今日の気配である。
秋冷の候のこの頃であるのだけれど、心は楽しく爽やかである。
夜、満月に世上は照らされた。
薄暮の月である。
夜、煌々と月は中空にあった。
月の周りが妙に明るく、あたかも後光が射しているいるかの感があるのである。
月は、人のイマージュを掻きたてる。
かぐや姫伝説然りである。
ウサギがお餅搗きをしている・・・ぼくはこれが大好きである。
木々の枝で葉が色づき始めている。
そう、平地でも黄葉や紅葉が始まっている。
やがてオペラ劇場のように、一気に幕が跳ね上がる。
そのようにして、開演である。
とまれ、温暖化である。
紅葉の始まる樹の下では「ハイビスカス」が咲いている。
ぼくらが子どもだった頃、この花は温室でしか見られなかったのである。
ハイビスカスも、今や東京の気候に順応してしまったのだろうか。
寂しいことである。
一昨日に報告しそこなったけれど、もう一つの月下美人の蕾だけれど、咲き終わっていた。
萎れていて、淋しい風情であった。
一昨日の夜は雨だったのだけれど、逞しくも咲いたのである。
きっと誰に見られることなく咲いたのだろうと、少しセンチメンタルになってしまった。
月と言い、ハイビスカスと言い、月下美人の花と言い、だがしかし季節に則っているのは間違いないのである。
金木犀はいよいよ最後を迎えている。
今年の見おさめである。
思い出も封印である。
ブロック塀の上に零(こぼ)れている金木犀である。
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荒野人
秋冷の候のこの頃であるのだけれど、心は楽しく爽やかである。
夜、満月に世上は照らされた。
薄暮の月である。
夜、煌々と月は中空にあった。
月の周りが妙に明るく、あたかも後光が射しているいるかの感があるのである。
月は、人のイマージュを掻きたてる。
かぐや姫伝説然りである。
ウサギがお餅搗きをしている・・・ぼくはこれが大好きである。
木々の枝で葉が色づき始めている。
そう、平地でも黄葉や紅葉が始まっている。
やがてオペラ劇場のように、一気に幕が跳ね上がる。
そのようにして、開演である。
とまれ、温暖化である。
紅葉の始まる樹の下では「ハイビスカス」が咲いている。
ぼくらが子どもだった頃、この花は温室でしか見られなかったのである。
ハイビスカスも、今や東京の気候に順応してしまったのだろうか。
寂しいことである。
一昨日に報告しそこなったけれど、もう一つの月下美人の蕾だけれど、咲き終わっていた。
萎れていて、淋しい風情であった。
一昨日の夜は雨だったのだけれど、逞しくも咲いたのである。
きっと誰に見られることなく咲いたのだろうと、少しセンチメンタルになってしまった。
月と言い、ハイビスカスと言い、月下美人の花と言い、だがしかし季節に則っているのは間違いないのである。
金木犀はいよいよ最後を迎えている。
今年の見おさめである。
思い出も封印である。
ブロック塀の上に零(こぼ)れている金木犀である。
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