LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

東京ミーティング(2月24日)のご報告

2013年02月26日 | Weblog
今年最高の寒気団が居座る寒い東京で、今年1回目のつなぐ会を開催しました。
初参加の方8名を迎え、19名での開催でした。
今回は小学生向けのDVD「いろんな性別~LGBTに聞いてみよう~」を観て、意見交換をしました。
観るたびにピュアな気持ちにさせてくれます。
また、参加者の方から感想を頂きました。

次回4月は、東京レインボープライドパレードに参加です。
渋谷を楽しく闊歩しましょう。


どんなに違う環境の方々がその場に居合わせても、最後は共感と暖かい空気をいつも感じさせてくれるのが、私にとってのつなぐ会であり、家族よりも『家族』を感じるところです。

今日、DVDの中で、小学生が、セクシャリティのみの質問ばかりではなく、
『好きな楽器は?』などの、その人自身への質問している点が、私には新鮮に思えました。どんなことでも聞いていいよと聞かれたら、理解しているはずの当事者同士でさえ、詮索にとられてしまう質問をしがちなコミュニティや社会が多いと思っていました。そんな中で、本来の相手自身を感じとる気持ちの大切さを、小学生の質問から、思い出させてくれたようでした。

思いこまず、聞くこと。

思いやりや自他共に尊重する基本だなぁと、その後の話し合いもふまえて思いました。
わからないから間違って当然だし、親御さんの『待つ』ことができる愛情を学びたいと改めて感じました。
つい『ゴール』を目指してしまいがちですが、その『ゴール』は果たして誰が決めたゴールなんでしょうか?
変化していく連続かもしれないから
もしかしたら、設定できなくていいのかもしれませんね!
そう考えると、少し気持ちが楽になる気がします。
当事者より


今回のつなぐ会のテーマは「寄り添う」と言うことだったと思います。そして、小学生向けに作られた性にまつわるDVD鑑賞。
どちらも本当に大切な事だったなと感じました。
DVDは大人?が見ていても、うーんと考えさせられ、子供の素直で柔軟な受け止め方が印象的でした。だから、こんな風に一緒に考えてみようよって楽しく働きかけるのって見落としがちになりますが、素敵なことなんだなぁとしみじみ。内容にまだ補足したいことがあるように思う方もいらっしゃるとは思いますが、1,2,3・・・と続けていけばいつの間にか多くの人に色んな生き方があっていいんだと感じていただけるんじゃないでしょうか。
そして、これは、偏見の無い目を持つことは求めるだけではなくて、常に自分自身の身近にいくらでもあるんだって(性の事だけではなくて)大変勉強になりました。兎に角、子供ってスゴイって大人になりきれてない僕が思うのでした。
これは、僕自身も今回参加して発言した事と重複するのですが、「寄り添う」がテーマだったわけですが、まだまだ寄り添っていただいてる僕なりの意見であります。
つらい事、口に出す事も出来ない苦しい状況から抜け出すのって一人では困難な時もあると思います。そんな時に、そっと手を差し伸べてくれる人がいたらどんなに救われるだろう。そして、そんな風に思えないほど追い詰められ自分の中に溜め込んで心に蓋をしてしまう時もあるんですよね。きっとどんなに強く見える人だったとしても。
僕は周りにいる人たちに何時も支えられ最近になってこのつなぐ会でも自分の居場所ができました。初めは、兄と訪れ怖くて俯いてないてる事しかできませんでした。隣には主催者の方に「寄り添って」いただき、肩を抱きしめられどんなに安堵した事か。
「みんなこうして最初はスタートしたんだよ。」って声をかけられ兄から離れ次は一人で行こうって前進したんです。
僕は、精神障害もあります。今年2月から男性として障害者雇用で(FTMなのです)働き始めました。
そこに至る過程もいろんな方の協力やもちろん、自分自身の頑張りも大きかったのかもしれないですけど、人は人とつながって何か楽しい事苦しい事うれしい事悲しい事を共有して、色んな形となって現れるんじゃないのではないでしょうか。
正しく、つなぐ会にはそんな心に錘がついてる人が色んな立場で人と接していつの間にか笑顔になれちゃうじゃないかなぁ。
「寄り添う」とは結果リレーバトンの様につながり、その波紋はどんどん目には見えない大きな力に変わり、いつしか、自分が誰かの「寄り添う」になれるんですよ!
ちっぽけな僕もどっかで誰かを励ましていて心で感じて、その心は不思議と優しい気持ちにさせてくれるんです。
怖い事、恐れる事は恥ずかしい事じゃなくって、自分だけで抱え込まないで誰かに打ち明けたり、泣くのもいいんです。
涙は色んなものを洗い流してくれるのです。最後は笑顔で締めくくれれば十分じゃありませんか??
僕はそう思います。幸せなのは分かち合える仲間、愛する人がいる事。孤独でどうしようもなく思える時も目を閉じて心と向き合ってみてください。きっと希望の光は直ぐそこなんです。
今、どうしようもなく感じていても、なら一歩前に!
春までもう少し。きっと、僕はこの気持ちを忘れずに、怖くてたまらなかったあの日々が無駄なんかじゃなくて今につながってるんだ。
今日と言う日を大切にして、明日を迎えたいんです。
つなぐ会IN東京、なかなか素敵やん(笑)そんな場所です。一緒に考えましょう。色んなテーマを。
岩本 陽(FTM当事者)


