LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

7月名古屋ミーティング(いなべ市)報告

2024年07月02日 | Weblog

2024.7.1シビックコア棟会議室

 

トランスジェンダー・同性愛当事者の親4名

トランスジェンダー当事者2名

同性愛当事者1名

産婦人科医1名  計 8名

 

今回のミーティングでは、最近のLGBTQに関する考え方の変化や社会の動きについて話して交流しました。幅広い年代の参加者が医療や教育、社会など色んな視点で話をしました。

 

〈話題になったトピック〉

・様々な年代の居場所の必要性

・同性婚の法制化への動き(参考:マリフォー国会)

・性分化疾患(参考:ネクスDSDジャパン)

・LGBTQに関する講演会の内容

・性別欄や性別で分けることへの違和感

・職場や病院で理解と対応         等

 

次回は8月5日(月)


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6月東京セミナー「LGBTと家族と友人がAllyと語る集い」の報告

2024年06月18日 | イベント

6月ミーティングはパネルディスカッション+フリートークセッション

パネラーは、専門職の方、当事者、家族、Allyの4名。定員50名のところ申し込みはほぼ埋まり、活況の対話交流会となりました。

 

キーワードは、

「対話」による相互理解こそ、多様な社会のための揺るぎない幹

 

パートナーシップ宣誓制度の導入は、徐々に進んではいる。法的な権利保障がない分、制度の役割への期待や認識は様々だ。

今回、LGBT当事者とその家族とAllyが認識の壁を越えて「対話」する中で、パートナーシップ宣誓制度導入がもたらす社会的な影響について考えた。

どうすることがダイバーシティ社会につながるのか?

 

自らが描くダイバーシティ社会について、様々な立場から考えたパネラーからのコメントは重い。

💛現行のパートナーシップ宣誓制度は十分とは言えない。だが、LGBTの存在を認知し考えてもらえるきっかけにはなっている。制度の定着よりも行政の実務が、より現実的な対応になって来ているが、家族を形成したいと願う当事者パートナー同士には、最終的には法改正が待たれる。

💛結婚そのものに拘らない。パートナーとの生活のための制度利用は考えていない。                           言葉のキャッチボールから、LGBTと云うくくりを超え、一人の人として受け止める関わりが普通となる、当事者との共生が可能な社会に早くなって欲しい。

💛親は子の幸せを思うが故に、当事者の子のあるがままでありたい生き方を受け止め切れずに苦悩するケースがある。 子が自分らしくあるがままであれることの幸せを受け止め、応援する一番身近なAllyでありたい。ダイバーシティな家族関係の延長にダイバーシティな社会が実現する。

💛非当事者Allyとしてできることをシンプルに考えるようにしている。Allyであることを、臆せず表現すること。ダイバーシティ社会を創ることに繋がる関わりや行動に、できる限り参加すること。ダイバーシティ社会の実現には「対話」による認知の広がりと相互理解が不可欠。「対話」推進の機会に参加できることは、Allyとして誇り。

 

次回8月ミーティング(8/4)は、通常の対話集会の開催となります。

親もまた、ありのままの自分を見つめる時間が必要です。                                       安心、安全な場での語りの輪の中で、自分が納得行く道を見つけてください。

 


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5月名古屋ミーティング(いなべ市)報告

2024年05月25日 | Weblog

2024.5.13シビックコア棟会議室

 

トランスジェンダー当事者の親4名

同性愛当事者の親1名

トランスジェンダー当事者2名

同性愛当事者1名

Xジェンダー当事者1名

 

今回のミーティングでは初めての参加者の方もおられたため、現在の状況や悩んでいること等ざっくばらんに交流していきました。

 

〈カミングアウトについて〉

・子どもからカミングアウトを受けた時は、夢であってほしいというくらい悩んだ。でも今では、手術も終え、あきらめというより覚悟しているという感じ。名前を変えたが、前の名前で呼んでしまって言い直したりしている、でも少しさみしいなと思ってしまうこともある。

 

・私は、子どもからカミングアウトを受けた時は、幼少期からの子どもを見ていて、それほどびっくりすることはなかった。将来的には体を本来の性別に戻したいと言っている。親としてはガイドラインに沿った形で治療を進めてほしいので、それだけはお願いして一緒に進めている。カミングアウトを受けた後にしたのは映画を観ること。でもどちらも当事者が亡くなってしまう話でこわくなってしまった。もっと知りたいと思ってSNSで調べたりしたけどもっと分からなくなってしまった。自殺率が高いというのも読んでこわくなった。人を好きになってそのパートナーに出会えるのかなど、先のことを心配してしまう。うすうす、この子恋愛対象はどっちなんだろうと思うこともあったけど、もっと早く気づくべきだった。

→お母さんが胸を張っていら、お子さんは悲劇の方にはいかない。先のこと不安になるのはものすごくあるけど、子どもは心配されるのが一番嫌。子どもが結婚するか子ども持てないかはその子が決める。その夢よりも自分が幸せになることが大事。子どもの幸せを自分の幸せと勘違いしてないですかって言われたこともある。

 

・私の子どもは赤いランドセル嫌がって1週間でやめた。小学校はスカート履かずに野球帽を被ってお兄ちゃんのお古の服を着ていた。お兄ちゃんの友だちと遊んでいた。カミングアウトを受けた時に、「好きになるのは同性」と聞いて、「話してくれてありがとう」と言って。手術したいのではとまず思った。よくよく聞いてみると、性自認というのはあいまいとのこと。

 

・私の父母は70代。10年前ぐらいにカミングアウトして、いろいろあった上で受け入れてくれたので。診断書をぽとっと置いておいて、オペのお金も貯めながら、カミングアウトしてここで縁を切られても仕方がないと思って置手紙で伝えた。ひと悶着あったけど受け入れてくれた。

 

・10年ぐらい活動しているけど、「私はあととりを産んだはずなのに。ここの会で反対してください。」と言う親もいた。当時だいぶきつかったのでは?

→すんなりとはいかなかったけど、伝える前からちらつかせていたし、昔から姉の服を着ていたりしていたので、「やっぱりな」というのがあったみたいです。

 

・職場へのカミングアウトなどはどうでしたか。

→数カ月前に転職した。転職する時には伏せてた。ある程度自分ができるということを見せてから、「実は…」と言って見せて。「名札だけ仮名でさせてください。」と伝えたら、福祉系という会社というのもあって、割と間口が広いので大丈夫だった。

 

・お子さんからカミングアウトされてどうだったかが知りたい。

→けっこう嫌な顔してたので。さっきの最終的には生きててくれたらそれでいいという感じだったので。

 

・大学3年の春休みに「急に帰ってくる」と言って帰ってきて、「母さんあのね…」が何度も繰り返されて。「お風呂行く?」と聞いたら「行く」と言ったので、温泉の寝風呂に入りながらカミングアウトを受けた。言うまで待とうと思っていた。「なんかこの子あるだろうな」というのは思っていて、「あ、そういうことだったのね」と思った。その時に「〇〇は〇〇だよ。ありがとう」と返せた。でも消化酵素がなくて、刷り込みもあったし、結婚どうすればいいんだろう、どうなるんだろうとか、私が他の家族や親戚に伝えないといけないのかなとかいろいろ思った。そうしたら、子どもの方からこの会を紹介してくれて。でも行けたのはその2,3か月後とか。友だちにも夫にも言えなかった。でも友だちに言えた時に、 「逃げても倍返しのようにその問題はあなたの前に立ちふさがるよ。向き合いなさい。」と言われた。その後は本をたくさん読んで100人いれば100通りの性があることや性はグラデーションであることを知った。家族にもし受け入れられなかったら最後。だから死ぬか生きるかのカミングアウトだったんだと思う。

 

・私の子どもは、中3の時、明日履歴書を出さないといけないという状況で「お母さんごめんなさい」と泣いて。「性別に〇ができやん」と言った。男の気持ちがあると。でも、その時「謝らなあかんことじゃない」と言えた。高校は男子生徒として受け入れてくれる学校を探した、県外の大学病院にも毎月通った。胸の手術をしてからは、戸籍変更まではのぞまないということで、戸籍は変えずに生きている。

 

・私の子どもは13歳の時。部屋で仕事をしていると、急に入ってきて。ずっと黙って座って横に座っていて、言いたいことあるのは分かるけど、何もしゃべらないから、「いじめがあった?」とか、あれか?これか?といろいろ聞いて、最後の最後に出たのは、「あんた女の子になりたいの?」だった。そう聞くと「うん」と言った。当たったけどその時はうれしくなくて、それか…と思った。その後は、「マツコさんみたいなタイプ?はるな愛さんタイプ?」と聞いた。そしたら、「はるな愛さん」と言った。でも正直この子のちょっとした思い込みと思いたかった。そこからインターネットで調べたりYoutubeをたくさん見た。1度そういうのを見るとそれに付随して出てくるから、見たくないサイトとかも見てしまった。

→私が病気をした時にすごい落ち込んだ。いろいろ調べたけど、「調べてもだめ」と病院の先生に言われた。1人ひとり違うし、調べてもどれが正しいかもあてはまるかもわからないから見ない方がいいと。だから、性別のことも、薬の名前とかは調べたりはするけど、学校のカウンセリングの先生がここを紹介してもらって、ここで実際に話聞いたり、来てもらっているお医者さんの話を聞いたり、かかっている病院の先生に聞いたり、直接聞くのが大事だと思う。

 

・私は、カミングアウトを受けた時は「自分しっかりしてる。なんて強いの?私すてき」と思った。泣きじゃくっている子どもに「泣かないでいいんだよ」とも言えた。それまでも、この子はゲイなのか、女の子なのか、カテゴリが分からずもやもやしていたところ、そのカミングアウトではっきりした。

 

・今子どもは手術の話で局部の話ばかりする。普通だったら親が聞かないようなことをが一番の重要なところに来ている。そういう会話はどうしてますか。術式のこととか子どもに聞かないですか。

→ちは自分のお金でやってるので口出しする権利もなかったし、本人が勝手に決めたけど、4つぐらい術式があるとかそういう話もはすごくした。全部あからさまにしていた。

→10年前ぐらいは性の話を混同してやらしい話と思っていた風潮がある。私も子どもからカミングアウトを受けてLGBT=やらしいと思っていた自分がやらしいと思うようになった。セックスがからむ商売などと混同していたけど、全く別の問題だと自分の中で区別できた。

→医療用語だったら全然聞けるし話せると思う。

→子どもの手術なのに、これでいいかな、これすてきとか、自分がするかのように調べてる。

→GID学会では、手術が見れるしダイレーションの説明も聞ける。医者から、親に向けての説明も医療者に向けての説明もある。

→外的の手術しなくても戸籍変更ができるらしいとか、でも子宮があるのが嫌やからそれは取りたいとか、自分は戸籍だけもらっても嫌とか、卵子凍結することもできるらしいよとか、自分の遺伝子は残したくないから全部取るとか、そんな会話、意見交換が大事だと思う。

 

・子どもを心配してしまう気持ちは大きいけど、大事なことだけに絞って「これは大事なことだから」と言って1回だけ話をする。その後は「困ったらいつでもサポートできるから」と言ってあとは放っておく、そしたら「お母さん心配してないよ」というのが見せられるから本人も安心する。でも、裏では、仕事のミスはするし交通事故はするしで2年泣き続けてた。朝昼晩晩晩と泣いて、布団で泣いてトイレで泣いてお風呂で泣いた。

→カミングアウトを受けて、食べれているから自分強いと思ってた。でも10kg太って更年期障害もひどくて。実はきてるんだなっていうのを感じて。

 

