エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

書の故郷・・・中国・蘭亭

2010年02月03日 | 旅行
書は空間の美である。
白と黒の世界で、これほど色彩豊かな芸術的表現は無い。
書が織り成す肖像的空間は滴り落ちるような色彩に満ち溢れている。



蘭亭は書の故郷である。
ここには書聖と言われた王義之が活動の拠点を置いた。



彼の作品は顔卿と並び称される。
とりわけ、ここ蘭亭でものにした「蘭亭序」は比類なき書の手本となっている。



王義之は、秦・漢代の字体などを研究し、それぞれの字体を楷書、行書、草書などと組み合わせ、貴族的で力強く優美典雅端正な書体が特徴的で、「雪の如く、竜の如し」と形容されるほどである。
「書道の革命家」、「書道の最高峰」とも言われ、近代書道の体系を作り上げ、書道を一つの独立した芸術としての地位を確保し、後世の書道家達に大きな影響を与えたのである。
その功績は偉大である。



蘭亭は紹興市街の西南蘭渚山の麓に位置する。
晋の時代、王義之ら名士42人が中国浙江省の地にある「蘭亭」で屈曲した小川の流れに杯を浮かべて、その杯が流れ着く迄に詩を創り、酒を飲み楽しんだのが、曲水の宴のはじまりと言われている。

日本では、平安貴族が曲水の宴を開いたことで知られている。

蘭亭は竹林の中にある。
中国で、竹林は賢人の潜む場所である。



王義之という賢人は、死してなお、人々に書を書き続けさせている。
歴史に生きるというのは、こういうことなのである。




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