LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

第71回神戸ミーティングを行いました!

2015年02月28日 | Weblog
1月25日、第71回神戸ミーティングを行いました。
今回は「親だけの会」の2回目。11名の親,しかも全員が母親ということで、各地から集まってくださいました。
「LGBT」にはそれぞれの当事者の会があります。つなぐ会は通常は親も当事者も友人も集える場としてミーティングを設定しているのですが、今回は「親」という当事者の会となりました。
東京でも「親だけの会」は行っていますが、心配な気持ちを抱えながら次回を待てない!とうことで遠く関東地方からのご参加もありました。

カミングアウトしてくれないけれど、当事者だということがわかった。どうすれば・・・
MTFの子どもを、かつていじめていた同級生たちの集まる成人式に行かせればよかったのだろうか・・・
12歳年上のバイセクシュアルの彼氏ができたらしいけれど、心配・・・
自分以外の家族にはカミングアウトしようとしない子ども。どうすれば・・・
積極的に動けない子ども。私の育て方が悪かったから・・・
などなど、これまでの経緯や悩みを赤裸々にカミングアウト(笑)し合いました。
極上の解決策など見つからなくても、お互いの体験に耳を傾けているだけで、なぜかもう少し頑張ってみようと思えるようになるのは仲間の力なのでしょう。また来年もやりましょうね!とお別れしました。
その後、初参加のお母さまも、参加者の何気ない一言から自分を反省できたとメールを下さいました。

毎年1月、神戸のつなぐ会は「親だけの会」からスタート!が定着しそうです。

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第2回名古屋ミーティングを行いました。

2015年02月13日 | Weblog
2月8日、名古屋で2回目のミーティングを行いました。今回初めて参加して下さった方が3名、以前からツなぐ会に関わっていただいている方が1名、神戸から4名と、計8名のこじんまりとした会になりました。

初めての方はそれぞれ、支援者の立場として参加していただいた助産師の方(看護学を教えておられる先生でもあります)。レズビアン当事者である看護学生の方。自分はGIDだとおっしゃる息子さんが性別適合手術を考えておられることについて、いろいろ悩みを持たれているお母さんでした。

お二人は偶然、看護に関わっておられる方でしたので、性の多様性を人間の命とか誕生とか何か根本的なこととつなげ合わせて考えられることもあるようで、大変興味深くお聞きしました。また親へのカミングアウトについてどうしようかという悩みに対しては、親の立場から親の気持ちを話してみたり、当事者の方からは自分の経験に沿ったアドバイスがあったりで少しでも参考になればいいなと思いました。

GIDとおっしゃる息子さんのお母さんは、息子さんが成人してもまだ働いておられない事や、手術についても焦って勝手にしようとすることについて大変心配しておられました。
参加者からは専門医や手術について具体的な情報提供もあったのですが、なかなかGIDだけの問題ではないようで、とにかくお話をお聞きするということしかできなかったように思います。

 また、親としての責任は子どもに自立していく力をつけてやることだと気づかれ、それから子どもさんへの関わりが変わっていったとおっしゃるお母さんのお話は、親の役割とは何かについて考えていく上で大変参考になるお話でした。

 このように、参加人数は少なかったのですがその分中味の濃いミーティングになったのでないかと思います。しかしもう少し大勢の方に参加してもらえればもっといろんな意見やお話も聞けると思いますので、今後は名古屋たくさん参加していただきたいと思います。


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第15回福岡ミーティング行いました。

2015年02月13日 | ミーティング
第15回福岡ミーティング報告 
1月18日、福岡ミーティングを開催しました。

午前中は、行政書士で、レインボーサポートネット代表の中橋優さんから『知っておきたい!LGBTのこと』~相談事例からわかる、LGBT当事者の苦悩と制度的問題~というテーマで講演をしていただきました。知っておきたい内容がたくさんあったので、少し紹介します。

