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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ロンドンハーツ<真冬のスポーツテスト>~乃木坂46 生駒里奈さんの透明感!

2012年02月15日 | アイドル
 ロンドンハーツ2時間SP『女性芸能人真冬のスポーツテスト』に乃木坂46の生駒里奈、生田絵梨花、白石麻衣さんが出演。
 すごいですね、いきなりここに出すとは!
 何しろ他の出演メンバーが、国生さゆり、熊田曜子、misono、ハリセンボン、森三中、杉田かおる、大久保佳世子さんという個性いっぱいのメンバー。
 野球でいえば、中学生がいきなりプロの一軍の試合に出るようなもの。
 いくらアイドル枠での出演とはいえ、傷跡は残したいだろうし、下手なプレーは出来ない。
 下手なプレーをすれば、たちまちまわりのお姉さんたちから総スカンを喰らう。
 そういうハードな現場。

 実際、乃木坂の3人はダメ出しを喰らってた。
 フラッグ取り対決の時は、話を振られて、国生さんから「返し方が違う」とダメ出し。
 そのフラッグ取り対決では国生さんが圧勝。
 するとロンブー淳さんから、覇気のない走りに「何だよ、それは!? 全然フレッシュさがないじゃん!」とダメ出し。
 女の子に甘い(?)とされる淳さんとしてはめずらしい本気のダメ出しである。

 というわけで、AKB48繋がりで乃木坂46も応援する僕としては、この一軍の試合に出場した三人に「変な失敗をしなければいいが」とハラハラドキドキ。

 そんな中、生駒里奈さんはいいですね。
 抜群の<透明感>がある。
 剛力彩芽さんを初めて見た時のような感じ。
 それでいてダサい。
 今回の番組で、その<運動音痴>ぶりを披露したが、すごく<不器用>。
 走れば遅いし、上体そらしでは体が硬く、走り高跳びではそのままバーに突っ込む。
 また、本人が言っていたが、秋田出身の<田舎者>らしい。
 でも、こういう世間で言うマイナス要素が個性になるんですよね。
 そして、これらのことでファンが出来る。
 自分を<運動音痴><田舎者>と感じている人はきっと生駒さんに共感するだろう。
 
 芸能人は個性が命。
 熊田曜子さんはウェアをめくりあげてくびれのあるお腹を出し、手島優さんはウェアを破って胸の谷間を強調する。
 杉田さんと大久保さんは下ネタを連発して、元AKB48の大島麻衣さんは<カマトト女>を、磯山さやかさんは<イソエもん>を演じる。
 こんな中で存在感を出すのは至難の業なのだが、生駒さんは<透明感>+<運動音痴>で存在感を出していた。
 ロンブー淳さんなど、まわりのフォローはあったが、あの一軍メンバーの中で大したもの。
 そして、この生駒さんの個性はどんなに熊田曜子さんたちががんばっても出すことが出来ない個性。
 計算して演じていない分、新人らしさも感じることが出来る。

 というわけで、乃木坂46。
 生駒さん以外に、他にどんな個性がいるか楽しみ。
 いきなり一軍の試合に出させてもらっていることは有り難いことであり、プレッシャーであると思うが、逆に一軍で揉まれるといういうことは、それだけ成長が速いということ。
 個性を磨いて、どんどんブレイクしていって下さい。


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SP 野望篇~単純明快の心地よさ!

2012年02月14日 | 邦画
 この作品はひたすらアクションである。
 冒頭の傘に爆弾を仕込んだテロリストの追跡。
 街の中を走り、車の上を乗り越え、歩道橋でもつれ合い、トラックの荷台では警棒で格闘。
 そして地下鉄。線路に落ちて電車がやって来て……。
 この間、井上薫(岡田准一)はほとんどしゃべらない。
 肉体のみで見せている。
 この吹っ切れたわりきり方が心地いい。
 映画に下手なドラマはいらない、アクションだけでこんなに楽しいじゃないか、と言っているようだ。

 なのでストーリーも単純明快。
 係長・尾形総一郎(堤真一)や与党幹事長・伊達國雄(香川照之)が事件の黒幕であるらしいことを簡単にネタバレさせてしまう。
 普通なら黒幕を謎の人物にして、謎要素を作る所だが、そんな面倒くさいことはしない。
 ストーリーは脇役的なもので、主役はあくまでアクション。
 ストーリーはアクションを面白く見せるための道具でしかないようだ。