次回6月3日(月)


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4月葛飾LGBTQ+💛家族の会の報告

2024年05月09日 | Weblog

4月度、2回目の交流会は4月27日(土)に葛飾区にて

今回は、当事者の子を持つ家族の交流会というかたちクローズで開催。                                 参加者は当事者のお子さんを持つ親6名。                                              お子さんの年齢も小学生~成人と様々でした。

今日はご家族の方の会でしたので、セクシャリティに関する色々なテーマ(LGBTの子どもに寄り添うための本、アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)・マイクロアグレッション(無自覚な差別的言動)を顕している映画などもご紹介しました。    

 

以下、交流会での話題です。

 

【トランスジェンダーの性の揺らぎについて】

 カミングアウト時に伝えられた性が、数年後に変わった、揺らいだ、と言う例もある。

 性は揺らぐこともあるのだ、ということを知っておいたほうが良い。

 性別違和を感じるタイミングについても、未就学~定年後など、人それぞれ。

 恋愛などの人間関係によって自分のジェンダーアイデンティティが揺れることもある。

 

【Xジェンダーやノンバイナリーについて】

 Xジェンダーやノンバイナリーは、男女どちらにも属さない。

 当事者の中でも、男女どちらに寄っているか、どのような振る舞い・服装を選ぶかなど、感覚がかなり違う。

 トランスジェンダーの中でも理解されにくいこともある。

 だからこそ、その子の感覚を親くらい分かってあげたいと思う。

 

【ホルモン治療やSRS(性別適合手術)について】

 本人の希望でホルモン治療やSRSまでスピーディに進んだ例もあれば、

「体に余計な負担をかけてしまうのではないか心配。」

「本人が希望しているからといって10代で手術まで進んでいいのだろうか。」

「選択した道が間違っているかもしれない。親として、本当に治療を進めて良いのか。

 心から子どもに勧められない。」

 と、親だからこそ心配をする意見も出ました。

まずは、安易に診断を出して治療を進めてしまう病院より、しっかり子どもの話を聞いてくれるお医者さんを探すことも大切。先生によっては18歳までは治療は待ちましょうという人もいる。

 ただ、その子一人ひとり望んでいることで対応は変わってくる。

 トランスジェンダーでも自分の体にそこまで違和感なく過ごせる子もいれば、思春期以降の体の変化で自分の体に対して強烈に違和感を持ち、自殺念慮を持つ子もいる。

 そのような命の危険がある場合は、リスクも理解した上で治療のスピード感についても考えていかなければならない。

 また、なるべく多くの当事者の人と会う、知ることが必要。

 本人の意思が一番だけれども、親こそ情報を取ってよく話し合っていくべきと思う。

 

【学校への伝え方について】

 ニュースでもLGBTQ+について目にすることが増え、世の中の理解が深まっているのかと思うが、学校生活では本人が辛い思いをすることも沢山ある。また、学校でそのような問題に具体的に取り組んでいることは少ない。

 先生たちにどのように我が子の困りごとや学校への要望を伝えれば良いか?

 言い方に気を付けて伝えたいけれど、しっかり理解してほしいところもあるし、

 モンスターペアレントとも思われたくない…。

 

「私の場合は、まず、"子供がこういう風に言っています"と伝えるようにした。

  子どもを主語にして言って、子供がこれで困っているんです。と伝えた。

  「名前のタグがピンクなのが辛い」

  「移動教室の時になんで男女で分かれなくてはいけないんだ」と言っているなど、

  一つ一つ伝えていくようにした。

  先生が、子どもたちのためにLGBTQ+に関する授業をします、と言ってくださったこともあった   けれど、"誰かのために理解する、ではなく、まずは先生たちに一般的な知識を入れて欲しい" と伝   えた。都度、先生との歩幅を合わせて少しずつ伝えるようにした。」

 

【子どものカミングアウトについてどう思ったか】

 親の会に初めて参加された親御さんからは、親からの気持ちについても質問がありました。

 「今回初めてこのような会に参加し、自分が想像していたより子供のカミングアウトについてポジティブに捉えている親御さんばかりで驚いた。皆さんはどういう気持ちで子どものカミングアウトを受け止めたのか?

 すぐに肯定的に受け入れられたのか?」

「その時々で、本人が良ければそれでいいと思って過ごしてきた。」

 「そもそも、小さいころから子どもを男女として考えていない。」

 「未就学児の時に違和を訴えたので、驚いたが、違和感なく受け入れられた。

  ただ、二次成長以降のお子さんからカミングアウトを受けた親は衝撃を受けてしまう人もいるのではないかと私自身は思った。」

 「"君が君なら、男でも女でもその他でも何でもいいんだよ"と声をかけた。」

 

 

最後に、こんなシェアもありました。

電車に乗っているときにこんな広告を見た。

「分からないから、世界は楽しい。

 新しい世界を前にした時、あなたはワクワクしていますか?」

とあった。

私自身は子どもからカミングアウトを受けたのは子どもが成人してからで、子育てもひと段落ついたと思っていた頃だったので衝撃を受けた。

今のようにLGBTQ+についての情報もない頃で、何それ!?と戸惑った。

でも、心のどこかで自分の知らない新しい世界を知ったようなワクワク感もあった。

子どものおかげで、私は新しい世界を知ることができた。

本当に、新しいことを学ぶきっかけをくれた子どもに感謝している。

                        (軽井沢高原協会のメッセージ広告でした)🍀

    


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4月東京・渋谷ミーテイング報告

2024年04月24日 | Weblog

 4月はイレギュラーで2回の相談・交流会を実施。

 先ずは、日本で最大のLGBTQ+イベント:東京レインボープライド(TRP)に合わせて

 4/20()に渋谷で実施した相談・交流会についてご報告します。

 

 参加者は親御さん7名、当事者2名、Ally 1名、ASTA*メンバー2名。

*行政、学校、会社組織など社会に向けてLGBTQ+に関する啓発活動を行っている団体。

 LGBTQ+の子どもを抱える保護者向けのオンライン交流会【みんなで保護者会】をつなぐ会/東海と共同で実施している

 

 先ずは参加者から簡単な自己紹介と今回の参加理由をお話しいただきました。

お子さんの年代は中学生から30才までと幅広く、セクシャリティも様々。

親御さんの状況は、カミングアウトから長いことお子さんとわだかまりが続いている、頭では理解していて子どもの困りごとに対応はしていても心が付いていかない、相談する人がいなくて孤独、など、苦しさを抱えていらっしゃり、積もり積もった思いが涙と一緒に溢れ出てしまう方も。

   今回参加されて、行き場のない気持ちを吐き出すことが出来、同じ様に悩んでいる親御さん達と共感し合えたことで心の重荷が少しでも軽くなったり、当事者・経験の長い親・Allyの参加者のコメントから、何かしらのヒントやキッカケを見つけていただけていたら嬉しく思います。

 

 当事者の子を持つ親として、私自身、今回とりわけ考えさせられたことを幾つかお伝えします。

 先ずは、「世代間ギャップ」と「将来への希望」。

 当事者の参加者から、「当事者である子ども世代は学校教育やネットなどから情報が豊富にインプットされているのに対し、親世代は年代にもよりますがアップデートが追いついていなくて子どもとのギャップが激しい。これでは相互理解は難しい。」とのお話があり、深く納得しました。LGBTQ+は身近に必ず存在し(約10人に1人、左利きと同じくらいの割合)、様々な生きづらさを抱えながらも活躍できる機会は広がってきています。こういった状況を知らずに昔ながらのイメージから抜け出せず、子どもの将来に希望が持てないと思い込んで足がすくんでしまうのかも?

  午後、TRPで幾つかの企業ブースを巡り、各企業におけるLGBTQ+の状況についてお話を伺ってみたところ...

  経営トップが当事者への差別や偏見を断固として禁止し、セクシャリティにかかわらず全員が安心して働けるよう社員に通達。人事制度や施設(トイレや更衣室など)を整備、ステッカーやストラップなどを利用して、Allyが周囲に沢山いることが目に見えるようにしている。Ally社員が考えたセクシャル・マイノリティの困難を解決するような活動に、会社として予算を付け実行している。社内にとどまらず、関連企業や団体と連携して世の中を変えていこうと行動している。

...などなど。

このようなイベントにブース出展しているので意識が高いことは前提かもしれませんが、幾つもの企業から本気度が伝わってきました。海外に比べて日本は大分遅れを取っていることは否めませんし、大企業が中心で中小企業の動きはこれからです。また、動き始めていても隅々まで浸透するには未だ未だ時間がかかるでしょう。ですが、こうした流れがこれから更に広がっていくことは間違いないと思います。

(参考:国内企業の取り組み)

  LGBT-Allyプロジェクト https://www.outjapan.co.jp/service/ally_project/

  work with Pride       https://workwithpride.jp/

加えて、数々の支援団体がそれぞれに工夫を凝らした様々な活動を行っていることも大変心強く、ここ5年ほど急速に進んできた社会のLGBTQ+理解のスピードは、この先さらに加速していくと肌で感じることが出来たので、「将来への希望」は「ある!」とお伝えしたいです。

 

   もう1つは「社会のメガネ」。

   お子さんから「偏見あるから付き合えない」「差別の塊」などと激しい言葉を浴びせられて、傷つき、途方に暮れながらも、「心の底から『どうってことないよ!』と言えるようになりたい」と思っていらっしゃる。

 これって、親御さんの心や頭が「差別の塊」であるはずもなく、「愛する我が子を受け入れて応援したいのに難しいのは、古くから世の中にはびこる差別や偏見の分厚いレンズが入ったメガネを通して社会や子どもの将来を見ているから」と、薄っすら気づいていらっしゃるのでは?  メガネをかけていることをはっきり認識して試しに外してみたら、子どもの本当の幸せって何なのかが、これまでと違った形で見えてくるのではないでしょうか。

  人は誰しも幾つもの「社会のメガネ」をかけていて、メガネのお陰でスムーズな社会生活が成り立っている部分も沢山あるのでしょう。でも、レンズが古くなって曇ったり歪んだりしているメガネは、もう使わない方がいいですよね。親御さん自身の温かく澄んだ眼で直接お子さんを見つめながら、少しずつでも会話を重ねていけば、気持ちはいつかきっとお子さんに届くはずだと信じています。    Y

                                                                                                                                                                                                                                

 --------------------🍀


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ドキュメンタリー映画【 i am アイアム】感想

2024年04月14日 | 雑記

2024/4/6  フェミニスト・アクティブドキュメンタリー・ビデオフェスタ 連連影展                               @hako gallery(代々木上原)

ビデオフェスタの中の1作品 【 i am 】ソナリ・グラ‐ティ監督 2011年 71分
インド出身のレズビアン映像作家が、かつて暮らしたデリーを再訪し、同性愛が犯罪だった時代、ゲイやレズビアンの子どもを持つ親との対話を通して「家族」の真の意味を紡ぎ出しながら、「カムアウト」する前に亡くなった母との対峙と和解への道を模索するドキュメンタリー映画。

