LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

講演会のご報告です!

2008年09月21日 | Weblog
9月13日(土)青少年育成協議会藤原台支部主催の講演会「一人ひとりの生き方を大切に」は約70名の参加者でした。ローカルな講演会ではありましたが、神戸の仲間が来てくださっていましたし、ブログを読まれてでしょうか・・、結構遠方からのご参加もありました。主催が青少協であり、子どもを取り巻く人たち・教育関係者に的をしぼって呼びかけてくださったため、参加者の多くが近隣の学校長や先生方、育成委員、自治会役員、PTA役員などの方々でした。回収されたアンケート、読ませていただきました。回答者47人中29人が「知らなかった、間違った知識を持っていた」とのこと。「知っていた」と書いた人たちも「改めて意識し、考える機会になった」「身近に感じたことはなかったけれど、特別なことではないんだと改めて気付いた」「これから家族の中でも話し合いたいと思う」など、大きな啓発の機会になったと思いました。今後、参加者の周りにいる人たちへ、そして子どもたちへと、正しい理解の輪が広がっていくことを願ってやみません。

講演会で印象深かったことをいくつかご紹介したいと思います。
・ まず尾辻かな子さんが講演の冒頭で、「LGBTの人たち、一体日本にどれくらい存在していると思いますか?」と参加者にマイクを向けられると、「0,01%?」「あぁ・・・とすると1万に一人ですね」、もう一人の人は「0,1%くらいですか?」「うーん・・つまり1千人に一人ですね」さすがの尾辻さんも苦笑しておられましたが、世の中の認識ってこのくらいなのですね。どこかの知らない人の話・・という認識。それがどんな人のまわりにも存在する身近な話だと理解していただくことができました。

・ 講演終了後に青少協の支部長さんがおっしゃいました。「今日は自分が長い教員生活の中で、何も考えずに差別発言していたことに気付かされました。大いに反省しました」「教師や親はいつも子どもに対して指導的な立場をとるわけですが、先ほどのお父さま(つなぐ会のお父さまです)のお話にもあったように、理解する、応援する、そういう姿勢が大切なんだと思いました」「今日はたくさんのことを学び、気付かされ、そして考えました。いつも子どもたちに教えているように、次は行動を起こすことですね。小さなことでいいので、まず参加者一人ひとりができることからしていきましょう」すばらしいご挨拶に感動しました。

・アンケートの中から・・
参加者が教育関係者ということで平均年齢は高く、回答者47名中35名が40歳以上、内50歳代10名、60歳代2名。つまり親世代ですね。ある60歳台の方は「聞いてみなければわからんもんやねえ。知らんことばかりでした。最後の3つのお願いを心がけましょう」と書いてくださっています。3つのお願いとは尾辻さんが最後に話された次の3つです。うれしいですね。

1、 人口の数%は性的マイノリティ。学校、家庭、職場で、あなたとともに生きている。会う人がもしかしたら性的マイノリティかもしれないという思いを持って対応してください。

2、 マイノリティの問題は私たちの社会の問題。差別を受けている当事者だけの問題ではない。自分とは関係ないと思わずに、是非この問題に興味を持ち続け、偏見や差別の解消に力を貸してください。

3、 この問題について、周囲の人と話をしてみてください。偏見や差別はよくわからないものへと向けられます。あなたの周りから正しい知識を広げてください。


詳しいアンケートの結果はまた改めてご報告したいと思いますが、日本という大きな社会の片隅の一地域ではありますが、とてもとても大切なことを伝えられた本当にうれしい一日でした。参加者の皆さま、そして開催に至るまで、準備に、結集にと奔走してくださった青少協の皆さま、ほんとうにありがとうございました!!



