LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

「つなぐ会交流会」を行いました。

2006年08月18日 | ミーティング
パレードの後予定通り、東京オリンピック青少年センターで「つなぐ会交流会」を持つことができました。事前にお申し込みいただいた方々、当日知って来て下さった方々、この会のメンバーの様々なつながりからもたくさんの方々に集まっていただき、いろいろな情報を交換し、そして何よりもお互いの気持ちを交換しあうことができました。参加者の皆様、お疲れの中、ほんとうにありがとうございました。これからもみなさんとつながりを深め、強めながら、この会ができることをひとつずつ行動に移していきたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

総勢50名くらいだったかと思います。発言してくださった方だけでも、北から札幌、秋田、仙台、新潟、東京、神奈川、浜松、愛知、京都、大阪、神戸、松山、香川、長崎と、全国からの参加者で、方言も飛び交い、笑いもありで、和やかな会になりました。当事者の方々をはじめ、親や兄弟、そして理解したい、応援したいという思いで参加してくださった友人の方々もいらっしゃいました。子どものカミングアウト以来、よく眠れないというお母様、数年間悩みぬいたあと、今では子どもと一緒に生き生きと講演活動をしているお母様、組織的に活動している方、個人で堂々と活動している方、当事者の子どもたちを支えてくださっている方等々、みなさんから励まされたこと、勉強になったこと、驚いたこと、感心したこと、そしてしみじみと実感したこと、いっぱいありました。時間さえあれば参加してくださった全員の方から、もっとたくさんのお話をお聞きしたい、みなさんきっとそう感じておられたのではないかと思います。

この交流会のメインテーマはやはり、「カミングアウト」でした。ある会では親にどうやってカミングアウトしたらいいかという質問が一番多い、とか、またカミングアウトした後の親との関係をどうしていったらいいか、とか、一生しないでおこうと思っていたけど少しずつ考えが変わっていった、とか、したことで思いがけない被害にあった、とか、する側にもされる側にも心の準備が必要だ、とか、カミングアウトしたらもうばれていて、母親は平気だった、とか・・。他にもお伝えしたいいろいろなお話がありましたが、みなさんカミングアウトする必要性を少なからず感じているところから、この会に参加してくださったわけです。

「みんながカミングアウトすることが先なのか、みんながカミングアウトできる社会を作ることが先なのか。これは卵が先か、にわとりが先か、という問題と似ていて・・(笑)。やはりその両方を進めていかなければならないと思います。」私たちの強力サポーターである尾辻かな子さんがある講演会で話されていた言葉です。このお話を聞いたとき、なるほどそのとおりだ、と思いました。そしてこの会が「カミングアウトできる社会を作る」ために少しでも役立てばと思っています。パレードという大きなカミングアウトを成し遂げた後、一人一人が自分の生活に戻って、またクローゼットに入らざるを得ないようなそんな社会を一日も早く変えていきたいです。パレードがでかでかと掲載された次の日の新聞の写真を指さして、「私はここにいるよ」「オレはここだよ」なんていう話があちこちの職場や学校で聞かれるようになったら、きっと日本は、少しは住みやすい国になっているのでは、と夢見つつ・・。


「LGBTの家族と友人をつなぐ会」第4回ミーティングを行います。

  日時:9月3日(日)1時半~4時
  場所:大阪府堺市 尾辻かな子事務所
     TEL.072-282-5588

 ☆どなたでも参加できます。参加ご希望の方は、人数把握のため、できれば事前にご連絡いただけるとありがたいです。みんなでいろいろな気持ちを交換しましょう。

  

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東京のパレード、大成功!!

2006年08月16日 | Weblog
待ちに待った東京のパレード、はじめて参加しました。これからの活動の前途多難を思わせるようなものすごい雷雨。でもスタート時点で雨は不思議とやみ、あとは秋のようなすがすがしい涼しさの中、気持ちよく歩くことができました。きっと炎天下になるだろうと、いつもより日焼け止めクリームはたっぷりと、そして化粧は厚塗りで参加しましたが、持参した日傘や扇子、帽子、サングラス、そして腕カバーなどは、どれも荷物になっただけ。やっぱり天は味方してくれたのでした。でも足はちょっと痛かった・・(神戸のパレードよりやっぱり距離が長かったです。さすが東京!)。

開催に至るまでには、たくさんの苦労があったのだろうと思います。でもみんなの力を合わせて、いろいろな問題を乗り越えて、あの日ができた。仲間と一緒になった参加者の顔はどの顔も本当に幸せそうでした。カップルの人たちはみんな思い思いに手をつないだり、肩を組んだりして・・。隊列の中だけでなく、沿道や陸橋の上にもカップルやレインボーフラッグを持った仲間はいっぱいいて、お互い手を振り合ったり、声をかけあったりと・・。外国人もたくさんいました。あのパレードでどれほどの人たちが開放感を味わい、幸せを感じ、自分たちを誇りに思えたことでしょう。このような機会をつくることは、当事者の人たちにとって本当に意義のあることだと感じました。

