まひろ(吉高由里子)と道長(柄本佑)のすれ違いの恋愛物語は続く。
まひろはこう語る。
「わたしは道長様から遠ざからねばならない。そのためには何かをしなければ」
道長はまひろからの返歌がなくて
「ふられた!」
散楽の騒動でふたりで手を繋ぐが、直秀(毎熊克哉)がやって来て、
「邪魔しちゃった?」笑
そして打毬の後でまひろは上級貴族たちの本音を聞いてしまう。
「女こそ家柄が大事だ」
「右大臣家の息子であれば引く手あまたであろう」
「為時の娘? あれは地味でつまらぬ女だ」
「あれはないな」
この会話に道長は曖昧にうなずく。
だが、まひろにとってはこれだけで十分だった。
やはり身分の壁は高いことを思い知らされ、道長の気持ちにも疑いを持つことに。
あそこで道長が「つまらない女ではない」「身分など関係ない」と言っていれば事態は変わっていたのだろうが、道長はそこまで雄弁に自分を表現できない。
瞬間的には言えるんですけどね。
「やめろ! 道長である」
「(右大臣家の中傷の散楽を)俺も見たかったな」
直秀に「お前らの一族は下の下だな」と言われて
「まったくだ」
結局、道長の真意が伝わらず、まひろは道長からの文を焼き捨てる。
…………………………………………………………………………………
まひろと道長の間に立ちはだかる身分の壁。
まひろはこれに立ち向かう術を知らない。
清少納言・ききょう(ファーストサマーウイカ)であれば、身分の違いなど乗り越えて自己主張するのだが、まひろはそれをできない。
だから「つまらぬ女」と言われてしまう。
お手本になる女性はいるんですけどね。
・兼家(段田安則)を虜にしている寧子(財前直見)~『蜻蛉日記』の作者・藤原道綱の母
・斉信(金田哲)を翻弄する清少納言ききょう
・奔放な和泉式部~本作には登場しないようだが……
あるいは物語の人物だが、貴族や帝を翻弄した『竹取物語』のかぐや姫
ただ、まひろには身分制度を乗り越えて自分を表現する手段が芽生えつつある。
『文芸』だ。
今回の『キツネと猿』の話がそうだった。
「おかしきことこそめでたけれ」
まひろは創作の世界に活路を見出すのだろう。
物語の世界なら身分を乗り越えられる。
……………………………………………………………………………
政治の世界では──
・忯子(井上咲楽)を喪って悲嘆に暮れる花山天皇(本郷奏多)
・自分の犯した罪に脅える右大臣・兼家
・弟・道兼(玉置玲央)の懐柔する道隆(井浦新)
・間者を辞めて誠実に生きようと思うまひろの父・為時(岸谷五朗)
・帝を威光を笠に着て権勢を振るおうとする義懐(高橋光臣)
・道長を見初めてしまった倫子(黒木華)
そして
・逃げてしまった倫子の猫・小麻呂!~たぶん次回はしっかりいると思うけど。笑
まひろは貴族社会と庶民社会の間にいる。
それを象徴的に物語るのが道長と直秀だが、次回は庶民社会・直秀の方に傾くようだ。
まひろはこう語る。
「わたしは道長様から遠ざからねばならない。そのためには何かをしなければ」
道長はまひろからの返歌がなくて
「ふられた!」
散楽の騒動でふたりで手を繋ぐが、直秀(毎熊克哉)がやって来て、
「邪魔しちゃった?」笑
そして打毬の後でまひろは上級貴族たちの本音を聞いてしまう。
「女こそ家柄が大事だ」
「右大臣家の息子であれば引く手あまたであろう」
「為時の娘? あれは地味でつまらぬ女だ」
「あれはないな」
この会話に道長は曖昧にうなずく。
だが、まひろにとってはこれだけで十分だった。
やはり身分の壁は高いことを思い知らされ、道長の気持ちにも疑いを持つことに。
あそこで道長が「つまらない女ではない」「身分など関係ない」と言っていれば事態は変わっていたのだろうが、道長はそこまで雄弁に自分を表現できない。
瞬間的には言えるんですけどね。
「やめろ! 道長である」
「(右大臣家の中傷の散楽を)俺も見たかったな」