 そしてクライマックスの与党・幹事長の首相官邸への移送。
 ここはツッコミ所、満載だ。
 家を出て、テロリストに襲われれば、普通、家に戻って待機。援軍を待つのが普通。
 首相官邸には「こういう事情で遅れます」という電話を一本入れればいいだけ。
 あるいは電話を一本入れて、車をまわしてもらった方が走って移動するより断然速い。
 また、いかに夜明け前の深夜とはいえ、都会のど真ん中で、タクシーを拾えないのもおかしい。車一台走っていないのもおかしい。
 途中、ホテルに立ち寄ろうとするが、官房長官はホテルや宿泊客に迷惑をかけるからと言って、ホテルに立ち寄るのを拒否する。
 でも、そのホテルがある場所にたどり着くまでに3度テロリストに襲われているのだから、いくら何でも外を走って移動するのはヤバいと考えるのが普通。

 というわけで、後半はツッコミ所がいっぱいだが、制作スタッフはそんなことよりもアクションを重要視したようだ。
 実際、アクションシーンが面白いので、見ているとストーリーの矛盾、疑問点などが払拭されてしまう。
 ここはツッコミ所だけど、まあいいか、と許せてしまう。
 アクションで、関節技などの総合格闘技の要素を取り入れているのもいい。
 goo映画の解説に拠れば、主人公・井上が敵との格闘で行っているのは、FBIが訓練に正式導入しているフィリピン武術「カリ」や「修斗(USA SHOOTO)」、「ジークンドー(Jeet Kune Do)」であるらしい。

 というわけで、この作品では、アクションシーンだけで作品が成り立つこと、単純明快の心地よさを教えてもらった。
 単純明快こそが素晴らしい!


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平清盛 第6回「西海の海賊王」~お前の命、わしに預けよ!

2012年02月13日 | 大河ドラマ・時代劇
 清盛(松山ケンイチ)がまたひとつ成長した。
 前回、「面白う生きたい」と語った清盛。
 でも、具体性に欠けていたんですよね。
 それを今回、海賊の兎丸(加藤浩次)の言葉から与えられた。
 つまり
 「俺は海賊王になる。海賊王になって義と悪を逆にする」
 海賊は現在の体制だと<悪>だが、民を苦しめている公家たちこそ<悪>ではないか。
 海賊が公家を倒して頂点に立てば、<義>(=正義)になる。
 清盛は「途方もないこと」と驚きながら、「面白い。そなたとは気が合いそうじゃ」と言って、すぐに兎丸の考え方に共感する。
 なぜなら兎丸の言葉こそが、今まで清盛の中で言葉にならずにもやもやしてものだったからだ。
 兎丸のこの言葉で、清盛は自分のぼんやりしていた考えに形を与えられた。

 そして、この作品で何度も繰り返されるモチーフ。
 「遊びをせんとや生まれけむ。戯れせんとや生まれけむ」
 これが李白の「春夜宴桃李園序」の詩と共に現れる。
 「人生は、はかないものである。すぐに過ぎてしまう。だから今という時を大いに楽しもう。己の生をあるがままに謳歌しよう」
 「遊びをせんとや……」は清盛がお腹の中にいた時、子守歌によって聞かされた母の言葉だが、清盛の中にしっかりと生きているんですね。
 それと、父・忠盛(中井貴一)の「わしは王家の犬では終わりたくないのだ」という言葉。
 この父・母の言葉によって、清盛の人格が作られている。

 これらが結実したのが、兎丸に語った次のせりふ。

 「お前もわしも、この面白うない世を面白う生きようとあがいている。
  わしは王家の犬では終わらぬ。  
  平氏のもとでなら、もっと面白いことができるはずじゃ。
  お前の命、わしに、平氏に預けよ!」
 
 これは兎丸に言った言葉だが、自分に向けて言った言葉でもある。
 清盛はこれで完全に自分を見出した。
 清盛がせりふの中で<平氏>にこだわっているのもポイント。
 清盛は<平氏>として生きていくことを決めたのだ。

 <平氏として><王家の犬では終わらず><面白く生きる>

 これが清盛のアイデンティティ。
 こうして自分をしっかりと見出した清盛は、これから一気に突っ走っていくのだろう。
 白河法皇の禍々しい膨大なエネルギーを<平氏として、王家の犬では終わらず、面白く生きる>ことに使っていくのだろう。
 もっとも次回は恋愛話で迷いそうであるが……。

 この作品、見事な<青春物語>である。


※追記
 清盛が敵対していた兎丸を仲間にする所なんかは、少年ジャンプに見られる<少年漫画>の世界ですよね。
 義朝(玉木宏)と由良姫(田中麗奈)が反発し合いながら惹かれていくのは<少女漫画>の世界。
 このあたりがほどよくブレンドされていて、コミック世代には心地いい。


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AKB48 「GIVE ME FIVE!」~たかみなのギターがいい音を出している!