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『異性愛配偶者の貴方へ:連れ合いはLGBT』アップのお知らせ

2013年02月20日 | Weblog
今日は、つなぐ会のHPにアップしました『異性愛配偶者の貴方へ:連れ合いはLGBT』をご紹介します。「LGBTを学ぶ」の「参考資料」のページを開けていただくと、最後の部分に「翻訳文書」がありますが、その3つ目に新しくアップしました。

これは2001年に米国のPFLAG(LGBTの家族や友人による支援の会)が発行した”Opening the Straight Spouse’s Closet”を翻訳したものです。

「連れ合いがLGBTの異性愛配偶者」、言い換えれば「LGBTの配偶者を持つ異性愛者」という立場の方々の体験談は日本ではまだ耳にすることも少ないのですが、マイノリティの中の隠れたマイノリティとして存在していることは確かです。

うれしいことに先日のNHK番組『あさイチ』で「性同一性障害」が取り上げられていましたが、その中でご主人からMTFであることをカミングアウトされて戸惑う奥さまがインタビューに答えておられました。じつは会のミーティングにも、同じ立場となって離婚し、子どもにどう伝えるべきか迷っている、離婚はしたが元夫を理解したい・・・という方が参加されたことがありました。メールでも、LGBTの恋人を持つ異性愛者の方からのご相談を数件いただいたことがありました。

当事者の立場に立てば、社会や家族から理解が得られないことや、自分自身も知識がないことで結婚すればなんとかなるのではないかと思い込んだことにより、誤った選択をしてしまった・・・と言えるのですが、反対の立場に立てば、自分は騙されたのか、愛情はなかったのか、自分に魅力がなかったからなのかと、恨みと共に自信を失ってしまうことにもつながりかねない・・・簡単に割り切ることなどできない問題ですね。また子どもがいる場合、どのように伝えればよいのか、伝えられた子どももまたどのように理解すればよいのかなど、じつに様々な立場の人間が関わってくる複雑な問題です。ご相談いただいた時には、どのように答えればいいのか、正直わからなくなったものでした。正解などないと言えるのかもしれません。

そんな中でPFLAG Madison(マディソン)会員の吉永世子さんにこの資料の存在を教えていただきました。この資料の中では、米国ではありますが、さまざまなケース、さまざまな体験が語られています。この多くの体験が日本国内の同じ立場の方々の参考になればと考え、翻訳をお願いしました。この膨大な量の翻訳を引き受けてくださった吉永さんに心から感謝しています。

日本ではLGBT当事者への理解や支援もまだまだという中で、このような隠れたマイノリティの方々への支援は皆無ではないかと思います。資料冒頭の体験は1982年米国PFLAGの第一回年次総会の席上で語られたものであり、その後多くの方々に寄り添い、その声を聞き続けて、PFLAGがこの資料を発行したのは2001年。すばらしい団体ですね!日本は30年前の米国にもまだ及んでいないのかもしれません。

恨みや怒りや悲しみを超えて、お互いが次の新しい幸せに向かうために、この資料が少しでも役にたてばと思います。また同じ立場ではなくとも、この資料から多様な人生を知り多様な幸せの形を知ることができます。どうぞお読みください。




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第54回神戸ミーティングを行いました。

2013年02月20日 | ミーティング
2月10日(日)、第54回神戸ミーティングを行いました。1月はなかったので2013年初のミーティングとなりました。参加者は19名、うち初参加者は7名。当事者の方5名、そして2名の親御さんと新しい出会いを作ることができました。

思い通りに生きられないことへの絶望感が強く、自殺願望もあるというGIDのお子さんを励ましながら参加してくださったあるお母さま。すでにそんな時期を乗り越えてこられた当事者の方や、また同じように荒れ果てていた我が子とともにそんな時期を乗り越えてこられた何人かのお母さまの体験を聞いておられました。出口の見えない真っ暗なトンネルの中にいるときには誰でも本当に心細く、出口なんかないのだ!と思い込んでしまいがちです。でも体験者が語ってくださった「いつかきっとトンネルを抜けられる時が来るから・・・」という言葉には、私も心から励まされました。どうか不安に負けないで、出口の明かりが見えるまで、わずかずつでも歩みを進めてほしいと願ってやみません。

またあるお母さまはお子さん以外に当事者の方に会うのは初めてということで、みなさんの簡単な自己紹介を聞いた後、とにかく様々な人生を歩む人たちがいることに仰天している!とおっしゃっていました。つなぐ会のミーティングを始めたころの数年前の自分を思い出します(笑)。今でも毎回のミーティングで語られる参加者の人生は「ほんとうに虹色だな~」と実感していますが、初参加のこのお母さまの驚きが、いつかきっと納得に変わり、深い理解と力強い支援へとつながっていくことでしょう。

また当事者の方の中にも「このミーティングがLGBTとしてのデビューです!」という方もおられました。これまでにもみんなで「デビューおめでとうございます!」と拍手を送ることがありましたが、このミーティングが様々な人との出会いを作り、自分らしい生き方をスタートさせるきっかけとなればうれしいです。

今年も一年、多様なセクシュアリティ、多様な立場のみなさんと一緒に、多様な人生をミーティングで語り合っていきたいと思います。どうぞ、遠慮なさらず(笑)どんどんご参加ください!お待ちしています!!


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