LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

3月名古屋ミーティング(いなべ市)報告

2024年03月31日 | Weblog

2024年3月4日(月)名古屋ミーティング いなべ市役所シビックコア棟会議室

 

トランスジェンダー・同性愛当事者の親4名

同性愛当事者1名

Xジェンダー当事者2名

産婦人科医1名

スクールソーシャルワーカー1名    計 9名

 

〈てる子ママ講演会について〉

・先月てる子ママの講演会が実現した。参加者は220名。目標の200名をクリアした。三重テレビ、中日新聞、朝日新聞に取り上げてもらった。高校生が司会をして、高校生が宣伝もするということをした。高校生がとてもがんばってくれた。

・てる子ママへの花束が10個ぐらい届いていた。待ちかねてた人たちがたくさんいた。親子が多いと思ってたら、割と年齢層が高めだった。てる子ママは、そういった人たちに対応できる話をと、幕が開いてから話す内容などを合わせていった。セクシュアリティのツリーのような図を使って、1つの線のところに最終的に3つのパターンが出てくることや、簡単に説明するだけでも10なん通りセクシュアリティのパターンがあるということがよく分かる図だった。レズビアンは女性同士だけと思うけど、実はそうではなく、身体的性が男性で自認が女性で女性のことが好きという人もレズビアンというということなど、勉強になったという感想も多かった。

 

〈性別欄について〉

・性別欄は当事者にしたらしんどい。うちの子もそう。「性別欄に〇ができない」と泣いた。

・男or女の世の中で、典型的じゃない子は排除されている。性別違和、性別不合の人は困っている。困っていることを知ってもらって、じゃあどうしたらいいか。みんなが困らないようにするにはどうしたらいいのかと。困らないように取り除きましょうとなれば、それを実行した後に検証という流れ。性別欄をなくしても、困る人がいない、いなかったらそれでよかったとなる。

・性別欄削除を拒むというのは、横並び主義を言ってるだけであって、なんら対応していないように思う。雇い主とかマジョリティが困ったらまた変えたらいいだけだと思う。当事者の困りごとに対応してないのはいけないと思う。それが使えずに会社に入れないということがあってはいけないと思う。

 

〈当事者の親より〉

・性別のことに関しては自分でも納得しているし手術も一度も後悔はしてないよう。でも社会に出れない状況を思うと性別のことがあるからかなと思う。「何か不安じゃないの?」と、不安はあるに決まっているのに聞いてしまう自分がいる。でもやっぱりみんなと比べてしまう。ホルモンの影響ではないようだけど、実際はどうか分からない。顔を合わせるのはお風呂に入る時や食事するときだけ。自分の年齢や病気のことも考えてしまう。無理はしなくてもいいからちょっとでも社会に出る気持ちをもってほしいが、それを本人に伝えると、「その気持ち持ってないわけないやろ」と言う。「なんでうちだけなんやろう」っと愚痴ってしまうこともあった。「働け働け」と言われるのが一番つらいんだろうとも思う。

→まだ社会が男か女の世界。でもラベルなんてどうでもよくて、お子さんは何ができるのかというだけのこと。お子さんの資源、リソースは死ぬほどあると思う。「なんでうちの子が。男やのに」と思う気持ちは心の中でとめておいてほしい。

→「今日めっちゃ元気そうやん。」「お肌すべすべやな。」とか声をかけてあげるといい。

→褒めるところはいっぱいある。

→自分の子ども褒めるのは自分をほめるのと一緒。

→大事なことを言う時は、「一生に一回しか言わんでちゃんと聞いて」と言うようにしている。そうでないと「また言うてる」となってしまう。その代わりここまで出てくるということもある、悔しいときもあるけどもう言わん。あとはあなたの責任ですよとという形で。

 

・できないことをできるようにしてあげないといけないとと思って、いろんなことをやらせてはきた。でも、「お母さんは『あれもこれもやれ』と言ってきたけど、どれもやりたくなかった。」と今になって言うことがある。まわりの子ができたら、「この子もついていかないと。遅れているわ。」と思い、比較ばかりしてしまっていた。でも、自分の子どもの頃もそうだった。親が「〇〇ちゃんはできているのに」と、無理やり塾に申し込んでやらされた。でもそれが当たり前だと思っていて、同じように子どもにもしてしまった。でもかわいそうなことしてしまったなと思う。もう1回子育てしたいなと思う。そしたら自由にさせてあげれるのにと思う。

 

→他あ見なかったらいい。よそはよそ、うちはうちと思えばいい。

→1回だけは言って、あとは見守るだけかな。あとはがんばりなよと。

→やってきたことが間違っていたわけではないと思う。〇〇さんの親も、できるようにさせてあげないとと、社会から思わされて〇〇さんを育ててきた。〇〇さんも、同じように思わされて必死に生きてきたと思う。それが合ってるとか間違ってるとかではなく、それがその時の精一杯だと思うから、責任を感じることもやり直したいと思うこともしなくていいと思う。

→私たちもいつかは面倒みれなくなる。でもその時には言えない。あなたはあなたの責任で自分で稼いだお金で生きていけるのが生きていけるのが大事だと思うから。もうその責任をは果たしていると思う。

