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LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

第51回神戸ミーティングを行いました。

2012年09月30日 | ミーティング
9月9日(日)第51回神戸ミーティングを行いました。参加者は19名、初めての方は6名でした。

ある方のお話はやはり親へのカミングアウトについて。学生の間ずっと一人暮らしだったので親にカミングアウトしていなくても困ることはなかったが、久しぶりに同居してみると、カミングアウトしないと結婚の話が次々と・・・ということでした。やはり結婚、結婚と急かされたとき、初めて親へのカミングアウトが課題になる・・・というお話はこれまでにもミーティングで出されたことが何度かありました。

「うちの親はもう年だから理解など無理。カミングアウトするつもりはない」「知らせて苦しませるより、知らせないままの今の関係を続けられれば一番いい・・・」「理解させようではなく、ありのままの自分を知ってもらい、自分はこれで幸せなのだと伝えたい。それが目的」などなど、さまざまな思いが語られました。「カミングアウトされなければよかった!と思うときはありませんでしたか?」という質問も出ましたが、この日参加の親3名からは「ノ―!」でした(笑)

また別の方からは、「結婚して子どもも一人いるが離婚した。結婚したら何とかなるかと思ったけれどならなかった。これからは自分らしく生きたいと思う。子どもにはこれからカミングアウトしたい・・・だからもし子どもからカミングアウトされたらそれはもちろんOK!(笑)だけど、18歳になれば子どもも一人の独立した人間として向き合っていきたいし、子どもが何をしたいと言っても自由だと思っているから・・・」

ある大学生さんは「自分は体をすべて男性に変えることはまだ考えていないが、胸は手術したい・・・それを親に言うと体に傷をつけてほしくないと言われたので内緒でしようかと考えている・・・」と。すると先ほどの方からは「胸を手術するなんてことはやっぱり言ってほしい・・・」とやはり親の気持ちが吐露されました。

当事者の思い、親の思い、当事者でもあるけれど親でもある人の思い、また当事者でもその親でもないけれど子育てをしてきた親の思い。どれが正解か・・・それは問題ではなく、こうしてお互いの立場に思いを馳せることが大切なのかと思いました。

立場や状況が異なる中でやはり結論を出せるのは自分自身でしかありません。でもどんな結論を出したとしても、つなぐ会にはそれを理解し、応援する人たちがいます。胸に抱えるいろいろな思いを、どうぞつなぐ会に語りに来てくださいね!




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政界からのアプローチ!

2012年09月19日 | Weblog
☆先日のミーティングでもみなさんにご報告したのですが、最近政界からのアプローチが続いています。昨年行った県会及び市会議員へのアンケートもきっかけのひとつとなったようで、あの時は多くの方から励ましのメッセージもいただきとてもうれしかったのですが、こんなにも早くいろいろな動きが出てくるとは思っていませんでした。

まず8月には、兵庫県会の共産党議員団から懇談したいとのご連絡をいただき、会の結成から現在に至るまでの推移と共に、LGBTの現状について2時間ほどお話させていただきました。これからも学んでいきながら協力していきたいとおっしゃってくださいました。

また西宮の長谷川久美子市会議員(むの会)からは、9月7日の市議会で質問に取り上げたいとご連絡をいただきました。長谷川さんとはつなぐ会が立ちあがった2006年の10月、初めて行なった講演会を機に出会うことができ、その後西宮での講演会にゲストとして呼んでいただいたことがありました。数年後彼女は西宮市議会議員となられ、いつかはこのテーマを取り上げたいと思っていてくださったそうです。ほんとうにうれしいことでした。全発言の議事録は、2~3か月後に、西宮市議会のHPに上がるそうです。最後に長谷川さんの質問の冒頭の原稿を掲載させていただいています。つなぐ会にも触れてくださり、多くのことを学び、調べられてのご質問は、読ませていただいてとても勉強になりました。

兵庫県会では、前田ともき議員(民主党所属)からご連絡をいただきました。10月3日(水)10時45分から45分間の予定で、「セクシャルマイノリティへの理解推進に向けて」というテーマで質問してくださるそうです。是非傍聴に行きたい!と思っていたところ、今回教えていただいて初めて知りましたが、次のアドレスの県会のHPではライブ中継も見られるとのことです。是非見せていただこうと思います。傍聴も可!です。みなさんも是非!!(日程は直前に変更になる場合もあるそうですので、HPで最新情報をご確認ください) 
 http://www.hyogokengikai.jp/regular/regular05.html