セクシャルマイノリティーを描くドキュメンタリーを見るたびに、様々な当事者と家族のそれぞれの困難に胸が潰れます。
私自身は子どもから当事者であることを告げられたその場で、親として何が出来るか、どうやって応援していこうか即座に考えましたが、同性愛が犯罪だったインドのこの時代に子どもからカミングアウトされていたら、同じように受け入れられたか全く自信はありません。
生まれ育った時代、場所、法律、宗教、価値観、子どもへの期待や役割、世間体など、多くの障害によって子どものセクシャリティをなかなか受け入れられない家族が大多数なのが現実。社会の中で苦悩している当事者である子どもを、世界で一番愛している親こそ支えていけたら・・・。そのためにも、子どもを受け入れられずに葛藤している親御さんに、この映画のような当事者のリアルが届きますように。子どもに向き合うきっかけを持てたら、対話や学びによって理解を進めることにより当事者が救われることはもとより、親御さん自身の気持ちも穏やかになるのでは。作品の中で、受け入れている母親の一人が「神様は存在してはいけないものをお造りにならない」と語っていた柔らかな表情がとりわけ印象的でした。

インドの同性愛に関する法律の歴史にも思いを馳せることが出来ました。
この映画の締めくくりに、2009年、同性愛を非合法=刑法上の犯罪とする法律がデリー高等裁判所により違憲とされ多くの当事者達が喜びに涙するシーンがありましたが、2013年には最高裁にて有効と覆され、2018年に再度の違憲判決が出るまで長い闘いがあったと、映画をきっかけに調べたことから知りました。
世界で法的に同性婚が認められている国・地域は欧米を中心に38。アジアでは台湾とネパールに、この3月タイが加わりましたが、インドも日本も未だ認められていません。

上映会の後には日米同性カップル在留資格訴訟をテーマに交流会がありました。
同性婚の二人がいずれも外国人であれば定住が認められるのに、一方が日本人だと認められないのは不公正として最高裁へ訴訟を行っている原告のお二人と弁護団の方のお話を伺い大変勉強になるとともに、お二人の揺るぎない想いと活動の継続、周囲で支えていらっしゃる皆さんの温かさに感銘を受けました。
我が子も外国籍のパートナーと結婚が出来ない状況にあるため、今後の進め方についてアドバイスをいただくことが出来、大変ありがたかったです。

誰もがありのままで安心して暮らせる、幸せな将来を思い描ける日が一日も早く来ることを願ってやみません。

Y----------


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3月名古屋ミーティング(いなべ市)報告

2024年03月31日 | Weblog

2024年3月4日(月)名古屋ミーティング いなべ市役所シビックコア棟会議室

 

トランスジェンダー・同性愛当事者の親4名

同性愛当事者1名

Xジェンダー当事者2名

産婦人科医1名

スクールソーシャルワーカー1名    計 9名

 

〈てる子ママ講演会について〉

・先月てる子ママの講演会が実現した。参加者は220名。目標の200名をクリアした。三重テレビ、中日新聞、朝日新聞に取り上げてもらった。高校生が司会をして、高校生が宣伝もするということをした。高校生がとてもがんばってくれた。

・てる子ママへの花束が10個ぐらい届いていた。待ちかねてた人たちがたくさんいた。親子が多いと思ってたら、割と年齢層が高めだった。てる子ママは、そういった人たちに対応できる話をと、幕が開いてから話す内容などを合わせていった。セクシュアリティのツリーのような図を使って、1つの線のところに最終的に3つのパターンが出てくることや、簡単に説明するだけでも10なん通りセクシュアリティのパターンがあるということがよく分かる図だった。レズビアンは女性同士だけと思うけど、実はそうではなく、身体的性が男性で自認が女性で女性のことが好きという人もレズビアンというということなど、勉強になったという感想も多かった。

 

〈性別欄について〉

・性別欄は当事者にしたらしんどい。うちの子もそう。「性別欄に〇ができない」と泣いた。

・男or女の世の中で、典型的じゃない子は排除されている。性別違和、性別不合の人は困っている。困っていることを知ってもらって、じゃあどうしたらいいか。みんなが困らないようにするにはどうしたらいいのかと。困らないように取り除きましょうとなれば、それを実行した後に検証という流れ。性別欄をなくしても、困る人がいない、いなかったらそれでよかったとなる。

・性別欄削除を拒むというのは、横並び主義を言ってるだけであって、なんら対応していないように思う。雇い主とかマジョリティが困ったらまた変えたらいいだけだと思う。当事者の困りごとに対応してないのはいけないと思う。それが使えずに会社に入れないということがあってはいけないと思う。

 

〈当事者の親より〉

・性別のことに関しては自分でも納得しているし手術も一度も後悔はしてないよう。でも社会に出れない状況を思うと性別のことがあるからかなと思う。「何か不安じゃないの?」と、不安はあるに決まっているのに聞いてしまう自分がいる。でもやっぱりみんなと比べてしまう。ホルモンの影響ではないようだけど、実際はどうか分からない。顔を合わせるのはお風呂に入る時や食事するときだけ。自分の年齢や病気のことも考えてしまう。無理はしなくてもいいからちょっとでも社会に出る気持ちをもってほしいが、それを本人に伝えると、「その気持ち持ってないわけないやろ」と言う。「なんでうちだけなんやろう」っと愚痴ってしまうこともあった。「働け働け」と言われるのが一番つらいんだろうとも思う。

→まだ社会が男か女の世界。でもラベルなんてどうでもよくて、お子さんは何ができるのかというだけのこと。お子さんの資源、リソースは死ぬほどあると思う。「なんでうちの子が。男やのに」と思う気持ちは心の中でとめておいてほしい。

→「今日めっちゃ元気そうやん。」「お肌すべすべやな。」とか声をかけてあげるといい。

→褒めるところはいっぱいある。

→自分の子ども褒めるのは自分をほめるのと一緒。

→大事なことを言う時は、「一生に一回しか言わんでちゃんと聞いて」と言うようにしている。そうでないと「また言うてる」となってしまう。その代わりここまで出てくるということもある、悔しいときもあるけどもう言わん。あとはあなたの責任ですよとという形で。

 

