LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

第53回神戸ミーティングを行いました。

2012年12月24日 | ミーティング
12月9日(日)第53回神戸ミーティングを行いました。今回は参加者は15名、初参加は3名でした。少人数でしたので久しぶりにみなさんとゆっくりとお話することができた3時間でしたが、その余裕もあってか、これまでに何度か参加してくださっている方からも初めて伺うお話がありました。

あるGIDの方のお話です。中学生の時に先生にカムアウトしたもののその当時の先生には何も分かるはずもなく無視され続け、10代はバイクと共に過ごす日々を送り、その後は結婚もしたが数年で離婚。それからは昼は男性として、アフター5は女性として過ごしてきたが、神戸の震災を機に「心の性」で死にたいと思うようになった。2年前に手術を受け、昨年戸籍も変えた。同居する80代の親は自分のことを果たして娘と認めているのかはわからない。会社内には理解があり継続して働いているが、やはり社外はわからないので外回りの仕事は減っている、とのことでした。こうして数行にまとめても、彼女の人生がどれほど壮絶なものであったか・・・今では女性としてのおしゃれを楽しんでおられるご様子で、いつも明るくお話ししてくださるのですが、今回のお話を伺って、ここに至るまでのご苦労をほんのわずかですが垣間見せていただいた次第でした。

また昨年まで教師をされていたある友人の方のお話です。学校でいつの頃からか不登校の生徒が増えていった。教師には何の知識もなく、家に問題があるのか、それとも友人関係なのか・・・と考えていた。担任でもなければ下手に関わって返って複雑になってもいけないので、さわらない方がいいだろう・・・という教師だった。その後、尾辻かな子さんの『カミングアウト』を読む機会を得た。「自分らしく生きたい」という強いメッセージが出ていた。「正しく知っていくことが必要ですね!」と話してくださいました。

ある初参加の方はゆっくりと言葉を選びながら今の辛い状況をお話してくださり、すでに辛い状況を乗り越えた当事者の方からアドバイスがありました。またあるGIDの方からは身体を望む性に変えたいと思っているが、それを親はどのような気持ちで受けとめているのか知りたいという質問もあり、GIDのお子さんを持つ親からのアドバイスがありました。

「人間」について、「性」についてまだまだわかっていないことはたくさんあるし、人はそれぞれ違って当然なのだから、あえてカミングアウトしたり、また危険を冒してまで体を変えなくてもいいのではないか・・・という親御さんの気持ちを伺うことがよくあります。確かに子どもに元気でいてもらいたい、幸せでいてもらいたい、という気持ちは親には共通しています。でもわが子と言えど、心も体も別の存在。その子にとってどんな状態が元気で、何を幸せと感じるのか・・・その視点を忘れてはいけないということ。子どものカミングアウトから早や6年が過ぎ、さまざまな人との出会いを通して学んだことです。

今年もミーティングやさまざまな活動を通じて、多くの人との出会いがありました。政治においても、教育界でも、行政でも、世界、日本、そして各地域で、少しずつではあっても何らかの変化がありました。一度に大きくは変わらずとも、少しずつを積み重ねて、多様な人間が生きやすい社会へといつか大きく変えていきたいものですね。
来年も「つなぐ会」へのご支援をよろしくお願いいたします!!



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”ひょうご人権ネットワーク会議”の41番目の団体になりました!

2012年12月24日 | Weblog
兵庫県人権推進課から「”ひょうご人権ネットワーク会議”の41番目の団体として参加しませんか?」とのお誘いが11月末にありました。早速県庁に行き、理事との話し合いを経て、入会させていただきました。

県内の40の人権団体が問題意識を共有し、相互に連携、協働して県内における人権啓発活動、人権救済活動などを実施することが目的のネットワークということで、平成15年7月に発足したとのことでした。

昨年、つなぐ会の提言活動として神戸市議会や県議会議員へのアンケート調査を実施。今年の県議会では議員によるLGBTの実情と県の対応に関しての一般質問があり、ようやく県としてLGBT問題を人権問題として捉えてくださったのだと思います。

12月3日には県公館での全体会に参加して、会の立ち上げからこれまでの歩み、当事者や親の悩みや思い、現状を、副知事出席の中で伝えてきました。会議終了後、県人権教育協議会の事務局長が来られて、LGBTについて知りたい、人権教育として取り組んできたいとの提案をいただき、確かな手応えを感じることができました。みなさんと一緒に一歩一歩歩んでいきたいとの思いを、また新たにした一日でした。

尾辻 孝子

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