023年04月20日 | ミーティング

  2023.4.2 渋谷区にて開催

 

つなぐ会には、家族から子どものセクシュアリティについての相談が多い。

けれども反対に、当事者の子どもから家族についての相談も多い。例えば、

カミングアウトはどういう方法がいいの? 

カミングアウトされた親の気持ちってどうなの? 

好きになった相手がトランスジェンダーなので親が猛反対して困った、

同性のパートナーがいて私はHappyなんだけど親は理解がない、

私のセクシュアリティが原因で苦しんでいる親にどう対応すればよいのか、などなど。

 

30代以上の当事者の相談の場合、親はシニア世代。この世代の理解率は低い。そもそもLGBTQの概念を学んできていないし、男女二元論に疑いを待たず半世紀以上生きてきているので理解が難しい。たとえ柔軟思考の持ち主で理解できたとしても、家族、親族、友人皆旧世代の為、理解を共有しづらいという難点がある。この世代の親にとって一番の難点は、この問題を共有理解する仲間が身近にいないということだろう。

したがって理解は遅れるし、たとえ認知、理解したとしても誰にも打ち明けられず、悶々としている。クローズ派が多く精神的に参ってしまう親も多い。

その辺り、つなぐ会の各拠点が仲間づくりを担っていく必要がありそうだ。

ただ、シニア世代はSNSに疎い方が多く(同様に、スタッフもITを使いこなせる力量に乏しい)、対面か電話でしか応答できないと言われることも多い。この年代とどう繋がり、親同士の輪を拡げるか。なかなかいい案が見当たらない。

 

親が理解していればセクシュアリティの偏見はなかろうし、受容する親のもとでは子どもは自己肯定感をもって育つので、学校や職場等で何かあったとしても乗り越えていくことができる。差別と偏見が今なお潜む社会の中でストレスフルな日常を送るセクシュアルマイノリティにとって、安心安全な家庭は癒しの場となる。

 

だからつなぐ会は、親への啓発と親同士の繋がりを重要視している。それがLGBTQ+の子ども、若者も交えて当事者たちのいのちを守り未来を創ることになるからだ。親にとっても、我が子とセクシュアリティが原因で疎遠になることは不測の事態だろう。どんどん年老いていく親にとって、結果的に寂しさだけが募る。そうならない為にも、親は子どもの声に耳を傾け、LGBTQ+の学びを始めてほしい。それは親にとっては新たな価値観との出会いとなり、今まで見えていなかった世界の扉を開くことになるのだ。

 

何といっても、我が子との絆がより深くなること間違いなし!                        M 


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4月亀山市「素自カフェ」の報告

2023年04月18日 | Weblog

令和5年4月16日(日) ひのめ 和室

 

ゲイ当事者 2名
Xジェンダー当事者 1名
トランスジェンダーの子を持つ親 2名
同性愛の子の親 2名
医師 1名
当事者の友人 1名 とその子ども 1名      計 10名

 

今回のミーティングは、新しい参加者の悩みについて感じたことや自分の経験を伝え合いました。

 

【子どもの話】

10年前にカミングアウトを受けた子どもに、最近もたまには帰ってきてほしいという連絡をとっても、「生き方を否定され傷つけられたことは許せない、会いたくない」と言われてしまう。きつい言葉で返される。

→自分も母親にカミングアウトし、前向きに受け止めてもらっていたと思っていたが、母が亡くなった後に、祖母から、母がカミングアウトを受けてすごく泣いたり悩んだりしていたと聞いた。カミングアウトを受ける側もすごくしんどい。