2012年02月10日 | アイドル
 昨日の<なるほどHS>でAKB48の『GIVE ME FIVE!』がテレビ初披露!
 カッコイイ!
 「その手で来たか」という感じ。
 映画『リンダ リンダ リンダ』やアニメ『けいおん!』で描かれたとおり、女の子が制服でバンドをやる姿ってカッコイイんですよね。
 しかも、ギター、ドラムス、キーボードの基本的なバンド編成でなくて、トランペット、トロンボーンといった管楽器やマラカス、タンバリンといったパーカッション系の楽器までが編成に入っている。
 楽器の背後には、コーラスメンバーもいる。
 実に豪華。
 みんなで協力し合って、ひとつの曲を作っているという感じがAKB48に合っている。

 曲の内容は卒業ソング。

♪友よ 思い出より 輝いてる明日を信じよう
 そう卒業とは 出口じゃなく 入口だろう♪

♪友よ それぞれの道 進むだけだ さよならを言うな
 またすぐ会える だから今はハイタッチしよう♪

 秋元康さんの歌詞は、テレビなどでは披露されない2番のBメロの歌詞がいいんですよね。
 どんな内容が書かれているか、楽しみ。

 柏木由紀推しの僕としては、柏木ゆきりんのドラムに拍手!
 ドラムスというポジションは、あまり前に出ることのない控えめな彼女の性格に合っている気がする。
 また、それでいて存在感がある所も。
 ドラムがリズムを取らなければ、バンドはどのテンポで演奏したらいいかわからないわけですからね、実に重要なポジション。
 
 松井咲子さんもキイボードで、音大生でもあるピアノの能力を発揮できてよかった。
 余裕があるのか、背筋を伸ばして弾き方がとてもきれい。

 あとは高橋みなみさんのリードギター。
 ラストのサビ前、たかみなが、ほぼソロでギターを奏でるシーンがあるが、いい音を出している。

 というわけで、「その手で来たか」という感じの『GIVE ME FIVE!』。
 アニメ『けいおん!』のヒットなどから着想を得たのでしょうが、秋元康さんのマーケティングセンスはさすがですね。
 どのメンバーにどの楽器をやらせるかという人員配置も。
 今年は女の子のバンドブームが来るかもしれない。


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相棒10 「アンテナ」~人は100%誰かのためだけに話をすることは出来ません。

2012年02月09日 | 推理・サスペンスドラマ
 今回は<言葉>の話。
 <言葉>というのは頼りないもので、自分の考えを100%伝えることができない。
 話す相手の価値観やアンテナの感度によって、捉えられ方が違ってくる。
 それは、今回の佐々木真人(松尾英太郎)の親子や犯人の夫婦がいい例。
 特に犯人が動機を語るシーンのカットバックが秀逸だ。
 同じ出来事(たとえば凍ったペットボトルが足に落ちたこと)でも妻と夫では感じ方が全然違う。
 妻は自分が大変で苦しくて怒り心頭なのに、夫は少しの心配で友達とのバーベキューに行く。(個人的には夫のアンテナ感度は低すぎると思いますけど)

 このように<言葉>は実に頼りない。
 争いのもとになる。
 しかし、言葉は頼りないものであるが、言葉によって救われることも真実。
 引きこもりの真人も、千束署の(萩原聖人)の熱い言葉と行動で心を動かされた様子。
 真人の両親も真人と向き合おうという姿勢になった。
 これぞ<言葉の力>である。
 ドラマとしては、逃げていた父親が真人と語るシーンを入れてほしかったと思うが、真人は、たとえば近所の人の「あなた、通り魔事件の解決に貢献したんですってね」という言葉で笑顔になれる。力を与えられる。

 それから最後にもうひとつ<言葉>について。
 今回、右京(水谷豊)が犯人を怪しいと思ったのは、犯人が何気なく口走った言葉からだった。
 言葉というのは本当に難しいものですね。


※追記
 昨日、発表された神戸尊(及川光博)の卒業。
 これで、新しい相棒は誰になるのかという関心が一気に高まった。
 そこで今回の萩原聖人さんが演じる相原誠。
 理性的な神戸とは対照的な熱血派の相原は十分<新相棒>の可能性大?
 ドラマ本編とは別に、新相棒についても推理が繰り広げられそうですね。