・できないことをできるようにしてあげないといけないとと思って、いろんなことをやらせてはきた。でも、「お母さんは『あれもこれもやれ』と言ってきたけど、どれもやりたくなかった。」と今になって言うことがある。まわりの子ができたら、「この子もついていかないと。遅れているわ。」と思い、比較ばかりしてしまっていた。でも、自分の子どもの頃もそうだった。親が「〇〇ちゃんはできているのに」と、無理やり塾に申し込んでやらされた。でもそれが当たり前だと思っていて、同じように子どもにもしてしまった。でもかわいそうなことしてしまったなと思う。もう1回子育てしたいなと思う。そしたら自由にさせてあげれるのにと思う。

 

→他あ見なかったらいい。よそはよそ、うちはうちと思えばいい。

→1回だけは言って、あとは見守るだけかな。あとはがんばりなよと。

→やってきたことが間違っていたわけではないと思う。〇〇さんの親も、できるようにさせてあげないとと、社会から思わされて〇〇さんを育ててきた。〇〇さんも、同じように思わされて必死に生きてきたと思う。それが合ってるとか間違ってるとかではなく、それがその時の精一杯だと思うから、責任を感じることもやり直したいと思うこともしなくていいと思う。

→私たちもいつかは面倒みれなくなる。でもその時には言えない。あなたはあなたの責任で自分で稼いだお金で生きていけるのが生きていけるのが大事だと思うから。もうその責任をは果たしていると思う。

→「お母さんがおらんくなった時に」という話を1回だけするのもいいかもしれない。

→うちの子の時は、お医者さんが、「親の育て方でもない。お母さんが食べた飲んだ薬でも、先祖が悪いわけでもない。親のせいじゃない。先祖の血筋のせいでもない。」と大学病院の先生が言った。「世界中同じ割合で生まれてる。それが0.8パーセントとか2.5パーセントとか今数字が出ているけど、誰かのせいでもない。自分も親もせめなくていい。江戸時代の文献には残っている。今急に増えたわけでもない。江戸時代からずっと医学書に残っている。」と教えてくれた。多様性に対応できる人たちはこれからの時代重宝される。それを武器にし、チャンスにすることが大事だと思う。

→完璧な子育てはないと思う。でも変わることはできる。過去に戻ることはできないけど自分が変わることはできると思う。

 

〈当事者の支援者より〉

・男性でも女性でもどっちでも見られたいという感じ。最初はわからないという状態。わからない自分にもやもやしてるのかなと感覚があって。今決める必要がないとは思っている。多様性を説明したくてLGBTをふわっと抑えたら、「LGBTってさあ」と話してくれて。「ちゃんと教えてほしい」と言ってくれたからちゃんと伝えて、この会の紹介した。「私が一回行ってくるで」と言って先に来させてもらって「こんな感じだったよ」と説明したら「ちょっと見てみたい」と言ってくれた。

 

〈当事者より〉

・中学生に上がり新しい環境に行く不安はある。性別は両方ある感覚だからどっちに見られてもいい状態。

・中学校は制服が選べるからよかった。上が男の子のもので下が女の子のものを選んだ。

→多様な人を受け入れられるっていうのは結局はいいこと。本当によくがんばって相談してくれたと思う。なかなか言い出せる人はいないかもしれないけど。子どもはがんばらなくていい、なんとかするのは大人の仕事。

〈市の相談窓口・病院・治療について〉

・私の住む市では、パートナーシップファミリーシップ制度入れました。それにあたり、相談窓口がないといけないのではという話になっり、相談窓口を設けようという話になった。人がいないというのがネックということだったので引き受けた。来年度、常設ではないですが、予約が入ったら対応するというのがはじまる。

→当時、子どもからカミングアウトを受けた時に、おばあちゃんに泣きながら相談したら、「謝ることじゃない」と言ってくれた。「みんなで育てたらいいよ」と言ってくれるおばあちゃんだった。相談できる場所がもっと増えてほしいと思う。

 

・私の住んでいる市は窓口がない。学校に来ているスクールカウンセラーの先生に最初相談した。そうしたらスクールカウンセラーの先生がいろいろ調べてくれてこの会を紹介してくれて。役所とかそんな窓口があるなんて聞いたことないし、病院とか心療内科とかでは高校生しか受け付けてないと言われたり、連れていこうかなと思ったらそう言われたりした。

→私の子どもの時は思春期外来なら診てくれた。

 

・1軒はいけたけど、そういう相談受けたのは初めてだったようで、先生に「どうしたらいいかわからない。」と言われた。「今は中学生だから勉強とか視野を広げていろいろしよう」とか、基本的な思春期の対応を言われた。逃げてるようにも感じた。「中学生というと気持ちに波があるので」という感じだった。診断をつけてほしかったけど、聞いてもらうだけだった。診断をつけれるような病院の情報をいただけるかと思ったらそうでもなかった。

→日本全体でGIDの先生は28人しかいない。10年で11人増えた。ガイドライン認定医師。各県にいるとなるには47人いる。日本全体でみても少ない。

 

・診断がほしかった。今すぐ治療をと思っていた。今診てもらっている先生とはまだ面談だけ。

→それは必要なこと。早く認定して必要なことと、何回も問いかけて本当にこれでいいのかという期間が2,3年いるという。あってはならない間違いがあってはいけないから2,3年かかる。これは例外の話だけど、うちの子は自認がものすごく強かった。「お宅のお子さんは自認が強いから早く認定してあげないと心が壊れてしまう」「早く認定させるために毎月岡山に来れますか」と言われて半年後に認定してもらった。先生に自分史というのを見てもらって、いろんな血液検査も心電図も行った。半年間毎月通って認定会議で認定してもらって、翌月から二次性徴抑制ホルモンを打てるようになった。その半年間、4つの科の先生が1人の子を見て、認定しても間違いがないか判断する。それがガイドラインに沿ったやり方。本来なら10代の子は2,3年かかる。間隔をあけながら診てもらう。それが待てない、待っている間に自殺してしまうとかそういう場合は早く出ることもある。治療や診断が待てないこともあるけけど日本ではそういう形。それが待てなければ外国に行ったり、ガイドラインを飛び越えてやれるという先生もいるけど、それは自己責任。私たちからはすすめられない。18歳以下でガイドラインに沿わない形で手術をしたとしても、成長したら2回3回と手術しなければならなくなる。二次性徴抑制ホルモンもある。うちの子も16歳から、当時は8時間おきに点鼻。今は高いけど注射がある。生理が来ることが1番こわいことだったから、2年間休まずやった。細胞レベルで体がほしがるのがホルモン。でも、ほしいのとは違うホルモンを投与するからしんどくなる。体調がどうなるかは人それぞれ。本当に副作用がなく調子いいという子もいるし、ずっと調子悪いっていう子もいる。一般的な女性でも女性ホルモン値は20でいいのに、ホルモン打つ人は60ぐらい打つ。

