エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

ふらここ・・・春の日の優しさよ

2012年03月09日 | ポエム
ふらここ、ブランコである。
春暖の日、子どもも大人もぶらんこで揺れるのは気持ちが良いものである。

黒沢明監督の映画「生きる」では、志村僑が雪の降りしきる公園でぶらんこに揺られながら゛命短き、恋せよ乙女゛と「ゴンドラの歌」を歌うシーンがある。



ぶらんこは楽しい時も辛い時も、そしてまた耐え難い悲しみも詩情豊かに表現してくれるのである。
スポット・パークにもブランコは設置してあるところが多い。

志村僑が歌うゴンドラの歌は、演じる志村が見事にまでその心象風景を表現している。
やるせなさ、せつなさ、しかし成就した喜び・・・それは生を全うしたと言う意味と、人としてやるべきことをし、かつ生きた証を残した充足感である。



誰かが置き忘れたのだろう、サッカー・ボールが一つ。
つい今しがたまで、子どもの足元で転がり続けたのだろう泥で汚れていた。



一方これは、雨の日のまた違う近所の公園のブランコである。
ジャングルジムがセットなのであろう。

ペンキの色合いまでが相似しているのである。




      ぶらんこの微動だにせず雨の中       野 人

      ふらここや揺れる一つに風の精        野 人






とまれ、町中の公園である。
これはこれで宜しい。

マンションの窓や、道路を歩く人の目がキチンと監視しているからである。



さて、東京と言ってもそこかしこに春の息吹が見え始めた。
サンシュユの花である。



開ききってはいないけれど、黄色いコケティッシュな花が連なっている。
まるで、棘の集合体のように枝に着いている。

春を感じる花卉である。







      サンシュユの刷毛で描くよな強さかな         野 人





サンシュユ・・・古来から漢方の生材であった。
滋養強壮に効ありとされているのである。

さて・・・今日は朝から雨が降っている。
終日降り続くと言うのである。

明け方、そう五時くらいであろうか、もう雨が降っていた。
ふっと浮かんだ俳句。




     今日も又暗き空より菜種梅雨          野 人






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      荒 野人


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ripple)
2012-03-09 13:26:13
いのち短し
恋せよ乙女
わたしゃ造るぞ
子供たちの
公園を

「生きる」はいい映画でしたね。
返信する
rippleさんへ! (荒野人)
2012-03-09 16:39:00
「生きる」
良い映画でした
あのシーンを思いだすと
今でも胸が
キュンとします
返信する

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