次は社会にとって。じつはあの日、私は娘二人に応援を頼んで一緒に参加しました。パレードを歩きながら、彼女らが反応したのは「あれってノンケだよね・・」という言葉でした。最初は「??」。次に「なんか反対にこっちが差別されてるみたいな気がする・・」。そして最後に「当事者の人たちもきっと同じ気持ちがするんだろうな」と。お互いを学ぶいい機会になったかもしれません。
そしてタクシーに乗っての会話。
「今日は何があったの?」と運転手さん。
「レズビアンやゲイの人たちがパレードをしたんですよ・・」
「へえー、そう。そういえばさっきゲイみたいな人乗せたよな。東京は変わった人が受けるところだからねえ。普通じゃだめなんだよね、この街は・・」
私たち「??・・」。
娘たちが乗ったタクシーでも同じ質問が・・。
「へえー、ゲイとレズビアンのね・・。ところでお客さんは?」
「家族や友人として応援に来ているんですよ」
「へえー、応援をねえ・・」
「毎年やっているみたいですよ」
「そうだったのー??」
結構知らないんですね、世間の人たちは。この人たちに配る啓発のチラシみたいなものがあったらなあ、本でも持ってくれば渡せたのになあ・・と思いました。でも、沿道を歩いている人で見ていない人はいませんでした。それくらい目を引いていたと思います。「子どもの生き方を応援します」という私たちのプラカードをじっと見ている人もいました。もし何も知らなかった頃の私がこのパレードに遭遇していたら、どう感じただろう、家に帰ってどんな会話をしただろう、そんなことを考えながら歩いていました。あの日はじめて私たちの存在を知った人たち、きっとたくさんいたことでしょう。そこで交わされた会話は? このパレードが大きな啓発になったことは間違いありません。大きな大きなカミングアウト。本当に意義のあることだと思いました。願わくば全国の夕方のテレビニュースで大きく報道され、次の日の新聞にはでかでかと写真が掲載され・・。そんな日が一日も早く来ればいいなと思わずにはいられません。来年こそ!!

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LGBTの家族と友人をつなぐ会交流会のお知らせ

2006年08月08日 | Weblog
先日お知らせしていました「LGBTの家族と友人をつなぐ会交流会」の日時と場所が下記の要領で決まりました。

会が動き始めてまだ数ヶ月ですが、回を重ねるたびにこの会の必要性を感じています。当事者の方たち以上に孤立した親や家族も多く、また戸惑っている友人もたくさんいるようです。でも一緒に会って話し合うことで、新しい世界が少しずつ開けていきます。東京近郊にお住まいの方、また少々遠くても、この機会にお会いしてお互いにいろいろな思いを交換させましょう。
まず私たちが彼らを、そして人間の性というものを正しく理解することから始め、次にどうすれば彼らを応援できるのか、どうすれば様々な人間が生きやすい社会が作れるのか、みんなで考え行動を起こしていく、そんな「つなぐ会」になっていけばと思っています。関西のメンバーも楽しみにして東京に参ります。このブログを読んで下さっている家族の方、またカミングアウトした方は家族や友人を連れて、是非ご参加ください。

当日の参加も受け付けていますが、準備の関係上事前にお知らせいただけるとありがたいです。当日は東京レズビアン&ゲイパレードです。「つなぐ会」としては初めて、垂れ幕を持って彼らと一緒に歩きます。パレードでも胸を張って彼らを一緒に応援しませんか! パレードは午後2時ごろの集合です。パレードの詳細はhttp://www.tlgp.org/ まで。


「LGBTの家族と友人をつなぐ会交流会」

日時:8月12日(土)午後6時半~
場所:国立オリンピック記念青少年センター・センター棟内会議室
(入り口に部屋表示、パレード会場から徒歩15分、
      http://www.nyc.go.jp/の交通案内をご参照ください)

申し込み・問合せ先:family2006@mail.goo.ne.jp
(パレード参加の方も、交流会参加の方もできるだけ事前にお申し込みをお願いします。)


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神戸新聞の記事から

2006年08月05日 | Weblog
第3回のミーティングに来てくださった神戸新聞の記者さんが、7月31日付の朝刊にこの会の記事を載せてくださいました。奇しくもこの日の朝刊のトップ記事は、5月に話題になった兵庫県の小2の性同一性障害の子どもが、県外に住む別の小4の性同一性障害の子どもと,保護者と共に対面していた、というものでした。紙面上でのつながりはなかったものの、『性は個性、多様性知って』という見出しの記事はきっと多くの人の関心を引いたのではないでしょうか。このような報道が全国各地で見られるようになっていくことで、社会の認識が少しずつ変わっていくのだろうなと思います。記者さん、ありがとうございました。これからも、社会が正しい認識をもてるような誠意ある報道をよろしくお願いいたします。