 

次回4/1(月)


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2月東京「出櫃 カミングアウト -中国LGBTの叫び」上映会+トークイベントの報告

2024年02月20日 | Weblog

2024年つなぐ会/東京のスタートは、中国の性的少数者(LGBTQ+)当事者と家族を追った映画 (所要時間約1時間)

「出櫃(カミングアウ)中国LGBTの叫び」 (房満満監督/東京ドキュメンタリー映画祭2019短編部門グランプリ)の上映会(墨田区の支援団体「あなたのSOGIE」との共催/墨田区後援)に23名ご参加いただきました。

休憩を挟んだ後、房満満監督とZoomによるトークセションを実施。   

先ずは東京理事から監督に、セクシュアルマイノリティをテーマに選んだきっかけや、カミングアウトの場面を振り返りではなくリアルに撮影できた経緯など伺った後、日本人だけでなく在日の中国人参加者複数名からも、中国におけるLGBTQ+の状況、親子関係の実情や背景、カミングアウトの意味や是非、支援団体の状況など、監督へ沢山のご質問をいただき、監督が1つ1つ丁寧に回答くださって活発なクロストークとなり、あっという間に予定の1時間が過ぎました。                                                                           

 ====

親子3人で鑑賞されたご家族に感想をいただきました。

私自身はFtMの母親ですが、一人っ子政策ゆえの濃密な親子関係、親族や地域社会における体面が非常に重視される文化、「社会規範からの逸脱=幸せになれない=絶望」と考えるなど、「セクシャルマイノリティが自分を偽らずに生きること」「親が受け入れること」がこれほどまでに難しい、厳しい中国の状況に胸が潰れる思いでした。

 

(子ども/FtM/21才)

中国の状況を知ることが出来、とても良かった。

特に、当事者がカミングアウトする場面をリアルに映していることに驚き、感銘を受けた。

自分の周囲にいる当事者からの話で、「病院で治してくるように」と言う親は都心でさえ未だ存在するし、「ニュースを見て親が差別発言するのを聞くとカミングアウト出来ない」という声もよく聞く。

当事者で親にカミングアウトして受け入れてもらっているのは2割程度の印象。

中国ほどではなくても、親の理解は日本でもかなり難しいと感じている。

 

質問に対する房監督の回答が、実情をよく知ったうえで多くの視点から説明くださり、全てが納得できるものだった。また、心を込めてお話くださり、ありがたく、素晴らしかった。

 

(オーストラリア人パートナー/パンセクシャル/20才)

セクシャルマイノリティの子どもを受け入れられない親も、子どもを愛していることが分かって良かった。

 

中国の文化(メンツ/親子関係 など)を知ることができた。

想像はしていたけれど、社会規範がきつく、大人になっても親との繋がりが深い。

 

同性愛は受け入れられないけれど、社会に顔向けできないだけで、子どもとの繋がりは続く。

欧米では「親と子は別」との考えが強いこともあって、子どもを受け入れられなければ子どもと離れたり、縁を切るケースが多い。

子どもからしても、親が受け入れてくれなければ、親と離れればいい。

中国では親子の繋がりが強く、一生続くものだからこそ、子どもは親に理解してもらいたいのだろう。

 

オーストラリアではLGBTQ+の理解が進んでいるが、受け入れはするけれど偏見が残っているケースは未だある。

減ってきてはいるが、キリスト教関係者はセクシャリティを治療するよう子どもをカウンセリングに行かせることもある。

 

日本人で知っている当事者でカミングアウトをしている人はほとんどいない。

理解が進んで欲しい。

 

=====

 

日本においても地域や年齢層によっては中国と似たような状況にあり、子どもを愛するがゆえに子どものセクシャリティを受け入れられず、親子共に苦しんでいます。

当事者がありのままで幸せに生きていける社会になるためには、セクシャルマイノリティの存在や困難な実情の認知を広げて支援者を増やしていくと同時に、希望を伝えられる当事者がロールモデルとして可視化され、当事者も親も明るい未来を描けることが重要だと感じました。

カミングアウトがハードルでも何でもない世の中が1日も早く訪れますように。

 


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2月名古屋ミーティング(いなべ市)報告

2024年02月07日 | Weblog

2024年2月5日(月)名古屋ミーティング いなべ市役所シビックコア棟会議室

 

性別違和をもつ当事者 1名

同性愛当事者 1名

トランスジェンダーの親 1名

同性愛当事者の親 1名

人権教育の活動団体の方 2名       計 6名

 

今回のミーティングは、人権教育の活動団体、三重県人権教育研究協議会(以下、三重県人教)の方の運動についてや、その中での困りごと、質問に、当事者やその家族がお答えする形で進めました。

 

〈統一応募用紙の性別欄について〉

三重県人教

・統一応募用紙とは、各企業で作成した社用紙に就職差別につながるおそれのある事項が多く存在しており、被差別部落の人たちをはじめ、家庭状況の厳しい人たちが差別される原因になっていたことから、新規高卒者の就職応募用紙について、労働省、文部省及び全国高等学校長協会の協議により定められた様式を統一応募用紙として1973年度から全国的に使用してきた。しかし、活動団体による運動により、1996年4月に全国高等学校統一応募用紙類の一部様式変更(「本籍」欄、「家族構成」欄、「胸囲」「色覚」欄が削除)が行われた。また、2005年4月には、統一応募用紙が改訂(「保護者氏名」欄が削除)された。