直秀に「お前らの一族は下の下だな」と言われて
「まったくだ」
結局、道長の真意が伝わらず、まひろは道長からの文を焼き捨てる。
…………………………………………………………………………………
まひろと道長の間に立ちはだかる身分の壁。
まひろはこれに立ち向かう術を知らない。
清少納言・ききょう(ファーストサマーウイカ)であれば、身分の違いなど乗り越えて自己主張するのだが、まひろはそれをできない。
だから「つまらぬ女」と言われてしまう。
お手本になる女性はいるんですけどね。
・兼家(段田安則)を虜にしている寧子(財前直見)~『蜻蛉日記』の作者・藤原道綱の母
・斉信(金田哲)を翻弄する清少納言ききょう
・奔放な和泉式部~本作には登場しないようだが……
あるいは物語の人物だが、貴族や帝を翻弄した『竹取物語』のかぐや姫
ただ、まひろには身分制度を乗り越えて自分を表現する手段が芽生えつつある。
『文芸』だ。
今回の『キツネと猿』の話がそうだった。
「おかしきことこそめでたけれ」
まひろは創作の世界に活路を見出すのだろう。
物語の世界なら身分を乗り越えられる。
……………………………………………………………………………
政治の世界では──
・忯子(井上咲楽)を喪って悲嘆に暮れる花山天皇(本郷奏多)
・自分の犯した罪に脅える右大臣・兼家
・弟・道兼(玉置玲央)の懐柔する道隆(井浦新)
・間者を辞めて誠実に生きようと思うまひろの父・為時(岸谷五朗)
・帝を威光を笠に着て権勢を振るおうとする義懐(高橋光臣)
・道長を見初めてしまった倫子(黒木華)
そして
・逃げてしまった倫子の猫・小麻呂!~たぶん次回はしっかりいると思うけど。笑
まひろは貴族社会と庶民社会の間にいる。
それを象徴的に物語るのが道長と直秀だが、次回は庶民社会・直秀の方に傾くようだ。
私の長男は「辛い場面」を見るのが嫌だという理由でドラマ嫌い。
「辛い場面」の前兆にも敏感で、まひろが「倫子の猫・小麻呂」を追いかけ始めたのを見た段階で、そそくさとテレビの前から離れて行きました。(笑)
互いの素性を知ってからも「すれ違い」路線を続けてゆくのですね。
>・道長を見初めてしまった倫子
「すれ違い」を重ねている間に倫子と道長とが収まってしまう、という展開なのでしょうか。
ところで今回の場面、既視感がありませんか。
コウジさんは「花郎」第6話はご覧になったそうですので。
古代貴族たちの球技試合(「花郎」では「フットボール」、本作では「ポロ」)。
メンバー不足のために駆り出された運動能力抜群の助っ人選手ソヌ(=ムミョン)と直秀。
ギャル姫たちに混じって観戦するヒロイン(アロ、まひろ)。
「友」でもあり「敵」でもあるソヌ(=ムミョン)とジディ(=真興王)、道長と直秀の関係。
今回道長は直秀の「敵」(盗賊)としての顔に気づいた様子。
道長がこのことにどのように反応し、今後、道長と直秀との関係はどうなってゆくのか、興味深いところです。
ただし、道長は武官だったにしても、部下ではなく自身が直接盗賊を射るようなことがあったのか、ちょっと無理があったようにも思いました。
今回、かなりフォローが入っていたようですが。
いつもありがとうございます。
「フットボール」と「ポロ」
おそらく大石静さんは「花郎」を観ていますよね。
「五節の舞」「漢詩の会」「打毬」
今作はさまざまな平安の風俗を見せてくれます。
それを各話のクライマックスに持って来る所も上手いですね。
まひろと道長、そして倫子。
この関係をどう収めていくのかは見所ですね。
現状のすれ違いのまま残り40話を描くのは、いくら大石静さんとはいえ、難しいので何らかのけじめが必要です。
ポイントは直秀でしょうか?
直秀をきっかけにふたりは独自の道を歩み始めるみたいな。
一方、倫子とまひろ、倫子と道長の関係はどう描かれるのか?
この作品、予測不能な所が魅力ですよね。