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「大暗室」 江戸川乱歩~僕の創造した世界をすばらしいとは思いませんか。

2012年02月08日 | 小説
 江戸川乱歩の『大暗室』をひさしぶりに読んだ。
 まず『大暗室』というタイトルがすごい。
 そして、内容は『パノラマ島奇譚』などに通じる乱歩の荒唐無稽な世界。

 何しろ帝都・東京の地下に<大暗室>を造営し、天女、人魚、人面獣身の妖女、蛇女などが跋扈する<怪奇と艶美とを織り交ぜた狂気の国、夢幻の国>を作り出すという話ですからね。
 そして、天女、人魚、妖女、蛇女になるのは、この大暗室の主人・大曾根竜次がさらってきた選りすぐりの美女たち。
 大曾根は大暗室を取材に来た新聞記者たちに語る。
 「僕の創造したこの世界をすばらしいとは思いませんか。こんな世界が地球のどこにあるでしょう。ただ詩人たちが、空想の中で歌っていた世界です。夢の国です。恐ろしいけれども、甘美この上ない悪夢の世界です」
 「僕は彼女たちの或る者には、羽根をはやして、人工の美女を作りました。或る者には鱗を着せて、人工の人魚を作りました。それから大蛇を作り、半人半獣の怪物をこしらえました。
 いや、彼女たちばかりではありません。この地獄の国そのものが、すべて僕の創造した人工の世界なのです。この峨々たる岩山も、あの湯の池も、虚空のオーロラも、ことごとく作りものなのです」

 凄まじい情熱である。
 大曾根は、この<人工の世界>を作り出すために悪事を重ね、金塊を奪い、美女をさらってきた。
 詩人や小説家が空想や文章表現で終わらせることを、現実に形にしている。
 経済人なら手元にある大金を投資や事業など現実的なことに使うのだろうが、大曾根は<夢想世界の実現>という非現実的なことに使っている。

 しかし、この大曾根の情熱こそが江戸川乱歩の真骨頂でもある。
 現実を嫌い、空想世界に生きるという姿勢。
 現実は退屈で、夢の世界こそがまこと、とする思想。
 蛇女などがいた浅草の見世物小屋やサーカスの世界へ郷愁を感じる思い。

 乱歩は、自然主義文学など明治以降の<近代文学>から背を向けている。
 ゆえに乱歩は、ひとつの強烈な個性であり、現代にあっても少しも古さを感じない。

 ところで、大曾根が作り出した世界って、現代で言えばディズニーランドですよね。
 もっとも、ディズニーランドが多くの客を集めてお金を売る商業施設なのに対し、大暗室は大曾根自身の満足のために作られた個人施設。
 この違いは大きい。
 やはり大曾根は狂気の人である。


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プロフェッショナル 仕事の流儀~言葉のチカラ

2012年02月07日 | ドキュメンタリー
 昨日の「プロフェッショナル 仕事の流儀」では、登場した人物が影響を受けた<人生の言葉>を紹介していた。

★まずはリーダー論。
 リゾート再生経営者の星野佳路さんは、大学時代に所属していたアイスホッケー部の監督の次の言葉にリーダー論を学んだそうだ。

 「お前が考える7割で良しとしてほめてやれ」

 自分に厳しい人は他人にも厳しい。自分のやっていることと同じことを他人にも要求する。
 でも自分と他人は考え方もやり方も違う。他人だって精一杯やっている。
 プライドを傷つけられ、過度の要求・圧力を受けたら反発したくなるのが人の心。
 だから「7割で良しとしてほめてやれ」。
 これを実践した結果、星野さんのチームは活気が出て、リーグ優勝したそうだ。

 同じ様な自分と他人との人間関係の言葉では、絵画修復家の岩井希久子さんのこんな言葉も。

 「人は変えられないが、自分は変われる」

 確かに。
 人は自己愛の生き物だから、自分が他人に影響を及ぼしたいと考える。
 しかし、この言葉のように、前提として「人は変えられない」と考えた方が方がいいように思う。
 むしろ先程紹介した星野佳路さんのように自分が変わった方が他人を変えられる。

★人生に迷った時は、次のような言葉。

 「人生は線ではない。1日という点が連続して、一本の線になる」(樹木医・塚本こなみさん)
 「決まった道はない。ただ行き先があるのみだ」(獣医師 齋藤慶輔さん)

 確かに。
 塚本さんのおっしゃるとおり、その日にやるべきことを精一杯やった小さな積み重ねが現在の自分であり、人生の結果なのだろう。
 なのでやるべきことは目の前の自分に出来ることを一生懸命やること。
 ただし、齋藤慶輔さんがおっしゃるように自分の「行き先」を定めることは大切なのかもしれない。
 齋藤さんの場合は、野生動物を死に追いやる猟銃の鉛の弾丸をなくすことだったそうだが、齋藤さんはその行き先を達成するために何をすべきかのみを考えた。
 猟銃を使う方に鉛の弾丸でなく銅の弾丸を使うように手紙を書くこと、小学校で子供たちに鉛の弾丸が野生動物に被害をもたらすことを語ること。
 そこには目的達成のためのスケジュールや道筋はない。
 時には道が途中でなくなっていて後戻りしたり、脇道に逸れたりしながら、ただ、やるべきことをやるのみ。
 その結果、いつの間にか、「行き先」にたどり着いていた。
 それが、人生のいうものなのだろう。

 そして訪問看護師・秋山正子が末期癌の患者さんから聞いた言葉。

 「まだ山は降りていない。登っている」

 生きることを登山にたとえた言葉だが、何と力強い言葉なのだろう。
 死の淵にあっても登ることを諦めず、ひたすら高みを目指す。

 言葉はすべてを伝えることが出来ず、実に頼りないものだが、上記のように人にチカラも与える。
 また、真剣に生きていれば、出会った人、すれ違った人の何気ない言葉が突き刺さる言葉になる。
 たとえば、獣医師の齋藤さんの「決まった道はない。ただ行き先があるのみだ」という言葉は、ロシアのトラックの運転手さんから聞いた言葉なのだそうだ。


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平清盛 第5回「海賊討伐」~禍々しい力を災いにするも宝にするも、そなた次第よ。

2012年02月06日 | 大河ドラマ・時代劇
 清盛(松山ケンイチ)、義朝(玉木宏)、佐藤義清(藤木直人)の描き分けが面白い。
 義朝は、海賊などがはびこる乱れた世で「王家に武士の力を認めさせたい」と語り、
 義清は「ただ美しさを求めているだけだ。美しく生きることだけが私の心意気」と語り、
 清盛は「俺は面白う生きたい」と語る。

 義朝は武士としてのアイデンティティを保ちつつ、貴族が支配する世の中を肯定する現状維持派。野心もある現実家。
 義清は自らの美意識に生きる芸術家肌。ロマンを求める非現実家。
 清盛は無頼で、少し子供っぽいという感じですかね。

 ただ、この三人に共通しているのは、貴族が支配する世の中に距離を置いているということ。
 義朝はその置かれている現実ゆえか、少し貴族社会にすり寄るスタンスを取っているが、義清と清盛は、現体制とは違った価値観で生きている。

 それは高階通憲(阿部サダヲ)も同じ。
 通憲は完全に現体制を否定する。
 彼は海賊が出て、自分の米が来なくなることを懸念する貴族たちにこう語る。
 「おのれの事しか考えぬ者たちによって政(まつりごと)が行われておる。その事への恨み、つらみ、怒り、悲しみ、嘆き、諦めこそが、元は漁師や百姓にすぎぬ者をして国司の手にも負えぬ一大海賊にならしめた。御一同こそがこの海賊の元凶!」

 清盛、義朝、義清、通憲。
 こうした若者が既存の世の中を破壊し、新しい世界を作っていくんでしょうね。
 そして、通憲が貴族たちに言った言葉はそのまま現在にも当てはまる。
 <おのれの事しか考えぬ者たちによって行われている政>。
 政局と選挙のことしか考えない政治家、自分の保身と利権しか考えない官僚。
 いずれはしっぺ返しが来るような気がする。

 さて清盛。
 白河院のまがまがしい力を有した清盛はある意味、エネルギーのかたまりだ。
 現在は、そのエネルギーをどこに向けていいかわからず迷走している。
 なので通憲は焼き魚を食いながら釘を刺す。
 「その禍々しい力を、災いにするも、宝にするもそなた次第よ」
 膨大なエネルギーを<善>に使うか<悪>に使うか、それはエネルギーを持つ人間の考え方次第なのでしょうね。