→「お母さんがおらんくなった時に」という話を1回だけするのもいいかもしれない。

→うちの子の時は、お医者さんが、「親の育て方でもない。お母さんが食べた飲んだ薬でも、先祖が悪いわけでもない。親のせいじゃない。先祖の血筋のせいでもない。」と大学病院の先生が言った。「世界中同じ割合で生まれてる。それが0.8パーセントとか2.5パーセントとか今数字が出ているけど、誰かのせいでもない。自分も親もせめなくていい。江戸時代の文献には残っている。今急に増えたわけでもない。江戸時代からずっと医学書に残っている。」と教えてくれた。多様性に対応できる人たちはこれからの時代重宝される。それを武器にし、チャンスにすることが大事だと思う。

→完璧な子育てはないと思う。でも変わることはできる。過去に戻ることはできないけど自分が変わることはできると思う。

 

〈当事者の支援者より〉

・男性でも女性でもどっちでも見られたいという感じ。最初はわからないという状態。わからない自分にもやもやしてるのかなと感覚があって。今決める必要がないとは思っている。多様性を説明したくてLGBTをふわっと抑えたら、「LGBTってさあ」と話してくれて。「ちゃんと教えてほしい」と言ってくれたからちゃんと伝えて、この会の紹介した。「私が一回行ってくるで」と言って先に来させてもらって「こんな感じだったよ」と説明したら「ちょっと見てみたい」と言ってくれた。

 

〈当事者より〉

・中学生に上がり新しい環境に行く不安はある。性別は両方ある感覚だからどっちに見られてもいい状態。

・中学校は制服が選べるからよかった。上が男の子のもので下が女の子のものを選んだ。

→多様な人を受け入れられるっていうのは結局はいいこと。本当によくがんばって相談してくれたと思う。なかなか言い出せる人はいないかもしれないけど。子どもはがんばらなくていい、なんとかするのは大人の仕事。

〈市の相談窓口・病院・治療について〉

・私の住む市では、パートナーシップファミリーシップ制度入れました。それにあたり、相談窓口がないといけないのではという話になっり、相談窓口を設けようという話になった。人がいないというのがネックということだったので引き受けた。来年度、常設ではないですが、予約が入ったら対応するというのがはじまる。

→当時、子どもからカミングアウトを受けた時に、おばあちゃんに泣きながら相談したら、「謝ることじゃない」と言ってくれた。「みんなで育てたらいいよ」と言ってくれるおばあちゃんだった。相談できる場所がもっと増えてほしいと思う。

 

・私の住んでいる市は窓口がない。学校に来ているスクールカウンセラーの先生に最初相談した。そうしたらスクールカウンセラーの先生がいろいろ調べてくれてこの会を紹介してくれて。役所とかそんな窓口があるなんて聞いたことないし、病院とか心療内科とかでは高校生しか受け付けてないと言われたり、連れていこうかなと思ったらそう言われたりした。

→私の子どもの時は思春期外来なら診てくれた。

 

・1軒はいけたけど、そういう相談受けたのは初めてだったようで、先生に「どうしたらいいかわからない。」と言われた。「今は中学生だから勉強とか視野を広げていろいろしよう」とか、基本的な思春期の対応を言われた。逃げてるようにも感じた。「中学生というと気持ちに波があるので」という感じだった。診断をつけてほしかったけど、聞いてもらうだけだった。診断をつけれるような病院の情報をいただけるかと思ったらそうでもなかった。

→日本全体でGIDの先生は28人しかいない。10年で11人増えた。ガイドライン認定医師。各県にいるとなるには47人いる。日本全体でみても少ない。

 

・診断がほしかった。今すぐ治療をと思っていた。今診てもらっている先生とはまだ面談だけ。

→それは必要なこと。早く認定して必要なことと、何回も問いかけて本当にこれでいいのかという期間が2,3年いるという。あってはならない間違いがあってはいけないから2,3年かかる。これは例外の話だけど、うちの子は自認がものすごく強かった。「お宅のお子さんは自認が強いから早く認定してあげないと心が壊れてしまう」「早く認定させるために毎月岡山に来れますか」と言われて半年後に認定してもらった。先生に自分史というのを見てもらって、いろんな血液検査も心電図も行った。半年間毎月通って認定会議で認定してもらって、翌月から二次性徴抑制ホルモンを打てるようになった。その半年間、4つの科の先生が1人の子を見て、認定しても間違いがないか判断する。それがガイドラインに沿ったやり方。本来なら10代の子は2,3年かかる。間隔をあけながら診てもらう。それが待てない、待っている間に自殺してしまうとかそういう場合は早く出ることもある。治療や診断が待てないこともあるけけど日本ではそういう形。それが待てなければ外国に行ったり、ガイドラインを飛び越えてやれるという先生もいるけど、それは自己責任。私たちからはすすめられない。18歳以下でガイドラインに沿わない形で手術をしたとしても、成長したら2回3回と手術しなければならなくなる。二次性徴抑制ホルモンもある。うちの子も16歳から、当時は8時間おきに点鼻。今は高いけど注射がある。生理が来ることが1番こわいことだったから、2年間休まずやった。細胞レベルで体がほしがるのがホルモン。でも、ほしいのとは違うホルモンを投与するからしんどくなる。体調がどうなるかは人それぞれ。本当に副作用がなく調子いいという子もいるし、ずっと調子悪いっていう子もいる。一般的な女性でも女性ホルモン値は20でいいのに、ホルモン打つ人は60ぐらい打つ。

 

次回4/1(月)

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