エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

爽やかな空間・・・木漏れ日を浴びて

2011年08月18日 | ポエム
爽やかな空間である。
ぼくは木漏れ日を浴びながら、林の中を歩いた。

夏。
この林を過ぎると、日差しはまだ厳しい。






        木漏れ日を浴びて


      チラチラと揺れてその日差しが足元に落ちる
      木漏れ日の午後のことである
      その空間は限りあるのかどうか
      ぼくには分からないけれど
      だがしかし
      爽やかな空間が限りなく広がるのだと
      ぼくは
      きみの指に触れたとき信じられたのだ
      木漏れ日はきみを変えてしまった
      あのときあの時間を共有したというのにだ

      木漏れ日は揺れながら枯葉の褥に舞い降りる
      舞い降りて
      静かに沈黙の彼方へと翔け上った
      その場所は
      おそらく天の端し
      ギリシャ神話の古里であるに違いなく
      きみはフローラの化身であったと
      ぼくはいま
      突きつけられたのだ
      その会釈のない鋭さは
      ぼくを絶望と希望の綯い交ぜになった
      踊り場に立ち尽くさせ
      激しく
      時間の織りなす経験の強さを知るのだ

      ぼくはいま
      爽やかでいて残酷な木漏れ日の中を歩いている






ここは八ヶ岳のふもとである。
「八ヶ岳倶楽部」の林である。



あの柳生 博氏の作り上げた空間である。
林全体に枕木が敷設され、歩きやすい空間になっている。

植生は複雑で、自然のままに逞しく放置されている。



それが良い。
柳生氏の努力に敬服する場所である。

八ヶ岳の空気は清浄であって、透明だからこそ実現したのかもしれない。





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 荒野人




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