goo blog サービス終了のお知らせ 

平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

平清盛 第8回「宋銭と内大臣」~何と豊かで生き生きとしておるのじゃ!

2012年02月27日 | 大河ドラマ・時代劇
 宿敵登場! という感じですね。
 宿敵とは藤原頼長(山本耕史)。
 「そなたの料簡を知りたかっただけじゃ。これだけの証拠を突きつけられながら、ひるみもせず、詫びもせず、それどころか法を罵り、浅はかな考えにて、国の仕組みを変えよと求める。私はこれより、そなたのようなものを粛正するべく、法を整え、政を行う」
 頼長は体制側の人間。
 法を厳格にして、横行する悪を根絶しようとする立場。
 現状の腐敗した、ふやけた政治を守ろうとするのではなく、政治の力を強くして、世の中を自分の才覚のもとに管理していこうとする立場。
 現在で言えば、志の高い<霞ヶ関の官僚>だ。

 一方、<規制緩和>しようとするのが清盛(松山ケンイチ)。
 宋との貿易を官が管理するのではなく、民間に自由に任せろという立場。
 その方が、経済が活性化し、民がうるおい、イキイキとするという立場。
 信長の楽市楽座のさきがけみたいな感じかな。

 というわけで大河ドラマに経済の要素を持って来たのが面白い。
 大河ドラマの登場人物が権力者である以上、<経済>を描かないのはやはりおかしい。
 平家が密貿易をしていることがバレてもお咎めなしなのも、武家としてそれなりの発言力があるのも<豊かな経済力>が背景にあるからなのだ。
 この点、『平清盛』は骨太だ。

 <文化>が描かれるのも面白い。
 毎回、佐藤義清(藤木直人)を要として紹介される和歌。
 今回描かれた菊酒。
 前回、清盛が枝に歌を結んで、明子(加藤あい)に気持ちを告げたのも実に雅。←代作でしたが……

 このように実に内容豊かな『平清盛』。
 脇役たちの描き込みもしっかりしている。
 璋子(檀れい)と得子(松雪泰子)も葛藤も<水仙と菊>で見事に表現されている。
 兄・清盛と対照的な、家のために結婚相手を決めてしまう家盛(大東駿介)の描き分けもいい。
 源氏パートは今回はコメディ。
 義朝(玉木宏)は東国の荒くれどもと戦っているのを「いい武芸の鍛錬になる」と強がり。
 由良姫(田中麗奈)は「○○○と父が申しております」とツンデレ。
 高階通憲(阿部サダヲ)は何となく清盛の軍師みたいな感じだし、兎丸(加藤浩次)はかっこいい。
 兎丸は清盛に言う。
 「落とし前をつけてもらおうか。いつかお前が作れ。宋と商いをしてイキイキと豊かな国を。その手伝いだったらしたってもいい」
 もってまわった言い方をして、みんな素直じゃないんですね。

 そして最後に、清盛の屋敷は、みんなが<バカ笑い>をして実ににぎやか。
 これは陰謀うずまく宮廷とは実に対照的だ。

 今回は、清盛に経済人・政治家としての顔が見えてきた話でした。


コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする