エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

さきたま古墳群

2009年07月06日 | 日記



さきたま古墳群は、悠久の時間の流れを受け止めつつ佇ずんでいる。


奈良の古都にも匹敵する時が、今も静かに流れている。





前方後円墳のたおやかな二つの丸みが、穏やかに僕の中に入ってくる。

ぼくはそれをおし頂いて飲み下した。

ここの古墳群は5世紀後半から7世紀の始めまでの9基の墳墓が点在している。
勇壮なステージである。

この場所から出土した鉄剣の黄金で刻まれた銘は、こうなっている。

「わたしはワカタケル大王に仕え、天下を治めるのを補佐した」
と。
ワカタケルとは「雄略天皇」である。





関東一円には巨大古墳群が点在している。

この関東ローム層の大地を舞台に「覇権」が争われたのだ。

古代のロマンに遊弋するのは楽しい。

鬱蒼とした林を抜けると突然現れる古墳は、周囲を水堀で守られている。

ぼくは感動して、そこに立ちつくした。

血管の中を真っ赤な僕の血が奔流しはじめる。





ぼくは古墳に上った。

一円を見下ろす高みは、僕の精神を高揚させた。





ここにもあそこにも古墳が在って、民の竈は視野の内である。
豪族支配の理論が貫徹した建造物だ。

古代から現在まで、この国の歴史は「覇権」の歴史なのかもしれない。

さきたま古墳群は、駘蕩として流れる時間と、人が容(カタチ)作ってきた歴史の大いなる記憶である。

母なる大地からのメッセージでもある。


次回は、デジタル・ブックで紹介します。




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                         荒野人



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