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さばドル~みおりんが降臨して「よし、許すぞ」と言う。

2012年02月03日 | アイドル
 大人気アイドル・渡辺麻友は38歳だった!
 『さばドル』(テレビ東京 土曜0:53)が面白い。

 そのまゆゆをめぐる物語も面白いが、まゆゆファンの高校生・三人組も楽しい。
 渡辺麻友を崇拝する彼らは、まゆゆの写真とグッズを神棚のように祀っている。
 そう、ファンにとってアイドルは、<神曲><神の7人>という言葉があるように、<神>なのだ。
 なので三人組のひとり、リーダー格の梨本佑司(若葉竜也)はまゆゆが総選挙で言った言葉、「私も皆さんを信じるので、皆さんも私を信じて下さい」を信じて、乃木坂46に移籍したまゆゆを支持する。

 ファン心理としては、三人組のひとり、合田晋平(中村織央)も面白い。
 実は晋平、まゆゆファンはオモテの姿で、実は<みおりん>こと市川美織さんのファン。
 なので、梨本から「いっしょにまゆゆを応援していこうな!」と言われるたびに「おう!」と同意し、制服の裏に隠したみおりんの写真に謝っている。
 <市川美織推し>にも関わらず、<渡辺麻友推し>のふりをしていることを申し訳なく思っている。
 「みおりん、ごめん!」
 すると、画面上に市川美織さんが登場!
 「よし、許すぞ」(笑)
 第3話では二度「おう!」と同意してしまったので、「また裏切ってごめん」と謝ると、再び市川さんが現れて
 「今度も許すぞ」(笑)
 晋平にとって、みおりんは<慈愛に満ちた女神>なのだ。

 それにしても渡辺麻友さんは演技が上手いですね。
 17歳と38歳を見事に演じ分けている。
 僕は渡辺麻友さんと横山由依さんは役者の才能があると思っているが、今後の役者としての開花が楽しみ。

 そして現在、AKB48のメンバーは、バラエティ、クイズ番組、ドラマなどにそれぞれの個性や得意分野を活かして、単品、ひとりで出演している。
 AKB48は出発点で、<それぞれが自分の才能を開花させて、テレビやあらゆる分野で活躍する>。
 この秋元康さんの理想・コンセプトが実現されつつある。

 AKB48は、メンバーそれぞれが自分を知り、才能を開花させていくひとつの学校なんですね。
 面白いシステムだと思う。


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相棒10 「悪友」~ちょっと詰め込み過ぎですかね

2012年02月02日 | 推理・サスペンスドラマ
 ちょっと詰め込み過ぎですかね。
 以下、ネタバレ。

 まず、麻薬取引でなくなった3億円が不動産になって隠されていたというアイデアが面白い。
 このアイデアだけで、1エピソード作れそう。
 次に田中晶。
 彼(彼女?)は誰か?
 「喫茶店のパートであり、オーナーであり、通訳であり、詐欺師である人物」
 <ヴェールに包まれた謎の人物><複数の顔を持つ人物>など、実に魅力的なキャラクターだ。
 そして、この田中晶に関する詐欺事件に絞って1エピソードを作ればよかったのに、穴掘りの三人組を事件に絡めたり、出所したヤクザ・寺島が田中晶を捜すエピソードなどを入れたりしたため、事件は散漫で複雑に。
 実にもったいない。

 このことは作劇にも言える。
 詰め込み過ぎで、展開が強引になってしまった。
 強引とは、たとえば次のような所。
 田中晶の正体を割り出す右京(水谷豊)。
 右京は次のように推理する。
・中国マフィアとの麻薬取引→中国人通訳がいたはず→喫茶店のパートが『特国』と書いたこと。『特国』は中国語でドイツを意味する。→田中晶の正体は喫茶店のパート。
 推理としてはちょっと乱暴だ。
 <田中晶=喫茶店のパート>であることを立証するものが、<彼女が写っていた雑誌の記事>というのも後追いで、とってつけたような感じ。

 ラストの余韻もイマイチ。
 「刑務所に入った俺たちはもうダメなのかな?」とつぶやく三人組に対し、右京は「コツコツとやるしかありませんねぇ」とコメント。
 確かに正論なのだが、「三人で力を合わせていけば大丈夫」くらいのことも言ってほしかったな。
 池谷隆平(三宅弘城)と喫茶店の常連客の京子(甲斐まり恵)との恋愛エピソード(?)も何かオチを見たかった。

 複数の事件を絡ませて、事件を複雑にしていく「相棒」の作劇は素晴らしいと思うが、やり過ぎると今回のような形になってしまう。


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