エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

信玄の棒道

2011年08月19日 | 遺跡
信玄は山梨の英雄である。
「戦国最後の武将」と称される。

この冠が、評価されてのものか、あるいは揶揄されているのか定かではないけれど・・・ぼくは美しいものと捉えている。



信玄の棒道は、武田信玄が北信濃攻略のために作った古道、軍用道路である。
上中下と三本の棒道があったとされている。



現在確認されるのは、一本だけである。



棒道は、基本的にまっすぐに造営されている。
山道である小淵沢から富士見市あたりでは微妙にカーブしている場所もあり、結構細い。



だがしかし、山を縫って通る道はロマンに溢れている。



現在では、その道を物見遊山の人々が踏み固めている。
かつては馬や雑兵が犇(ひし)めいて北信濃を目指した道である。



いまぼくは往時の馬の嘶(いなな)く声や、甲冑の金属音、さらには号令の大音声を聞きながら古道を歩いている。



この道には、武田騎馬軍団の息吹が満ちている。
後顧の憂いを無くし、京を目指しながらも上洛を果たせなかった武田の怨念も垣間見えるのである。

ぼくもまた、武田軍団の末裔である。
甲斐源氏の誇りを胸に畳みこんでいる。



棒道の看板にトンボが停まっていた。
とまれ戦国の時代に回帰できる道は、この信玄の棒道くらいのものである。



棒道の通っている道は、静謐の中にある。







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 荒野人


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