→誰に否定されてもいいけど家族だけには認めてほしい。

→自分から親にカミングアウトしたことは一度もない。メディアを通して親は知ることになったが、今でも会ったとしてもその会話はしない。

→私の子どもは自分からではなく、高校の先生を通してカミングアウトを受けた。だから、そのお子さんはものすごく勇気をもって言ったと思う。

→並大抵の勇気じゃない。これで否定されたら人生終わるというくらい。

→お子さんは、これまでのしんどい生き方、生い立ちの中で、自尊感情を低められ、親にきつい言葉をぶつけざるを得ない状態なのだと思う。でも出会いの中で自尊感情が高まった時に、親なりに一生懸命考えてくれたこと、大事に育ててくれたこと、傷つけてしまったということに気づけるかもしれない。でも今は難しい。それだけしんどい中で生きてきたから。

→あきらめてないからこそ、親にそれだけの言葉をぶつけるのだと思う。

→自分もそのお子さんと同じように親への恨みつらみを手紙に書いて渡そうとした。でも渡さなかった。そのお子さんは親にぶつけられているだけいいと思う。それを受け止めてくれる、変わってほしい思いを伝えたいと思う親だとあうこと。

→カミングアウトを受けたのが10年前だとすると、社会にLGBTQ等が全然広まってない時代。きっと、カミングアウトを受けて、当事者を傷つける言葉を言ってしまっただろう。この10年間でお子さんに言った言葉やかかわりをひとつずつふり返って、自分の中の偏見や差別心を見つめることも大事だと思う。当事者はその変化を敏感に感じるから。お子さんも、親のそういった変化を感じられたら、また会いたいと思うかもしれない。

 

次回は令和5年5月21日(日)15:30〜「ひのめ」で行います。


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4月名古屋ミーティングの報告

2023年04月09日 | Weblog

令和5年4月3日 いなべ市役所 シビック棟2階研修室5

 

トランスジェンダー当事者 3名
トランスジェンダーの子を持つ親 5名
Xジェンダー当事者 2名
同性愛当事者 1名
同性愛の子の親 1名
医師 1名
当事者の友人 1名        計 14名

 

今回のミーティングは、新しい参加者も交えて、様々な話題がありました。

 

【友人からの相談の話】

Xジェンダーの友人が同性パートナーの相手の親に認めてもらうために戸籍を変えようとしている。友人としてどう言葉かけをしたらいいものか?
→戸籍を変えたら果たして認められるのか?
 手術までしないと性別を変えられない日本の社会がおかしい。
 同じようなケースの話を聞くことがあったが、術後でも破綻した例がある。

 

【学校の話】

4月から高校へ。名前は通称名。セクシャリティのことは学校にも話をした。学校生活が始まってみないとわからないところがある。

→「体育の授業は男子として受けたい」のように、一つひとつ希望を伝えて選択していくとよい。
 つらいことがあれば誰かに相談できたらいい。

 

【子どもの話】

性別のことよりも、自閉症の症状がひどく悩んでいる。感覚過敏、人の気持ちがわからない。生活が困難。
洋服店に子どもと一緒に出かけたら、スカートとブラウスでいたためか「息子さん」といわれ、メンズコーナーを案内された。内心「娘です」と言いたかったが、子どもが傷つくと思って言えなかった。

→その店員一人の存在で、左右されることはない。(そんな人もいるとスルーしたらいい)
 当事者は自分では言いづらいこともあるから、「娘です。」と周りが言ってくれると嬉しい。

 

【服装の話】

日によって、服装が男性的だったり女性的だったりする。自分らしい服が着れたらいい。「自分は自分」。

 

【お風呂の話】

・病院でお風呂に入るときに男性か女性かで分けられるのが嫌で、一人の時に入らせてもらえるよう対応してもらった。トイレに入るときは今も迷うことがある。

・「小学生の時のトラウマが原因で、性別違和だと思われていた。周りから男性と思われていたが、お風呂は女性のほうに入ると「あの子やっぱり女の子だった」といわれて嫌な思いをした。

・日本は男性か女性のどちらかにあてはめられる。”性は多様である”と言いつつも結局どちらかにはめ込む癖があると思う。

 

次回は令和5年5月1日(月)13:00〜 いなべ市役所で行います。

※産婦人科医師にもご参加頂きますので、ホルモンの相談を個別に個室ですることができます。


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