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国際的な動向としては、同性婚制度やパートナーシップ制度の増加がみられますが、国内では、制度化までには多くのハードルがあります。しかし、LGBTの認知度が広がり、カミングアウトをする当事者やセクシャリティにこだわらない若者も増えています。その中で、LGBTとして自分らしい生き方を模索する人たちも増え、多くの様々な相談が寄せられるようになってきたそうです。
1. 同性婚、同性パートナーシップ制度について
『男女の結婚』と同様の法的関係を築きたいカップルの増加がみられる。
○戸籍上のつながりのためには・・・養子縁組制度
 戸籍上のつながりとして「養子縁組制度」の転用があります。しかし法律上は親子関係になるので、双方の親・兄弟にも関係がおよぶこと、また将来同性婚が可能になった場合に養子縁組を解消して結婚することはできないなどのリスクがあります。また、遺産相続で、多くの困難な問題が生じてくることもあるので、この制度を利用するのは慎重にということでした。
○相続権の創設のために・・・遺言書の作成
 自筆での遺言書は、死後、様々な問題が発生することもあるので、公正証書遺言を作ることがおすすめだそうです。公正証書遺言は、公正役場で比較的簡単に作ることができます。現在入っている「同性パートナーを受取人にできない生命保険」の受取人変更も遺言書でできます。
○療養看護の管理のために・・・任意後見契約(移行型)
 どちらかが入院したり治療方針を決めたりするときに、家族以外は関わることができないということが多々あります。そんなときのために、元気なうちに『任意後見契約(制度)』によって、後見人を指名することができます。これも、公正役場で公正証書を作る必要があります。最近、この制度を利用する人が増えているそうです。
2. 子どもについて
○実子がほしいと願うLGBT当事者の増加
 生殖医療の進歩により、国内だけではなく海外へ渡航する例も増えています。しかし、戸籍上の父親、母親は誰なのかという問題があり、当事者の思いが十分反映される結果にはならないことも多いそうです。
○特別養子縁組、里親制度
 LGBTの家庭で育てていく環境が、子どもにとって幸せと感じるものになっているのかと問われますが、これは、社会全体に問われている大きな課題でもあります。個人のポリシーがどうかという「家族観」の問題ではなく、『選択肢』そのものが今の日本にはないことが問題ではないでしょうか。憲法13条「幸福追求権」。自分の幸せを追求できない環境が問題です。「うちの家族はパパ(ママ)ふたりだよ。」といろいろな家族があって当たり前という社会を作っていかなければなりません。私たちひとりひとりの課題でもあります。
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日々対応しておられるご相談の事例をうかがいながら、社会の意識がもっともっと前進していかなければと強く思いました。
Webマガジン:Junk Stageの中の レインボーノートのサイトで相談の具体例やセクシャルマイノリティの制度的問題などについて、中橋先生の書かれた記事を読むことができます。そちらもご覧になってください。
また、レインボーサポートネット(http://rainbow-support.net/)でも相談を受け付けておられます。 

午後からのミーティングには、初めて参加された方も多く、様々な悩み、意見が出されました。
 
お子さんからGIDだとカミングアウトされたお母さんは、親戚や世間から否定されたり拒否されたりする可能性があると分かっていても、事実を公言しようと子どもさんと一緒に決意したと語ってくださいました。今まで気づいてあげられなかった、何もしてあげられなかったから、少しでも力になってやりたいという親としての思いが伝わってきました。拒否する人ばかりではなく、支援に回ってくれる人もいると信じて、親子で一緒に一歩踏み出す決意で今回のミーティングにも参加されたそうです。
 わが子がセクシュアリティのことで悩んでいるのではと思いながらも、話してくれないし確かめることもできず、心配でたまらないと、心の内を語ってくれたお母さん。「親をうっとうしいと思う時期もある。でも、何があってもあなたの味方という思いを強く持つことが大事。必ず伝わりますよ。」「この会は色んな悩みを出す場でもあるんですよ。一人で悩まないで、みんなで考えていきましょう。」そんな参加者からの声に少しホッとされたようでした。
 一方で、「世間の目が気になるので、地元ではカミングアウトしないで」「控えめに活動して」などと言われているという方もいました。社会は変わりつつあるが、まだまだ課題も山積みしています。
 ある当事者の方からは、自分のセクシャリティへの概念や知識がなかったことが人生を狂わせ、苦しみを生む原因になった。もし知っていたら、もっと違う人生を歩けたのではと話されていました。
自分が何者なのか分からず悩んでいる。自分らしく生きていくにはどうしたらいいのか。そんなぎりぎりの悩みを抱えながら参加された方もいらっしゃいました。
今日のミーティングに参加したこと自体が次につながる希望だとおっしゃったお母さんの言葉は、参加者みんなの思いだったと思います。
 

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