福岡市議会でも池田議員が質問してくださったとの報告が入っています!(詳細は後日)

最後に、これは米国領事館からのアプローチです。今、米国のオバマ政権は、LGBTの人権問題解決に向けて、米国内にとどまらず各国の大使館や領事館を通じて活動を行っているようです。先日、つなぐ会in福岡に福岡の領事館から連絡が入り、九州のLGBTの現状を知りたいとのことだったので、訪問して1時間ほどお話させていただいたそうです。また神戸の領事館からも『人権問題について考えるバーベキュー会』開催のお知らせをいただいています。

詳しくはまたご報告させていただきたいと思いますが、社会を具体的に変えていくのは、やはり政治ですよね。これらの動きは、驚きと共にほんとうにうれしいことです!!

ということで長谷川さんの原稿をご紹介します。少し長いですが、みなさん是非お読みください!!


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多様な性「LGBT」への理解について


「LGBT」は Lesbian、Gay、Bisexual、Transgenderの頭文字をとった言葉で、欧米の当事者たちが、セクシャルマイノリティという弱者的な呼び方ではなく、自分たちをポジティブに表現しようと使い始めました。日本でも、LGBTの当事者や支援者たちがパレードを開催して、存在をアピールするようになりました。

私が、「LGBT」という言葉を知ったのは、6年前だったと思います。神戸市内で発足したばかりの「LGBTの家族と友人をつなぐ会」に出会ったことに始まります。会の代表者の娘さんは、元大阪府議会議員で、自伝『カミングアウト』を出版し、日本で初めてレズビアンであることを公言した政治家です。活動に走り続ける娘を追いかけるように会を立ちあげられたのですが、私には、母親としての戸惑い・苦悩をなかなか払しょくできないでおられる様子が伝わってきて、「そうか、当事者の親も当事者なんだ」、子どもを持つ親の一人として、身につまされる思いでした。

さて、LGBTについてですが、今年2月に、電通総研が、LGBT当事者の生活スタイルや意識などを把握する「インターネット調査報告」を出しています。アンケートの協力者は年齢20歳~59歳の9,789人で、そのうちの3,637人、率でいうと5.2%がLGBTのいずれかに当てはまるという結果でした。1億2,800万人の日本人口から割り出すと、実に、666万人にもなります。

今年7月14日発行の『週刊 ダイヤモンド』は、「国内市場5.7兆円 LGBT市場を攻略せよ!」と題して18pにわたる特集を組み、米国企業の現状や日本における最新情報を紹介しています。また、同日発行の『週刊 東洋経済』でも、「知られざる巨大市場 日本のLGBT」として14pの特集記事を組みました。

いずれも経済分野からのアプローチですが、それだけに、今後は日本でもLGBTの経済的存在、それによる社会的認知は広がっていくと考えられます。

アメリカでは、2008年ごろからベビーブーマー世代の退職が始まり、企業は人材確保のために、女性、障害者、LGBT、高齢者といった枠組みに全く関係なく、多様な働き方ができる環境づくりに本格的に取り組むようになりました。それによって、自らのセクシュアリティをオープンにして働ける職場もずいぶん増えてきています。

アメリカのLGBT市場は77兆円ともいわれ、大手百貨店がトランスジェンダーの客に試着室使用拒否した店員を解雇、北米のプロバスケットボールリーグNBAはLGBTへの差別的なコメントをTwitterで呟いたとして選手を罰金処分するといった、人権配慮のイメージアップに努め、銀行は結婚しないカップル専門のファイナンシャルアドバイザーを育成するなど、企業は市場開拓に乗り出しているといいます。

また、人権団体はLGBTにフレンドリーな企業の評価指数を発表しており、たとえば、アメリカン航空は、20数年前に性的指向による差別の禁止を就業規則に盛り込み、その10年後に同性カップルのパートナーを家族と認め、さらにその5年後に、LGBTをオープンにして働く従業員を配置するなど、先進的にダイバーシティ・マネジメント(多様性な人材を受け入れ、能力が発揮できる組織づくり)に取り組んできていることが評価され、毎年トップだそうです。