この子どもたちの記事を読んで驚いたことがあります。「同じような子どもがいるとは知らなかったし、そんな子が生きていること自体、感動した」と小2の子どものお母様は話されたそうです。ここまで小さい子ではなかったにしろ、性同一性障害についてはここ数年話題に上っていたし、政治の場でも法案として扱われていたにもかかわらず、いまだに正しい認識がなされていないということです。自分の身に起きなければ人は関心を持たないものなんだなということがよくわかります。私もそうでしたから・・。

二人とも当初は教育委員会に報告も入っていなかった。小4の子の場合は学校内だけで処理されており、名簿上は男子扱い。名前を呼ぶ時はその子だけ「さん」付けで呼んでいる。プライバシーへの配慮もあって外には出にくい問題であり、保護者が情報交換する窓口がないのが実情、と書かれてありました。しかしこれは性同一性障害だけの問題ではなく、性的指向についても同じことが言えます。一日も早く性についての正しい知識を持つことが必要です。教育が取り上げるべきです。その場、その場の問題を行政が解決しているだけでは、いつまでたっても他人の問題であり、いじめやいやがらせは後を絶たず、また自己肯定できずに自殺する場合などもあり、未来ある若者を大切に育てる土壌など日本には存在していないことになります。

小4の子どものお母様から、別れた後「あまり頑張りすぎないで」というメールが入ったそうです。記事は「同じ子を持つ母の言葉は、張り詰めた心に優しく染み渡った」と締めくくられていましたが、これは「つなぐ会」のミーティングがある度に参加者が感じていることでもあります。

統計もなく、孤立している「性」にまつわる問題は、実はかなりの数に上ることでしょう。当事者をはじめ、親、教育関係者、行政、みんなが早くつながって、本当の人間を知る教育を始めたいものです。

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映画祭に行ってきました

2006年08月02日 | Weblog
つなぐ会で知り合ったお母様たちとお友達と4人で、梅田のヘップファイブに関西Queer Film Festival 2006を見に行ってきました。

私たちが見たのは「素顔の私を見つめて」という映画で、ニューヨークに住む中国系アメリカ人のある家族の物語でした。家族にカミングアウトできないでいる外科医の女性ウィル。ある日、女手一つで育ててくれた彼女の母親が、妊娠したことで実家から追い出されてやってくる。そのころ素敵な恋人ができたウィルは、ついに母親にカミングアウトするが受け入れてもらえない。でもその母親もまた本当に愛する相手があまりに年下であるため、誰にも本当のことが言えないでいる。実家の年老いた両親も、相手が誰か話そうとしない娘を許せない。三世代にはそれぞれの考え方、生き方があるが、やがてはお互いを思いやり、受け入れられるようになっていく。ポジティブで、ユーモラスなところもあって、とてもいい映画でした。

最後におじいちゃんが娘や孫の生き方をしぶしぶではありますが受け入れている場面があって、帰りのエレベーターの中で「あれはうまく行きすぎだよね・・」という誰かの声が聞こえましたが、「そんなことない。受け入れるってそんなものじゃないのかな・・」と思わず言いたくなってしまいました。世代を超えて、生き方を超えて、理解の範疇も超えて、最後には「お互いが幸せであればそれが何より」と言える。家族ってそんなものではないかと思います。もちろん家族にもいろいろあっていいのですが・・。家族ならというよりむしろ、思いやりをもった人間同士なら、誰かを傷つけることでない限り、お互いの生き方や幸せを否定することなどできないのではと思います。

この映画にしても「ブロークバック・マウンテン」にしても、同性同士の恋愛などこれまで想像すらしていなかった私にとっては、初めは驚きであり、不思議な感覚がありましたが、目の前に展開されるストーリーを追ううちに、異性愛となんら変わらない喜びや切なさといったものが感じられ、むしろ自分に正直に生きることがどんなにすばらしいことかを教わったような気がします。「クィアな物語が連続テレビドラマになる日を夢見つつ・・」とパンフレットに書かれてありましたが、私も是非!と願ってやみません。誰かそんなドラマ作ってくださ~い。

梅田のヘップファイブといえば、若者が集まる人気のショッピングゾーン。最上階ということもあって、ふらっと立ち寄る通りすがりの人は少なかったかもしれませんが、世界からいい映画を集めて、自分たちで字幕も作り、多様な生き方をアピールする、とてもいい企画だと思います。関西だけでなく全国各地で行われています。もっともっとみんなに知ってもらえたらと思います。来年はひとつ1階で呼び込みでもしようかな・・。(できないのかもしれませんが)


それから以前「一人の人間としてどう生きるか」でご紹介した大藤恵子さんが、セクシュアルマイノリティ関連の最近のアメリカのニュースや、ご覧になった映画についてなど書いてくださっています。見てみたいなと思う映画がたくさんあります。みなさんも
http://www.bates.edu/~kofuji/humanrights/Keikoessays.html にアクセスして是非読んでみてください。

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