平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

今ここにある危機とぼくの好感度について~正論がスルーされる社会。これに好感度青年は何を思うか?

2021年05月01日 | その他ドラマ
 神崎真(松坂桃李)は何も言わないことを是として生きてきたテレビアナウンサーである。
「何か言えば叩かれる」「自分の好感度が下がる」
 彼はそう考えて世の中を渡って来た。
 そんな神崎が国立大学の広報に転職し、出会った現実とは──

 正論が無視される現実だった。

 地球温暖化と被災地復興を大学の授業料値上げの理由にする大学理事に対して、
 教授の室田(高橋和也)は正論を吐く。

「もういい加減、こういうインチキはやめません?
 地球温暖化と被災地復興はウチの授業料値上げと関係なくないですか?
 これだけ格差が拡がって奨学金返済に苦しむ若者が多いというのに
 何でウチみたいな国立大が授業料を上げるんすか?
 教育者ならこの状況を重く受けとめ、
 日本の大学教育が本来どうあるべきか考えるべきではありませんか?」

 この正論に対して、大学執行部は何も言わずこう考えている。

「座禅中の修行僧のように半目になるんだ。
 ここにいる人間は皆、会議が早く終わることを望んでいて、
 本質を語り合うことではないと考えていると信じ続けるんだ。
 そのうち室田は力尽きて座る」

 そして室田教授は座り、採決となり授業料UPが決定する……。

 何だか国会を見ているようだな。笑
 国会でも本質的な議論がなされず、首相や閣僚は官僚の書いた作文を読み、時にゴマかし、
 やがて時間が経って採決がなされる……。
 ……………

 論文のデータ不正を内部告発した木嶋みのり(鈴木杏)は言う。

「わたしは日本の科学研究にあるべき姿を取り戻したいだけだよ。
 資金、資金、資金って、お金のことばかり必死になって、研究はいびつに歪んでしまった。
 もう絶対このままじゃダメだって、みんな思ってるのに止められない。
 研究の世界はわたしの相手をしてくれた。
 だから研究の喜びを取り戻したい!
 ただ、それだけだよ!」

 さあ、これらの正論に、好感度だけを気にする、何も考えない男・神崎はどう反応するのか?

 神崎の上司・石田(渡辺いっけい)は言う。

「正論なんて、何の腹の足しにもならねえ。
 そんなものは捨てちまえ」

 でもなあ。
 捨ててしまって、本質が議論されず問題が放置されたら、
 問題はどんどん深刻になっていくと思うんだけどなあ。

 作品は、大学を舞台に描いているけど、これは現代日本社会の縮図。
 2021年に生きるぼくたちは今こそ逃げずに本質を語り合うべきではないだろうか?

『今ここにある危機とぼくの好感度について』は毎週土曜日よる9時より放送中(全5回)。
 本日(5/1)は第2話が放送される。


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