アメリカ進出の日本企業の評価については、LGBTマーケティングなどを行っているトヨタが100点、ソニー90点、スバルは広告にレズビアンのアスリートを起用していることで85点、日産自動車は同性パートナーへの福利厚生や保険制度などが充実していないので30点といった評価を受けています。

週刊ダイヤモンドのインターネット配信は、Gayであることをオープンにしているパトリック・J・リネハン アメリカ総領事について、インタビュー記事を載せていました。総領事の夫エマーソン・カネグスケ氏は、日本、ブラジル、カナダ、韓国などに赴任した経験を持つアメリカの外交官で、10年前に東京で出会い、2007年にカナダで結婚して、現在は日本の総領事公邸で一緒に暮らしているといいます。

今年5月には、バラク・オバマが、大統領として歴史上初めて同性結婚の支持を表明し、民主党は、同性婚を支持することを綱領に盛り込みました。社会的認知も進み、それでも潜在的には10%ともいわれるLGBTの存在は、大統領選挙においても、もはや無視できなくなったということでしょう。

日本国内の企業においては、ソフトバンクは婚姻関係でなくても家族割OK、プルデンシャル生命保険が同性カップルも加入できる商品を販売、IBMは同性婚に結婚の祝い金を贈る、ホテルではディズニーやパークハイアットが同性結婚式を可能とし、ゴールドマン・サックスは社員に向けてドメスティックパートナー制度(異性婚と同様の扱い)を設け、LGBT学生向け就職説明会をするなど、外資系の企業を中心にダイバーシティへの取り組みが始まっています。また、LGBTマーケティング専門のコンサルティング会社も出てきています。

しかし、現実社会では多様な性への理解や認識はほとんど進んでいないといえます。
LGBTのうち、性同一性障がいについて言えば、2003年7月、「性同一性障者(GID)の性別の取扱いの特例に関する法律」が成立し、翌年の2004年7月に施行され、日本でも戸籍上の性別変更が可能となりました。2011年までに2996人が申し立てをし、2847人が戸籍の変更を認められました。実際に医療機関を受診している患者数は、日本精神/神経学会が2007年に行った調査では、全国で約7,000人、潜在的には人口の1%(約1280万人)という説もあります。

岡山大学病院ジェンダークリニックは、1999年~2010年の11年間に性同一性障がいで受診した1167人について調査しており、それによると、「自分の性に違和感を覚え始めた時期」は、62%が小学校入学前、80%が物心ついたころから小学校時代までの間、中学生までには90%が自覚しているとのことです。そして、大半が違和感や嫌悪感に悩み、学校ではいじめの対象となったり、不登校になる子どももいるとのことです。

性機能が発達する第二次性徴期には、男女それぞれの体付きの変化、月経や声変わりがはじまり、中学校の男女別の制服、男女別名簿など、「男・女」の色分けが明確になることは、性同一性障がいの児童・生徒にとって、ますます「異性の体の中に閉じ込められた状態」への苦悩が高まる大きな原因となっています。恋愛の悩み、将来への不安、人間関係が要因と考えられるうつ状態や神経症などの精神科合併症、また、自分の体への嫌悪感から自己肯定感が持てず、自傷行為や自殺に追い込まれる場合もあると、同大学中塚医師は指摘されています。

東京都内にあるメンタルクリニックの調査でも、性同一性障がいの患者1138人の62%が自殺を考えたことがあり、時期としては中学時代が最多で、16%がリストカット等の自傷経験があると報告されています。

川崎市立富士見中学校青山正彦校長は、市役所勤務の2010年5月に、小学生のころに、悩みを安心して話せる環境や公的機関が必要だとして、児童相談所や精神保健福祉センターなどに性同一性障がいの相談窓口を開設されました。

その川崎市は、HPで「性同一性障がい」と検索すると、「性同一性障害についてのお悩みをお持ちの方へ」という項目が出て、クリックすると、「次に記載した相談窓口は、いずれも「性同一性障害」専用の相談機関ではありませんが、お話をお伺いしております」として、相談先が紹介されたページが出てくるようになっています。

以上のことを踏まえて質問します。
LGBTの割合が、先に述べた電通総研調査による5.2%とすると、クラスに1~2人程度の割合で、セクシュアリティに関する何らかの悩みを抱える子どもがいると考えられます。現場の先生方にとって、支援が必要かどうか悩ましい場合もあると思います。教育相談の体制整備はできていますか?

