LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

東京ミーティング(2017年12月17日)の報告

2017年12月30日 | Weblog

2017/12/17に開催したつなぐ会ミーティングの感想を会員の方から頂きました。

28名の参加者がありましたが、内5才のトランス当事者1名、小学生のトランス当事者2名の参加がありました。
また、小学生の当事者のいる親御さんのみの参加もありました。
回を重ねるごとに当事者の若年化が目に見えるようになってきました。
更にXジェンダーの方々も。
10年来、参加者は、レズビアン、ゲイ、トランスジェンダーにほぼ集約されていましたが、近年の様変わりに、時代の変容、まさしく多様性を感じます。

今回のゲストは、漫画家で、作家、ブログの人気も高い歌川たいじさん。
著作である「母さんが、どんなに僕を嫌いでも」(出版社:エンターブレイン、発売:2013/2)は、号泣物のコミックエッセイ(小説もあります)です。
すさまじい虐待の中で育ち心身に深い傷を負った少年が、悪友や、あったかいばあちゃんや、頼りになる仲間という周りの人たちの、温かい言葉や、何気ない会話から気づきを与えられ、絶望的な心がすくい上げられていきます。
虐待の描写に胸が痛くなって途中読み進めなくなるほどですが、他人との出会いによって、少年の心が動き出し、親との軋轢を乗り越えて大人になっていく姿に心が震えます。

歌川さんの講演では、この本を紹介しながら、逆境力についていろいろとお話していただきました。
やはり人との出会い、繋がりそして自分を大切にすることということでしょうか。
ただ、その中心にいる自分が閉じこもっていては何も始まらない。
それでは他人に出会わない。
ひとりで悶々としていれば、自分の狭い頭の中で貧しい妄想がふくれ拙い判断をし、失敗を重ねていくという悪い循環に陥るもの。
けれども反対に、たとえ自分自身はちっぽけな存在でも、誰かと繋がることで心が和らいだり、世界が違って見えてくる。
その繋がりが広がることで、自分が独りぼっちではないことを知り、ちっぽけな心に勇気が湧き、世界に踏み出せるようになる。
少しずつ踏み出すうちに自分自身も少しずつ強くなり、更に仲間も増え、段々良い循環になっていく。
そうやって逆境を乗り越えていけるのかと思いました。

つなぐ会のミーティングも、そんな場所でありたいと思います。
当事者同士、当事者とアライ、親同士が出会い、各人が窮状を訴えれば共に悩み、嬉しいことの報告には共に喜ぶ。
その繰り返しの中で、うつむきっぱなしの当事者が皆の前でしゃべれるようになり、カミングアウトを受け泣きじゃくっていた親が子どもを受け入れられるようになっていきました。回数を重ねるごとに、うろたえていた姿から前を向く姿に変わっていきます。

東京でのつなぐ会ミーティングがスタートして10年。
久しぶりに来てくれた方から嬉しい報告を聞く機会も増えてきました。
来年は、更にどんな出会いが待っているでしょうか。
多くの方々と繋がっていきたいと思います。



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第16回名古屋ミーティングレポート

2017年12月05日 | Weblog
11月19日㈰イーブルなごや・第2研修室にて行いました。
参加者14名 うち初参加者4名
(当事者の子どもをもつ親が7名・当事者が6名・支援者が1名)

参加者は、レズビアンも子をもつ母親、トランスジェンダーの子をもつ親、レズビアン、ゲイ、トランスジェンダー、バイセクシュアルの当事者と、LGBT支援者でした。中には夫婦参加の方もいらっしゃいました。
いつものように自己紹介から始めましたが、いつも参加される方からは、近況報告が加わるようになりました。
お子さんが念願かなって男子として体育の授業に出られるようになって学校生活を楽しんでいるといった話や、別の親からは、入り直した学校では始めから男子として学校生活を送る中、男友だちもでき、特に仲の良い友人もできて喜んでいる反面、仲良くなればなるほど本当のことを言ったらせっかくできた友達が去って行ってしまうのではないかという不安や恐れから言わないでいる。でも嘘をついているようで辛いと子どもが言う・・という話も出ました。
性同一性しょう害の子どもが唯一頼れるのが母親である自分だが、なかなか受け入れられない。自分との葛藤で苦しい。子どもの自殺願望や暴力、過剰に飲んでいるホルモン剤をやめさせたいがどうすることがいちばんよいのかよくわからない。子どもは早く手術をしたがっているが自分の気持ちがそれに追いついていっていない、と話してくれた母親もいました。
また、初参加の方からは、自分が親にカミングアウトしたら拒絶され、パートナーも受け入れてくれない。親とずっとうまくいっておらず、カミングアウトされた親はどんな気持ちになるものなのか知りたくてミーティングに参加してみた。家が田舎で自分がLGBTだと知られたらどんな目で見られるのか、そういう不安もある、という話も出ました。
休憩時間にはそれぞれ話したいもの同士が自然と集まっておしゃべりをする姿が見受けられ、さらに詳しい話をしたり情報交換する時間になっていると感じました。
ミーティング後半には、初参加者の方から、「こういう親たちいることがわかって来てよかった」という言葉も聞くことができました。
LGBT支援者として参加した方は、自分が仕事柄、最近LGBTの方たちと接する機会が増えて、自分の勉強のためもあるし、少しでもお役にたてたらという思いから来ている。この会に来るといろんな方のお話が聞けて勉強になる。これをまた仕事にも活かしたい、と言われました。
毎回主催する側も、傾聴や、言葉に表現する難しさに直面し反省することばかりです。
でも、「来てよかった」という言葉や参加者さんに励まされています。
何気ない言葉に傷つく人がいること、謙虚に耳を傾ける姿勢を失わない事を忘れずに、
このミーティングの場を大切にしていきたいと思います。
榊原

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