LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

講演会「日本の同性婚を考える」(『ジェンダー・マリアージュ』同時上映)の報告

2016年11月27日 | Weblog
講演会「日本の同性婚を考える」(『ジェンダー・マリアージュ』同時上映)の報告
(10月22日(土)plug078にて)

昨年、渋谷区を皮切りに幾つかの自治体が同性パートナーシップ制度を始めましたが、「同性婚」にはまだ遠いようです。今回上映した映画『ジェンダーマリア―ジュ』は、アメリカ・カリフォルニア州の同性婚をめぐる歴史的な裁判を描いたドキュメンタリー映画です。カリフォルニア州は、2008年5月に全米で2番目の同性婚合法州となります。ところが成立からわずか6カ月後の11月に、同性婚を禁止する「提案 8 号」が出され、住民投票によって可決されます。同性同士の結婚は禁止され、再び結婚は男女に限られることとなりました。
この「提案8号」に法的手段で挑もうとする大規模な計画によって、同性婚の問題が初めて専門家の証言や反対尋問などを通じ、最善の議論を尽くす連邦裁判にかけられることになったのです。勝訴を勝ち取る2013年までの5 年間、多くの困難を切り抜け、「同性婚」を否定する根拠ある理由はない、つまり万人に結婚を選択する権利があるとの結論にたどり着きました。
ここに至るまでの道のりを描いたこの作品は、強く私たちの胸を打ちました。当たり前のことが認められない理不尽さに怒りつつも、勝訴を勝ち取るまでの人々の真摯な態度、お互いを信頼する愛情に感動しました。
また二部は、同性パートナーを持つ当事者であり、法律の専門家でもある南弁護士に「日本の同性婚を考える」をテーマに講義いただきました。パートナーシップ制度等で認められた「社会的な結婚」と「法律的な結婚」にはどのような違いがあるのか、結婚とは何か、家族とは何か、そして一人ひとりが大切にされる社会とは何かを、参加者と共に考える機会となりました。人が人を愛すること、ともに暮らすことに対して国が規制や差別をするのは納得できないですし、一部の権力をもつ人の考えで、差別が生まれるのは許しがたいおかしなことだと思いました。

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第10回 なごやミーティングレポート

2016年11月03日 | Weblog
日時:平成28年 10月30日㊐ 13:30~16:00
場所:イーブルなごや 3階・中会議室
参加者人数:15名 (スタッフ3名 賛助会員1名 参加2回目1名 初参加者10名 )

15名の参加者のうち、初参加者が10名という構成になりました。
9月と10月のイベントや講演会などをしたときに来て下さった方が初参加者さんの中に何人かおられ、嬉しく思いました。今回はご夫婦で参加してくれた方もおられます。
中学生の子どものことで初参加されたお母さんは、友人のかたとふたりで来てくれました。
虹色どまんなかパレードのときにブースを出展していた生命保険会社の社員さんは、当事者のかたと関わるうち、もっと理解を深めたいと参加してくださいました。
ご自身も当事者で、行政書士の資格を持ち、仕事でLGBTの方のいろいろな相談に乗っているというかたや、最近異性にまったく興味がなくなり、同性愛者だと思うが確信が持てないと来られたかた、当事者ではないが友人に当事者の人がいて、卒論の研究テーマに同性婚のことを選んでいるという大学生のかた、そのほかに当事者のかたなど。
会社にカミングアウトできず深い悩みを抱えている様子の当事者のかたのお話も聞かせていただきました。
ミーティングでは話したいことだけを話していただければよいので、ご自分からは話すことなく、聞くことに終始する方もみえますが、そういうかたが、休憩時間やミーティング終了後に、個人的な相談をしている姿が見受けられました。
今回のミーティングで書いていただいたアンケートを抜粋してのせておきます。

「今回はじめて会に参加させていただき、いろいろな人の話を聞くことができて 本当に有意義な一日でした。ひとりではないと思えることは気持ちが楽になり、とくに子どもと同じ悩みを経験した方の話が聞けたのは嬉しかったです。またぜひ参加させてください。」

「きょうは、自分の子どもの話をした友達がこの会に参加を希望してくれたのでふたりで来ました。子どものこの先の性の思考がどんな方向に向かうのか全くわかりませんが、本人の意思を少しでも理解できるように、経験者の方の話をたくさん聞きたいです。思春期の子どもが参加しやすいイベントがあると本人はよろこんで来られると思います。」  
裕子

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東京ミーティング(10月16日)の報告

2016年11月03日 | Weblog
2016年10月16日に東京ミーティングを開催しました。
参加した方から、その時の感想を書いていただきましたので、ご紹介します。



参加者16名のうち、親御さんが11名。今回は、親の参加が多かったです。

まず、当事者の方から、「職場環境の改善が遅々として進まない。労働組合もLGBT問題に関わる姿勢が皆無だ」との問題提起がなされました。
当事者団体、あるいは個人が企業に向けてセミナーを行なっているのをニュース等でよく耳にしますが、
やはりそれはトップレベルの企業だけの話で、日本の大半を占める中小企業の実態はまだまだこれからといったところなのでしょう。
ところで、某広告代理店が企業へのLGBT研修を手掛け始めた、とのニュースに対して、「コンサルタントらしき人が語る講演が、果たして、本当に当事者のためになるのだろうか」、との疑問が提示されました。
折角埋没して生活しているのに、「LGBTは13人に1人」「この中にも何人かいるはずです」
と言われることで、皆の目が周りを詮索し始め、当事者探しが始まるような事態になったら、却って迷惑ではないかとの指摘もありました。
けれども反対に、「当事者の方が切々とご自身の苦悩を訴え、困っている状況、改善してほしいことを話してくれると、感情移入できて結構親身になって考える気持ちにさせられる、要はスピーカー次第」
という意見もあり、現に各所でスピーカーとして立たれている方々にとっては勇気づけられたようです。
企業研修は、LGBTのためというよりも、むしろ少子化時代に企業が生き残るための経営戦略に過ぎないとの見方もありますが、社会全体の流れとしては望ましいことなのかもしれません。
LGBT容認の流れが大企業から始まり、中小企業に及んでいって大きなうねりとなり、人々の意識も変わっていくのかと思います。
何といっても経済の影響力は強いのですから。

いずれにしても人々の意識は未だ「LGBTという言葉は知っている」程度で、多くの人にとっては他人事です。
よそのうちの話としてなら理解は示すが、自分に影響が及ぶとなると話は別、というように、本音と建前は違うのです。
「理解ある」と見受けられる家族であっても、一枚岩とはいかない現実があります。
それをどうやって解決していったらよいのでしょうか。
親としては、カミングアウトした我が子を受け入れる。あるいは受け入れる努力をする、といったところでしょうか。
それができたら、そこでストップせず、自分のいる場所でLGBTフレンドリーの輪を広げていっていただけたら、と願います。
日本中のあちらこちらでその輪が広がっていったら、人々の意識の壁も少しづつ低くなっていくのではないでしょうか。
人々の意識が、LGBT拒否でも無関心でもなく共生に変わっていくことで、当事者の孤独感や閉塞感も癒されます。
マイノリティの若者の心が解放され、意欲的に働ける社会は、誰もが自分らしく輝ける社会なのですから。

M




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