2点目、性同一性障がいについては、2年前の6月議会で、ざこ議員が、教員、保護者の理解を得るための研修を質問にあげられました。本市では精神保健コンサルテーションを実施していますが、それを含む教職員研修で、セクシャルマイノリティ関連の項目はもうけてありますか。また、保護者への啓発についてはどうですか。

3点目、LGBTに関する実態把握はできていますか。




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「『多様な性』と出会う」ワークショップ開催報告

2012年09月19日 | Weblog

「つなぐ会」in 福岡は、8月2日、福岡市人権教育研究会の夏期研究集会において「『多様な性』と出会う」というテーマでワークショップを実施しました。
人権教育研究会は「すべての子どもたちが、毎日楽しく学校に通えるようにしよう!」というテーマでさまざまな人権学習に取り組んできていますが、昨年より機関誌に「LGBT特集記事」を掲載して会員の先生方に向けて「LGBT課題」の啓発に取り組んできています。

ワークショップの開催場所は400名が入れるアクロス福岡イベントホール。
福岡市立の小中高校の先生方が対象です。
2時間45分のワークショップを午前と午後2回実施して、それぞれ350人・250人の先生方に参加していただくことができました。

当日は「つなぐ会」の青年たちと早稲田大学の学生団体Re:Bitから応援にきてくださった方たち、合わせて10名の当事者青年たちの協力がありました。
ライフヒストリーを語っていただいたり、トークショーでは自身の学校生活の経験をもとに当事者生徒への対応のポイントを話していただいたり。
青年たちのこれまでの様々な悩み・葛藤を聴き、またそれらを乗り越えて自分を一生懸命伝えてくれる姿に接して、「多様な性」のありようを肯定してありのままで生きることがそれぞれの人の個性を輝かせていることを実感していただけたと思います。

先生方たちのグループワークでは教育現場で実際に起こっている事例について話し合っていただきました。多くの先生方が思い当たる事例を身近に持っておられます。「今にして思えば」という声もたくさん聞きました。

今後、どのようなセクシュアリティを持った子どもにとっても過ごしやすい学校であるために何からしていけばよいのだろうと、先生方からの質問は多岐にわたりました。
行政の支援もふくめ、さまざまな立場の人たちが話し合っていかなければならない問題であると、多くの先生たちに見える課題となったことが大きな収穫だと思っています。

先生方からの感想の中には、親としてこの問題に向き合っての気持を発言されるかたもいらっしゃいました。教師としてだけでなく、一人の大人として、家庭や地域社会での自分の意識を問うきっかけになったことは嬉しいことです。
「すべての子どもたちに『ありのままの自分で安心して過ごせる』社会をつくっていくために、自分に刷り込まれている男女二分の枠を壊し自己変革をスタートさせる」というワークショップの目的に向かって大きな手ごたえを感じた会になりました。



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第5回福岡ミーティング報告

2012年09月19日 | ミーティング
「つなぐ会」in福岡は2年目がスタートしました。
7月22日のミーティングは新しい方を3人お迎えして19名の参加でした。

まず、神戸のミーティングでも鑑賞された小学生向けLGBT教材「いろんな性別~LGBTにきいてみよう~」のDVDをみて感想を話し合いました。

当事者の参加者さんたちから、
「自分が見てもしっくりする」「ごくノーマルな話として作られているのがいい」「ふだんあまり語られないトランスジェンダーの性自認のゆらぎにもふれてあって嬉しい内容」など、好評でした。

このDVDの対象年齢が小学校3年生からとなっているので、参加者さんたちの小学校のころの話などもでました。
「小学校の道徳の授業ではくりかえしくりかえし差別について学んだ。だからいじめにつながる発言がなかったと思う。学べば期待できることってあると思う」「小学校3,4年で身体と心の特徴を学ぶカリキュラムがある。この時期に学べるようになったらいい」などなど・・・
そして「このDVDを子どもの時に見たかった。そしたら自分の人生は変わっていた。違う人生を歩んでいたと思う。」という当事者さんの発言に、小学校で学習する必要性を改めて感じました。

ところで皆様。みなさんの地域で使われている交通機関のプリペイドカードにはどんな情報が記載されていますか?福岡地区で使われている「ニモカ」というカードには何と性別が印字されています!
1回目のミーティングから毎回参加してくださっているアライさんの参加者さんから「『こんなところに性別?』って気がつく程度の変化なんですけど自分にとっては進歩です」という発言で私も初めて気付きました。「なぜなのお~~?」

「これっておかしくない?」と気付けるアンテナ、全方位に向けて感度をあげたいですネ。

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第50回神戸ミーティングを行いました。

2012年09月02日 | ミーティング
7月22日(日)、第50回神戸ミーティングを行いました。ゲストに神戸市看護大学教員の藤井ひろみさんをお迎えし、今年研究のために行かれたオーストラリアとアメリカでのフィールドワークのご報告をしていただきました。参加者は28名、初めての参加者は6名でした。

藤井さんのお話とパワーポイントで映していただいた写真からは、どちらの国でもLGBTの存在は既に当然のごとく理解されている様子がよくわかりました。例えば一般の病院にもLGBTの人たちの家族形成のための情報が貼り出されていたり、またLGBTコミュニティのビルが一般市民のために使われていたりと、日本では考えられないような場面がいくつもありました。メルボルンのPFLAG(欧米のLGBTの家族や友人による団体)の事務所には、高齢のLGBTへのハウスキーピング派遣のチラシもあったとか。うらやましいというか情けないというか(笑)、他のことでは先進国と言われる日本が、一体どうしてここまで遅れをとっているのか、不思議な気持ちさえしました。そして藤井さんがサンフランシスコを「360度から元気をもらえる街でした!」と言われた言葉がとても心に残りました。

偶然にもこの日の初参加のお一人がアメリカのボストンの大学に行かれて5年目という方で、一時帰国の合間をぬって参加してくださり、同じくアメリカの様子を話してくださいました。女性ジェンダー学を学ばれている彼女は、LGBTとアライ(支援者)でセーフティ・スペースを作っているという団体でインターンシップをされていたこともあるそうです。こんな団体があることもまた驚きの一つでした。

日本がこのような状況に追いつくのに一体あと何年かかるのだろう・・・??と思うとため息が出ますが、日本でもうれしい動きもあります。週刊経済誌の『ダイヤモンド』と『東洋経済』の二誌が7月14日号で同時にLGBTの特集を組んでいます。どちらも15ページ前後に亘る大特集です。経済誌ですからLGBTを巨大市場と捉えての特集ですが、基礎的な知識から日本の就職や職場環境の現状、医療・介護・住宅に至るまで取り上げ、欧米、特にアメリカとの違いを明らかにしながら、当事者からの提言なども交えて、経済界への大きな啓発となる内容ではないかと思いました。

ところでみなさんは「ピンクシーリング」ってご存知ですか?最近のアメリカではこの「ピンクシーリング(ピンクの天井)つまりLGBTが昇進できる限界が、LGBTから注目されているとのこと。「かつて女性にとっての”ガラスの天井“があったように,LGBTがある一定の役職から昇進できていないと、LGBTはその企業の評価を下げる。企業がいかにLGBT向け広告に資金を投じ、LGBTの喜びそうなサービスや商品を開発したとしても、ピンクシーリング撤廃などの社内制度が同時に充実していなければ、LGBTからは無視され、評価は下がる一方・・・」

大阪・神戸米国総領事のパトリック・J・リネハン氏(日本でゲイであることをオープンにしている総領事)のコメントにはこうありました。
「米国ではLGBTを認める企業も増えている。“フォーチュン500”の中で、差別排除のポリシーを掲げている会社は多い。その理由は二つある。一つはそれが社会的に正しいから。そして人種や性別などで差別しない会社の製品が顧客に支持されるからだ。環境に優しい会社の製品が支持されるのと同じことだ。」
そんなこと何も考えないで日々買い物してきた私・・・(汗)このような消費者の目を持つこと、社会を変えるには大切なことなのですね。改めて痛感しました!!




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