・現在の統一応募用紙には、性別欄が存在するが、2020年には、近畿統一高校応募用紙(近畿労働局)の性別欄が削除され、三重県を除く近畿地方では、性別欄が削除されたものが使われている。近畿地方以外では、未だ、就職希望の高校生は、性別欄のある統一応募用紙への記入を求められている。

・2005年の「保護者」欄削除の際も、全国に先駆けて近畿地方で削除された際、三重県としては、保護者欄に斜線をする形を取り、それが全国に広まっていった経緯もある。

・今現在、三重県人教が働きかけ、教育委員会の高校教育課が三重県労働局に性別欄への斜線を求め、働きかけをしているところ。その動きの中で、すでに任意記入だから斜線をする必要があるのか、わざわざ斜線まで引かなくても、みんなで無記入という形でもっていけばいいのでは、などの意見が出ることが予想される。

 

〈統一応募用紙の性別欄に関する当事者や家族の意見〉

・三重県は条例があるので、その条例に則って訴えていけばいいのでは。

・三重県が先頭を切って変えていくのも、条例だけでなく、実際に理解され行動している県として思ってもらえるチャンス。

・性別欄があれば、書かなければ落とされるかもという不安の中で、仕方なく自認の性別ではなく戸籍の性別を書いてしまう子もいる。

・性別欄があることで、そこに自分の性別を書けない、だから就職をあきらめるという子が何人もいる。

・トランスジェンダーの子どもは、高校受験の時に性別欄に〇ができない苦しさから生きるか死ぬかのカミングアウトをしてきた。就職も生きるか死ぬかのレベルで追い込まれ、悩んでいる当事者が多い。

・性別欄削除は進路保障につながる。

・性別欄を削除して、就職の機会や人生をうばわれる人が何人いるか。救える子どもが増えるだけ。

・私は性別欄を見ただけで「うっ」となる。性別欄があるのに、書かないことで後で指摘されるのではという不安の中でそれを提出している現実がある。

・学校でも、業者のテストで性別欄に〇ができない苦しさから、その場にいられない、テストが受けられなくなる子がいる。それと同じだし、当事者にとってはそれぐらいしんどいこと。

・いろいろな意見が出る中、欄はあるけど、無記入を全員が選択していくという方法は、そうするための授業や取組が行われると思うが、当事者は、その授業や取組の中で少しでも理解のなさを感じたらとても苦しくなる。中途半端にではなく、その授業や取組が三重県内すべての高校で同じレベルで行われればいいが、そうでなければ、苦しさしかない。結果、子どもたちを強制的に無記入に仕向けていくものにもならないかという心配もある。

・マジョリティ側は、自分の権利が脅かされた瞬間に、マイノリティ側への攻撃性に変わる。この件でも、例えば、なんで性的マイノリティの人たちのために、性別欄を無記入にしなければならないんだという考えから、性的マイノリティへの攻撃性に変わることも0ではないと思う。だから、最初から斜線を引いてほしい。斜線を引かれた経緯から、または、斜線を引こうという動きがあることから子どもたちが学ぶというのは、とても大切なことだと思う。

・転職の時に、履歴書の性別欄には何も書かなかった。志望理由等のところで性別の違和感があることを書いた。それは、女性としてその職場で働くことが苦痛だったから、女性として働くことを求められる会社では働きたくないと思ったから。私は、そうじゃない会社はこちらから選ばないと思える選択肢があったからいいが、高校で就職する子にその選択肢がたくさんあるだろうか。みんな自認の性で働きたい、でも、それで応募側が会社を選べる状況にない子も多いはず。だとしたら、性別欄があれば、書くことそのものをあきらめるか、戸籍の性別を書くかどちらかになるだろう。

・自分の子どもは、治療もして見た目は男性だけど、履歴書には女性と書いた。しかし、面接にいった時点でトランスジェンダーだと伝えた。その会社の社長は理解してくれ、性別にとらわれず働けている。それができるのは、見た目が男性になっているからかもしれない。未治療等で見た目が自認の性には見えない場合は、同じようにできないことが多いと思う。かと言って、治療もして見た目が男性の子どもも、性別欄に「女」と書くことに苦痛をおぼえないわけではないと思う。


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1月名古屋ミーティング(いなべ市)報告

2024年01月19日 | Weblog

2024年1月15日(月)名古屋ミーティング シビックコア棟会議室

 

トランスジェンダー当事者 3名

Xジェンダー当事者 1名

同性愛当事者 1名

性別が定まっていない当事者 1名

当事者の親 6名

アライ 2名

産婦人科医 1名       計 15名

 

今回のミーティングは、自己紹介の後、近況報告をしました。

 

・トランス女性の子ども。成人式に参加はしなかったが、夜に友達の集まりに参加し、楽しそうな様子を見て、本当に嬉しく思った。

・高校のときから不登校になり、通信制の高校へ転入。自認の性の治療が始まり、アルバイトをしながら、自分の将来に希望を持てるようになった。親として見守るだけだったが、この報告ができてよかった。

・小学生で、自認の性はまだわからない。スクールカウンセラーと一緒に参加。当事者に会ったりして、孤独にならないようにしていきたい。

・中学生、トランス女性。学校で教員研修も実施しているが、学校の中では男女分けがあり、学校に行きづらい。

・社会人で今回は職場の方と参加。職場に多様性を広く取り入れ、誰もが働きやすい職場の構築のために学びに来た。当事者の生きづらさを目の当たりにした。企業も変わっていかなければならないと感じた。

 

次回2月5日(月)


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