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第20回ミーティング行いました。

2008年09月17日 | ミーティング
第20回ミーティングを行ないました。当事者の方1名、親7名、友人1名、そして東京からNHKのディレクターさんが勉強のためにと参加してくださり、合計10名の参加者でした。皆さんはご存知でしょうか?11月にETVワイドというNHK教育テレビの2時間番組で「LGBT特集」を企画しているそうです。「ハートをつなごう」の「ゲイ・レズビアン第2弾」も楽しみですが、こんどは2時間!!とのこと。制作のためにまずは真摯に学ぼうとされるディレクターさんには頭が下がります。うーん、時代の風が吹いてきたのかな・・??!!とうれしい限りです。

自己紹介の中から・・
当事者の方は自分自身にカミングアウトして以来のライフヒストリーをお話してくださいました。芸術を学んだあと、再び心理学を学び、大学院にも行き、心癒されるものを求めてカウンセラーをしてきたけれど、それでも満たされず、自己啓発セミナーで2年半自分探しをしてきた。けれどそれが現実逃避であったことに気付き、今は現実そのものであるホーム・ヘルパーの資格を目指している。まだカミングアウトはできていないけれど、介護は今後親にできる唯一の親孝行ではないかとも思っている、と。どこまでも親を思うお気持ちに涙が出ました。

参加は2度目というご夫婦。お母さまはカミングアウトされて1年間、忘れて暮らそうと何度も思った。つなぐ会に参加するまでは、なんでカンミングアウトなんかするんだろう、こんなこと言わなければいいのに・・と思っていた。けれど前回のつなぐ会で、あるレズビアンの娘さんのお話を聞いて息子の苦しみがわかった。カミングアウトする必要性がわかった、と。お父さまは「たまにはデパートに行こう」とお母さまから誘われて出てきたけれど、途中でだまされたことに気付いた(笑)。でも自分もいやいや来たのではなく、やはり息子の将来のためにどうしてやればいいのか、凝り固まった自分の考えを和らげるにはどうすればいいのか、その答えをつなぐ会で見つけられればと思って参加した。カミングアウトされてそれはびっくりしたけれど、今は自分たち親がいなくなったときに子どもがどんな人生を送るのかが心配だ、と。

また今はすでに乗り越えて応援しているお父さまからは、一生懸命偏見と闘っている子どもを、誰よりも父親が応援してやることが社会を変えていく一番の近道だと思っている、というお話がありました。確信に満ちた力強いお言葉でした。

NHKのディレクターさんに終了後感想をお聞きすると、「言葉にはできない・・親と子がこれほど思い合っているのにそれがかみ合わないのはなぜだろう。その思いが少しでも番組で出せればと思っています・・」と感慨深げに答えてくださいました。東京の会にも参加してくださるそうです。親が子を思い、子が親を思う、そんな正直な気持ちがひしひしと感じられる場所なんて、今はないのかもしれませんね。人数が少なくても、やっぱり今回も心を動かされるミーティングでした。

後半みんなで見た映画「ヴォイス・オブ・ヘドウィグ」。皆さんはご覧になったでしょうか?アメリカの ハーベイ・ミルク高校に通う様々なセクシュアリティの子どもたちと、彼らを支援するために立ち上げられたCD制作のプロジェクトのドキュメンタリー。それまで自分を正直に表現することさえ許されなかった子どもたちは、この学校に来て初めて安らぎを得られたと語っていました。このような高校を支える団体があり、それを支援する為にプロジェクトを立ち上げる人たち、そして有名な歌手たちがそこに喜んで参加する。このような社会がアメリカにはあるのですね。ここが公立高校に認められた日、応援する人たちの群れと、それに反対する人たちの群れが道の両側に続き、マスコミがそれを映す中、子どもたちは誇らしげに手を振ってうれしそうに学校の中へと消えていきました。




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13日(土)講演会です!

2008年09月10日 | Weblog
前回ご紹介いたしました、青少年育成協議会主催の講演会は9月13日(土)、下記の会場で行われます。ホームページにも掲載しました。非常にローカルな神戸市郊外の住宅街での開催ですが、近隣の教育関係者も参加されます。どれくらいの方が来てくださるのか、主催者側も初めての試みなのでドキドキ・・・だとおっしゃっていました(笑)。もしブログを読んでくださっている方の中に、「近い!」「参加しやすい!」という方がいらっしゃいましたら、どうぞご参加ください。「つなぐ会」のお父さまもお話してくださいます!!


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第1回 青少年育成協議会藤原台支部講演会
   「一人ひとりの生き方を大切に」

日時:9月13日(土)午前10時~12時

講師:尾辻 かな子氏

会場:藤原台地域福祉センター

住所:神戸市北区藤原台中町7-14(神戸電鉄岡場駅下車徒歩20分)

TEL.:078-987-0124






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